第１６話　ダンジョン２

　ダンジョンの２層に到着した彼女達。あたりを見渡すと、下の階層と同じ景色が広がっていた。やはり、中は明るく目の前は、はっきりと見えていた。次の階層への階段を探そうと、歩き始めたとき、足下が急に光り始めた。


　これはまずいと、私はスキルを使いその光を見てみると、『ワープホール』と出てきた。他のメンバーに伝えようとしたとき、目の前が白くなり気がつくと、さっきとは違う場所に飛ばされていた。　私は、横にいたフィナに


　「フィナ？　ここが何処か分かるかな？」


　「ここが２層だってことしか分からないわね。」


フィナは少し申し訳なさそうに答てくれた。私は、このままここにいてもしょうがないので、動き出すことにした。


　歩き始めて２０分が経とうとしたとき、気配察知のスキルに複数の反応を感じた。私はストレージからライトニングブレードを取り出し構えた。


　そして、正面の曲がり角から弓を持ったガイコツのモンスターが４体現れた。私は、スキルを使いステータスの確認を行った。レベルは１層のモンスターガイコツ騎士と同じだが、スキルが剣術２ではなく弓術２になっていた。名前も『ガイコツ弓士』になっていた。


　私に気づいたガイコツ達は、一斉に弓をこちらに向けてきて放とうとしてきた。距離は１０メートルあいていた。私は、弓を構え放とうとするその１秒ほどの時間で近づくとスキルで能力を奪い手に持っていた剣でガイコツ弓士達を倒していった。


　他のメンバーは大丈夫だろうかと思った私は、仲間を探そうと決めて動き始めた。






　「ここは、何処なのかしら？」


と、心の目の副リーダーであるユリアぼそっとつぶやいた。


　あのとき、私達の足下が急に光り出し目の前が白くなった。気づいたら周りに仲間はおらず近くあったはずの階段もない。私は仲間がいないことで少し不安になっていた。だがそれではダメだと自分に言い聞かせて、現状を冷静になって考えた。


　「あの白い光私の考えが間違っていなければ、前何かの本で読んだ『ワープホール』と言うトラップのはず。効果は、たしか踏んだ対象を同じ階層の別々の場所へ飛ばす物だったはずだから他のみんなもどこかにはいるはずよね。」


と、私は呟きながら現状を整理していると何かがこちらへ近づいてくる足音が聞こえた。足音のする方を見てみると、１層で出会ったガイコツ騎士３体とガイコツ弓士が４体がこちらを見ていた。私は、すぐに魔法を放てるように杖を持ち体勢を整えた。


　ガイコツ達は、前衛と後衛に分かれて戦闘態勢に入る。後ろのガイコツ弓士が私に向かって一斉に矢を放ってきた。私はそれを、風属性魔法の初級で習得可能なウインドシールドで防いだ。ガイコツ騎士達は、弓が放たれると同時に私に向かって走ってきていた。ウインドシールドを保ったまま、ガイコツ騎士達に向かって、火属性魔法の中級で覚えられるフレイムランスを５本はなったガイコツ騎士達は、その攻撃をよけて前進を続けていた。


　「なんで！」


私は、ガイコツ騎士達に自分の魔法が避けられ、気が動転してしまった。その隙を突かれてガイコツ騎士の接近を許してしまった。ガイコツ騎士は剣を振り下ろしてきた。なんとかその攻撃を持っていた杖で受け、剣をはじき後ろへ下がった。


　「・・・・・・どうしよう。ここまで接近されてしまう魔道士である私に攻撃の手段がない。それにウインドシールドも１度張り直さないと切れてします。そうなればこちら側に反撃の手段はない。・・・・・」


と、頭の中で考えながら、ガイコツ騎士達の攻撃を下がりながらかわしていた。


　それを、数回ほど繰り返していると、


「どん!」


と、背中に何かが当たる音がした。確認すると、行き止まりになっていた。それと同時にガイコツ弓士の攻撃をしのいでいたウインドシールドも効果を失い消えてしまった。私が動きを止めるとそれを好機とみたガイコツ騎士達が迫ってきた。ガイコツ弓士達も目の前にあったウインドシールドが消えたことで、弓を再び放ってきた。今はまだかろうじて交わせてはいるがそれも時間の問題だ。後がなくなってしまった私は、


　「誰かーー助けてーー」


と、叫んでいた。










　ガイコツ弓士との戦闘が終わり他のメンバーを探し回っていた鈴花。どこからか誰かの叫び声が聞こえてきた。


　私は、その声のする方へと急いで向かった。２回ほど曲がり角を曲がった先で見たのは、心の目の副リーダーのユリアさんが７体のガイコツのモンスターの攻撃を受けている姿だった。ユリアさんは壁に追い込まれておりなんとか攻撃をやり過ごしてはいたが、息が荒く足も震えていてかなり限界に近づいていた。これはまずいと思った私は、ダッシュで攻撃をしていたガイコツ騎士に近づいた。