神々に選ばれた少女 ~チートスキルでがんばります~

夢見叶

第7話 冒険者登録

 先ほど、入り口のところで少し絡まれはしたものの無事ギルドの中に入ることができた。中に入ると、一瞬中にいた人達の目線がこっちを向いたが、すぐに元に戻った。鈴花はギルド全体を見渡し受付を探していると、


 「おい 、そこのガキ邪魔だどけ。」


と、背後から声がしたので後ろを向くと3人の男が立っていた。


 「だからどけって言ってんだよ。ガキが。」


と、言われたことにより、『はぁ~ なんでこう絡まれるかな。』と、思っていた。今回のことはこちらにも落ち度がなかったと言えば嘘になる。何故なら、鈴花が扉のすぐ前に立っており、道を塞いでいたからである。


 「あっ、私道を塞いでいましたね。ごめんなさい。」


と、今回は、鈴花にも悪いところもあったので、男達3人に一礼して謝った。するとさっきから騒いでいた男が鈴花に近づいてきて、


 「クソガキがこんなところ来るんじゃねーよ。」


と、言い殴りかかろうとしてきた。それを片手で受け止めつつ、(こいつを倒しても正当防衛だよね。)と、思いながら、空いていた方の手で相手の腹を殴り倒した。その後ろにいた男達は、目の前の男が倒されたのを見て、その男を抱えて血相を変えてギルドを出て行ってしまった。それを見て、ギルドの中にいた人達から、


 「嬢ちゃんやるな。」
 「すっきりしたよ。」
 「いや~強いな~。」
 「フューフュー」


などといろいろな声が聞こえてきた。


 鈴花は、その歓声を無視して受付へ向かった。受付には女性の方がおり、その人に先ほど男達のことを聞いてみると、


 「あの3人組ね。2か月前に冒険者登録した3人組なんだけど、気性が荒くてね。いつも自分より弱そうな子を見るとああやって、突っかかっているのよ。だから今回も同じことになるんじゃないかと冷や冷やしたものよ。」


と、教えてくれた。そして、だからこんなに歓声が上がったんだと思った。


 鈴花は、受付の人に冒険者登録したい旨を伝えると、


 「冒険者登録ね。大丈夫よ。少し待っててね準備するから。」


と、言われた。それから待つこと5分ほどして、準備できたみたいでこっちへ来てと言われたのでついていくと来客用の部屋に通された。椅子に座ってと言われたので、座り冒険者登録が始まった。






 まず最初に、門のところでしたのと同じステータス確認水晶を使っての確認作業が行われた。ここでも、先ほどと同じように、名前・職業・レベルの確認だけが行われた。その後、いくつかの質問と、簡単な身体測定をされた後、無事ギルドカードを発行してもらえた。そして、受付嬢から冒険者のルールについて説明を受けた。


 基本的に冒険者のランクはFから始まりSランクまであるらしい。そしてクエストは自分のランクから1つ下と1つ上のクエストまでは受けていいらしい。ただし、ギルド長より許可を受けた者だと2つ上まで受けることが許されることもあるようだ。だがクエストに失敗してしまうと、報奨金の半分をギルドに支払わないといけないようだ。最初はまずFランクから始まり、10~20個ほど依頼を成功させて、ギルドから認められると、昇格試験を受けられるらしい。そしてそれに合格することで、1つ上のランクへ行ける。昇格試験については受けるときに説明すると言われた。ギルドカードは身分証明書として使えるらしく、なくしたりした場合はギルドに言うと再発行も可能だとのこと。あと、冒険者同士の喧嘩は禁止されており、見つけ次第罰が下るらしい。そして、それを3回繰り返すと冒険者資格を失うとのこと。それ以降はどの町に言っても冒険者登録はできなくなると言われた。


 説明が終わると、ギルドカード発行料として、銅貨を10枚を支払った。その後、受付嬢から
  「これで冒険者登録は無事に終了いたしました。これからのスズカ様の頑張りをギルド一同期待しております。」


と言われた。その後、鈴花は、受付嬢にどこかいい宿はないかと聞くと、


 「それでしたら、ギルドを出て左に10分ほど進んだところにある、妖精の宿がおすすめですよ。」


と、教えてもらった。すぐにギルドを出ると宿に向かって歩き始めた。




 ギルドを出たころにはもう日が落ちており、辺りは店の明かりで少し明るく、賑わっていた。仕事終わりの人達が、お酒を飲んだりと、とても楽しそうに見えた。そうして、辺りを見ながら歩いていると、目的の宿『妖精の宿』が目の前に見えてきた。宿につき中に入ると、


 「いらっしゃいませ~。妖精の宿屋にようこそ。」


と、元気な声で迎えてくれた。その声の方を見ると、身長は140センチ位。ロングヘアでブロンドカラーの髪の女の子が受付に立っていた。胸元に名札がついておりそこに、アミカと書いてあった。


 「私1人なのですが、部屋空いてますか~」


と聞いてみると、


 「はい、空いてますよ。部屋代は1日銀貨1枚になります。ご飯は朝と夕2食で銅貨50枚です。基本的にうちは、冒険者さんが多いため、昼は出さないようにしております。」


と、言われた。とりあえず、ご飯付きで1ヵ月泊まることにした鈴花は、銀貨45枚前払いした。


 「ありがとうございます。こちらが部屋のカギになります。それではご案内させていただきます。」


と、部屋の鍵と桶とタオルをもらい部屋へと案内された。それから。桶とタオルを何に使うのかと聞いてみると、少し驚かれはしたものの、教えてもらえた。彼女曰く、お風呂と言うものは、貴族しか持っておらず、町の人たちは、これで体を拭き1日の汚れを落としているようだ。鈴花は「はぁ〜」とため息をつきながらも、
   (まあ、異世界だし日本とは違うよね。でもやっぱりお風呂入りたかったな。)
と、心の中で思いながらも、体を拭きベットの上で横になった。鈴花はかなり疲れていたこともありそのまま寝てしまったのだった。





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