甘え上手な彼女4 冬編
第26話
*
テストは四日に分けて行われる。
テストの一日目、高志はまずまずの手応えを感じていた。
回答欄をすべて埋めることが出来、自己採点の点数も悪くなかった。
テストが終わった教室では、皆テストの話しばかりしていた。
この問題はどう答えたとか、この問題を間違えたなど、前のテストの回答の事ばかりを話していた。
「よお高志、テストどうだった?」
「まぁ、とりあえず一安心ってとこかな? 優一は?」
「俺は赤点さえなければそれで良いんだよ」
「相変わらずだな……泉君は?」
「僕はまぁまぁかな?」
「まぁ、泉は頭良いからな」
「そんな事無いよ、それよりも明日もテストだし、明日の教科の勉強しないと」
「それもそうだな……」
テストの日は学校が早めに終わる。
そのまま帰る生徒も居れば、教室に残って勉強をする生徒、図書室に行って勉強する生徒など色々だ。
「じゃあ、俺は先に帰るよ」
「おう、今日もバイトだっけ?」
「あぁ、じゃあまたな」
高志は本日もバイトがあるため、足早に教室を後にする。
「なんか、今日は高志帰るの早いね」
「あぁ、泉は知らないのか……あいつ、彼女の為に頑張ってるんだよ」
「ん? ……あぁ、クリスマス……」
「あぁ、あいつは宮岡を溺愛してるからな……」
高志が居なくなり、泉が優一に尋ねる。
優一は欠伸をしながら優一に訳を説明する。
「いいよね、仲の良いカップルって」
「そうか? ただのバカップルだろ?」
「羨ましいよ……なんか……」
「……あぁ、そっか……お前は振られたんだもんな」
「うっ……い、痛いとこつくね……」
「事実だろ?」
「まぁ……そうだけど……」
「はぁ……まだ引きずってんのか?」
優一はため息を吐きながら泉に尋ねる。
最近、泉も由美華もなんだか様子がおかしい。
優一はそのことに気がついており、そんな二人を気にしていた。
「ま、まぁ……ね」
「まぁ、御門は顔良いからな……」
「ぼ、僕は別にそれだけで好きになったわけじゃ……」
「ふーん、まぁ人の恋に口出す気はねーけど」
「十分出してるよ……」
優一と泉がそんな話しをしていると、紗弥と由美華が二人に近づいて来た。
「ねぇ、二人とも」
「ん? 宮岡か……高志なら帰ったぞ」
「うん、知ってるけど……最近高志がなんか変なんだけど……何か知らない?」
紗弥からそんな話しを聞き、優一はいつもの調子で答える。
「宮岡が知らないんだ、俺達が知るわけないだろ?」
「そう……」
元気の無い紗弥を見て、優一は少し心配になる。
(あいつ……何も無いと良いけどな……)
少し紗弥を放置しすぎでは無いかと思いながら、今度は由美華に話しを振る優一。
「御門、泉が勉強教えて欲しいってよ」
「え!?」
「え! あ……う、うん……良いよ」
「え!! えっと……じゃあ、図書館で……」
優一の言葉に泉と由美華は驚いたが、二人ともまんざらでも無い感じで図書館に向かった。
「はぁ、あいつらもなんだかんだ言ってくっつくんだろうなぁー」
優一はそんな事を思いながら、鞄を持って席を立つ。
「じゃあな宮岡、高志によろしく」
「うん、じゃあね」
優一は紗弥にそう言って教室を後にする。
靴を履き替え、さっさと帰ろうとする優一の背中に激しい衝撃が走る。
「いでっ!!」
「優一さん!!」
衝撃の正体は芹那だった。
優一の背中に芹那が抱きつき、優一はそんな芹那を引き剥がして尋ねる。
「何してやがる」
「一緒に帰りましょうよ!! いっつも私を置いていって!!」
「一緒に帰りたくないしな」
「もぉ~そんなに恥ずかしがらなくってもいいのにぃ~」
「ムカつくなお前……お前の家と俺の家は反対方向だろうが」
「あ、大丈夫です。優一さんの家に行くので」
「なんで、うちに来る気で居るんだよ」
「一緒に勉強しましょうよ!」
「お前が俺の家に鞭とロウソクを持ち込まないならな」
「あ、安心して下さい! 持ってきてませんよ、ほら!」
そう言って芹那は自分の鞄の中を見せる。
確かにいつも入っている、ロウソクと鞭は無い。
「珍しいな……まぁ、ロウソクと鞭が入ってるほうがおかしいんだが……」
「はい、持ってくるのはやめました! 変わりに優一さんの家に置いておくことにしました!」
「ちょっと待て、今なんて言った?」
テストは四日に分けて行われる。
