甘え上手な彼女4 冬編
第39話
*
「紗弥」
「……」
「紗弥ってば!!」
「え……あ、ごめん。ぼーっとしてた」
紗弥は由美華と一緒に喫茶店に来ていた。
クリスマスと言うこともあって、喫茶店にはカップルが大勢訪れていた。
「大丈夫?」
「うん……大丈夫だよ」
「そう? それにしても八重君は何をしてるのよ!! 折角のクリスマスなのに彼女を放っておくなんて!!」
「きっと……忙しいんだよ」
怒る由美華に紗弥は苦笑いでそう言う。
ふと隣のテーブルに座るカップルを見ながら、紗弥は寂しそうな表情をする。
クリスマスは高志と一緒に過ごしたかった。 本音はそうだが、紗弥はそれを由美華には言わなかった。
「でも……大事な話ってなんだろ……」
紗弥はずっとそのことが気になっていた。
大事な話し、それが一体何なのか朝からずっと気になっていた。
「大事な話って……もしかしたら……」
「だ、大丈夫だよ! 大事な話って言ってもそこまで重要な話しじゃ無いかもしれないし!」
紗弥が先を話す前に、由美華が言葉を被せてきた。
なんと言おうとしたのか由美華は分かっていた。
分かっていたからこそ、その先を紗弥に言わせる訳にはいかなかった。
その言葉を言わせてしまったら、更に紗弥が気分を落としてしまうと由美華が思ったからだ。
「ま、まぁ日中は久しぶりに二人で遊ぼうよ! さぁ、この後は買い物だよ!」
「う、うん」
由美華にそう言われ、紗弥は笑顔でそう答える。
しかし、紗弥は内心高志の事ばかりを考えていた。
*
「うーむ……」
「どうしたのよ、珍しく悩んで」
「いや、ちょっと気になって」
赤西と朋香は今日のクリスマス会の準備をしていた。
買い出しに行ったり、教室の飾り付けをしたりと結構忙しかったりする。
「何が気になるのよ」
「いや……高志と宮岡の事がさ……」
「あぁ、なんか冬休み入る前も仲悪かったしね……本当にどうしたんだろ?」
「さぁ……なんだかんだ言っても、あいつには世話になったからな……だからなんか心配なんだよな……」
赤西は隣を歩く朋香にそんな話しをしながら、学校までの道を歩く。
「あんなに仲良かったのに……何かあったのかもね」
「その何かを高志が話さねーからさ……俺も協力にしようが無いんだよ……」
「ふぅーん、随分友達思いなのね」
からかうように朋香は赤西にそう言う。
赤西はそんな朋香の言葉に照れ、顔を赤く染める。
「べ、別に普通だろ……そ、それより早く戻って準備しないと行けないだろ!」
「それもそうね……手伝いに来てくれてるメンバーも心配だし……特に男子」
「それは……否定出来ない」
赤西が準備の手伝いに選んだのは、繁村と土井、そして泉だった。
土井と泉はともかく、繁村はクリスマスが近づくにつれて壊れて来ているので、何をしでかすか分からない。
「まぁ……ジャンケンに負けたのがあの三人だったからな……」
「泉君がちゃんと繁村の事を見張っててくれれば良いけど」
「大丈夫だろ? さて早く帰って準備の続きをしないとな」
赤西と朋香は学校までの道のりを急ぐ。
パーティーは夕方からの予定で、先生も監督役で参加する。
先生も今日は休みだったらしく、夕方に来てくれるらしい。
「さて、あいつらはちゃんとやってるかねぇ~」
「男子はともかく女子は大丈夫よ」
赤西と朋香は学校に到着し、教室に向かっていた。
「まぁ、クリスマスパーティーだし……繁村もそんなに荒れてない……」
「ひゃっはぁぁぁぁ!! カップルなんて十字架に貼り付けられて燃やされてしまえば良いんだ!!」
教室を開けた赤西の目に映ったのは、ロウソクを頭に付け、檜の棒を両手に持って荒ぶる繁村だった。
「………なんだこの世紀末……」
「私、入る教室間違えたかしら……」
「紗弥」
「……」
「紗弥ってば!!」
「え……あ、ごめん。ぼーっとしてた」
紗弥は由美華と一緒に喫茶店に来ていた。
クリスマスと言うこともあって、喫茶店にはカップルが大勢訪れていた。
「大丈夫?」
「うん……大丈夫だよ」
「そう? それにしても八重君は何をしてるのよ!! 折角のクリスマスなのに彼女を放っておくなんて!!」
「きっと……忙しいんだよ」
怒る由美華に紗弥は苦笑いでそう言う。
ふと隣のテーブルに座るカップルを見ながら、紗弥は寂しそうな表情をする。
クリスマスは高志と一緒に過ごしたかった。 本音はそうだが、紗弥はそれを由美華には言わなかった。
「でも……大事な話ってなんだろ……」
紗弥はずっとそのことが気になっていた。
大事な話し、それが一体何なのか朝からずっと気になっていた。
「大事な話って……もしかしたら……」
「だ、大丈夫だよ! 大事な話って言ってもそこまで重要な話しじゃ無いかもしれないし!」
紗弥が先を話す前に、由美華が言葉を被せてきた。
なんと言おうとしたのか由美華は分かっていた。
分かっていたからこそ、その先を紗弥に言わせる訳にはいかなかった。
その言葉を言わせてしまったら、更に紗弥が気分を落としてしまうと由美華が思ったからだ。
「ま、まぁ日中は久しぶりに二人で遊ぼうよ! さぁ、この後は買い物だよ!」
「う、うん」
由美華にそう言われ、紗弥は笑顔でそう答える。
しかし、紗弥は内心高志の事ばかりを考えていた。
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「うーむ……」
「どうしたのよ、珍しく悩んで」
「いや、ちょっと気になって」
赤西と朋香は今日のクリスマス会の準備をしていた。
買い出しに行ったり、教室の飾り付けをしたりと結構忙しかったりする。
「何が気になるのよ」
「いや……高志と宮岡の事がさ……」
「あぁ、なんか冬休み入る前も仲悪かったしね……本当にどうしたんだろ?」
「さぁ……なんだかんだ言っても、あいつには世話になったからな……だからなんか心配なんだよな……」
赤西は隣を歩く朋香にそんな話しをしながら、学校までの道を歩く。
「あんなに仲良かったのに……何かあったのかもね」
「その何かを高志が話さねーからさ……俺も協力にしようが無いんだよ……」
「ふぅーん、随分友達思いなのね」
からかうように朋香は赤西にそう言う。
赤西はそんな朋香の言葉に照れ、顔を赤く染める。
「べ、別に普通だろ……そ、それより早く戻って準備しないと行けないだろ!」
「それもそうね……手伝いに来てくれてるメンバーも心配だし……特に男子」
「それは……否定出来ない」
赤西が準備の手伝いに選んだのは、繁村と土井、そして泉だった。
土井と泉はともかく、繁村はクリスマスが近づくにつれて壊れて来ているので、何をしでかすか分からない。
「まぁ……ジャンケンに負けたのがあの三人だったからな……」
「泉君がちゃんと繁村の事を見張っててくれれば良いけど」
「大丈夫だろ? さて早く帰って準備の続きをしないとな」
赤西と朋香は学校までの道のりを急ぐ。
パーティーは夕方からの予定で、先生も監督役で参加する。
先生も今日は休みだったらしく、夕方に来てくれるらしい。
「さて、あいつらはちゃんとやってるかねぇ~」
「男子はともかく女子は大丈夫よ」
赤西と朋香は学校に到着し、教室に向かっていた。
「まぁ、クリスマスパーティーだし……繁村もそんなに荒れてない……」
「ひゃっはぁぁぁぁ!! カップルなんて十字架に貼り付けられて燃やされてしまえば良いんだ!!」
教室を開けた赤西の目に映ったのは、ロウソクを頭に付け、檜の棒を両手に持って荒ぶる繁村だった。
「………なんだこの世紀末……」
「私、入る教室間違えたかしら……」
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