テストの一日目、高志はまずまずの手応えを感じていた。
回答欄をすべて埋めることが出来、自己採点の点数も悪くなかった。
テストが終わった教室では、皆テストの話しばかりしていた。
この問題はどう答えたとか、この問題を間違えたなど、前のテストの回答の事ばかりを話していた。
「よお高志、テストどうだった?」
「まぁ、とりあえず一安心ってとこかな? 優一は?」
「俺は赤点さえなければそれで良いんだよ」
「相変わらずだな……泉君は?」
「僕はまぁまぁかな?」
「まぁ、泉は頭良いからな」
「そんな事無いよ、それよりも明日もテストだし、明日の教科の勉強しないと」
「それもそうだな……」
テストの日は学校が早めに終わる。
そのまま帰る生徒も居れば、教室に残って勉強をする生徒、図書室に行って勉強する生徒など色々だ。
「じゃあ、俺は先に帰るよ」
「おう、今日もバイトだっけ?」
「あぁ、じゃあまたな」
高志は本日もバイトがあるため、足早に教室を後にする。
「なんか、今日は高志帰るの早いね」
「あぁ、泉は知らないのか……あいつ、彼女の為に頑張ってるんだよ」
「ん? ……あぁ、クリスマス……」
「あぁ、あいつは宮岡を溺愛してるからな……」
高志が居なくなり、泉が優一に尋ねる。
優一は欠伸をしながら優一に訳を説明する。
「いいよね、仲の良いカップルって」
「そうか? ただのバカップルだろ?」
「羨ましいよ……なんか……」
「……あぁ、そっか……お前は振られたんだもんな」
「うっ……い、痛いとこつくね……」
「事実だろ?」
「まぁ……そうだけど……」
「はぁ……まだ引きずってんのか?」
優一はため息を吐きながら泉に尋ねる。
最近、泉も由美華もなんだか様子がおかしい。
優一はそのことに気がついており、そんな二人を気にしていた。
「ま、まぁ……ね」
「まぁ、御門は顔良いからな……」
「ぼ、僕は別にそれだけで好きになったわけじゃ……」
「ふーん、まぁ人の恋に口出す気はねーけど」
「十分出してるよ……」
優一と泉がそんな話しをしていると、紗弥と由美華が二人に近づいて来た。
「ねぇ、二人とも」
「ん? 宮岡か……高志なら帰ったぞ」
「うん、知ってるけど……最近高志がなんか変なんだけど……何か知らない?」
紗弥からそんな話しを聞き、優一はいつもの調子で答える。
「宮岡が知らないんだ、俺達が知るわけないだろ?」
「そう……」
元気の無い紗弥を見て、優一は少し心配になる。
(あいつ……何も無いと良いけどな……)
少し紗弥を放置しすぎでは無いかと思いながら、今度は由美華に話しを振る優一。
「御門、泉が勉強教えて欲しいってよ」
「え!?」
「え! あ……う、うん……良いよ」
「え!! えっと……じゃあ、図書館で……」
優一の言葉に泉と由美華は驚いたが、二人ともまんざらでも無い感じで図書館に向かった。
「はぁ、あいつらもなんだかんだ言ってくっつくんだろうなぁー」
優一はそんな事を思いながら、鞄を持って席を立つ。
「じゃあな宮岡、高志によろしく」
「うん、じゃあね」
優一は紗弥にそう言って教室を後にする。
靴を履き替え、さっさと帰ろうとする優一の背中に激しい衝撃が走る。
「いでっ!!」
「優一さん!!」
衝撃の正体は芹那だった。
優一の背中に芹那が抱きつき、優一はそんな芹那を引き剥がして尋ねる。
「何してやがる」
「一緒に帰りましょうよ!! いっつも私を置いていって!!」
「一緒に帰りたくないしな」
「もぉ~そんなに恥ずかしがらなくってもいいのにぃ~」
「ムカつくなお前……お前の家と俺の家は反対方向だろうが」
「あ、大丈夫です。優一さんの家に行くので」
「なんで、うちに来る気で居るんだよ」
「一緒に勉強しましょうよ!」
「お前が俺の家に鞭とロウソクを持ち込まないならな」
「あ、安心して下さい! 持ってきてませんよ、ほら!」
そう言って芹那は自分の鞄の中を見せる。
確かにいつも入っている、ロウソクと鞭は無い。
「珍しいな……まぁ、ロウソクと鞭が入ってるほうがおかしいんだが……」
「はい、持ってくるのはやめました! 変わりに優一さんの家に置いておくことにしました!」
「ちょっと待て、今なんて言った?」
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