神々に選ばれた少女 ~チートスキルでがんばります~
第2話 そして転生
「異世界でもう一度チャンスをくれるとは、どういうことなのでしょうか?」
私は、我に返りおそるおそるフィートと言う神に聞いてみた。
「そうですね。最初から説明しましょうか。私たちは、10年ほど前からあなたのことをずっと見ていました。最初は本当に偶然だったのですけどね。」
と、フィートは語り始めた。
「そうあれは、あなたが5歳くらいの時でしたか、川で溺れていた犬を救った時のことなんですが、あなたは覚えていますか?」
ーーーん~ そう言われてもな~まだ5歳だったし、その頃からいろいろな人を助けたり、動物を助けたりしてたからな~そして帰ったらいつもお母さんに怒られてたな~ーーー
と、鈴花は心の中で思いながらもその質問に答えた。
「なんとなくなら覚えているかも。」
と、明後日の方向を見ながら・・・・・。
「その顔は覚えてませんね。まあ仕方がありませんね。あなたもまだ5歳だったのですからね。」
--ばれてたか--
「あのとき、あなた以外にも犬が川で溺れているのを見ている人は沢山いました。大人の人も沢山いました。ですがその中で犬を助けようと思って動いたのは、あなただけだったのです。そしてあなたが川に飛び込み犬はなんとかぎりぎりのところで助け出されて一命を取り留めました。その後、あなたも倒れて病院まで運ばれました。あの時のあなたを見て私たち4人は興味を持ったのです。」
---あぁ~思い出した。確かにそんなことあったな。あの後病院で、お父さんとお母さんからこっぴどく怒られたな~---
と、心の中で思っている鈴花。
「そして私たちはそれから暇があればあなたのこと見るようになりました。そして私たちが見てただけでも、あなたは数多くの人を助けてきた。そんなあなたに少しくらいはいいことがあってもいいと私たちはずっと思っていました。ですが、あなたは、今日、少年を助けようとして車に跳ねられて死んでしまいました。そこで私たちは、もう一度あなたに新しい人生を送ってもらおうと思いあなたの魂をこの部屋に連れて来たのです。」
その話を聞いた私、心の中で何かが、こみ上げてくるのを感じていた。
「そうだったのですね。私は、困ってる人を見たときや助けを求めてる人を見たときは、考えるよりも先に体が動いてしまっていました。そしてそれがきっかけで、両親に心配をかけたり、親友を少し困らせたりしていました。そして、今、私は死んでしいました。ですが、私は後悔はしていません。あの少年が助かってくれていればそれだけでいいと私は思いました。そして、私が今までやってきたことは、全て無駄ではなったんだこんな私を認めてくれる人がいてくれた事に初めて気づくことが出来ました。」
と、神々の前で今の自分の気持ちを素直に話したら、急に涙がでてきた。
「あれ何でだろ、なんか急に涙が・・・・・。全然止まらない。(ぐすん)」
そして私は気づいてしまった。
「ああそっか。もうお父さんにもお母さんにも怜奈にも会えないんだ。(ぐすん)私馬鹿だ。あんなにお母さんも怜奈も忠告してくれていたのに、それも聞かなかった。本当に私って馬鹿だったんだ~
わぁ~ん わぁ~ん」
 そして、泣いている鈴花を見ていた神たちは困り始めた。確かにこうなることはここに呼んだ時点で予測はしていたが、目の前で泣かれるとどうしようもないな。
「ほらそろそろ泣き止みなさい。本題に入るわよ。」
「うん。(くすん)」
鈴花は、袖で涙をぬぐいながら答えた。
「では本題に入るわね。私たち4人は、あなたにもう一度人生を与えてあげようと思っています。ただ、さすがに死んだあなたを元いた世界にって訳にはいかないから異世界でと思ったのよ。」
と、フィートは言った。
「でも、それは私達が勝手に決めていいことではないのよね。だからあなたに選んでいただきたいにのよ。異世界に転生してもう一度人生を歩んでいくか、それともこのまま輪廻の輪にはいり全く別の人間として地球で生活をしていくかをよ。ただし、輪廻の輪に入った場合、あなたと言う人間は消滅するわ。そして全く別の人間として新しい人生を送っていくことになるわ。さあ、どうしますか?」
と、言われても。
(今自分が魂だけの存在で、目の前にいる4人が神で私のことをずっと見てくれていたってことにも驚いているのに、いきなり異世界に転生するか、輪廻の輪に入って自分と言う人間を消滅させて別の人間として生まれ変わるかを急に選べと言われてもな。でも、本当ならこんな忠告(?)もなく輪廻の輪に入らないといけないんだからこれは本当にチャンスなんだろうな~。)
と、鈴花は、心の中で驚きながらも少し納得してしまった。
そして、
「ん~ せっかく神様からこんなチャンスをもらえたんだから逃す手はない。ですので、私を異世界に転生させてください。」
鈴花は、4人に自分の考えを伝えていた。
それを聞いて、またフィートが話し始めた。
「それを聞いて安心しました。では、これからあなたが行く世界について説明させてもらいますね。これから転生する世界は、あなたの世界で言うところの、魔法ありモンスターありのいわゆるファンタジー世界です。」
---マジですか。魔法あるんですか---
「そして魔法だけでなく、ゲームと同じようにレベルもあれば、ステータスゲージも存在します。そして、いろいろなスキルも存在しています。町に行けば、冒険者ギルドだって存在します。ですがそんな世界に何もない状態のあなたをいきなり転生させてもすぐに死んでしまうことは眼にい見えています。ですので私たちは、あなたのお願いを3つ聞こうと思っています。どんなお願いでもです。」
と、フィートは言った。
「何でもですか。本当にどんな無茶なことでもいいのですか?」
「もちろんです。あなたにはいい人生を生きてほしいのです。ですので何でも言ってください。」
そこまで言うのならと、鈴花は思った。
「では遠慮なくお願いをさせていただきます。まず一つ目なのですが、私は前の人生では、15歳と言う若さで死んでしまいました。ですので今回の人生では、出来るだけ長くそれこそ永遠に近い人生を生きたいと思っっています。そして、両親や友達に私は別の世界にはいますが、元気に生きていますよと、胸を張って言えるような人生にしたいのです。」
と、鈴花は心の中で(・・さすがに無理だろうな~)と、思いながらも自分の気持ちを素直に言ってみた。
「別に、それ位のこと朝飯前ですよ。」
あら、簡単に通ってしまった。
鈴花は少しの間固まってしまった。最初からかなり無茶なお願いをしたつもりが、そんなこと簡単よと言われてしまったのだから。
そして、我に返った鈴花は、2つ目のお願いをし始めた。
「では2つ目のお願いは、動物や植物などの全ての物のステータスを見る力をください。」
と、言ったら、フィートは、
「ええ、大丈夫よ。この世界には解析と言うスキルも存在していますし、大丈夫よ。でもそんなのでいいの、まだ確かに最後の質問は残っているけど、最強の武器や最強の防具っていうお願いでもいいのよ?」
と、フィートはが聞いてきたが、
「そのお願いで大丈夫です。それでは最後のお願いをしても大丈夫でしょか?」
と、鈴花が言ったとき後ろで武神カイトが少しがっかりしているように見た。
ーーーあれ、私何か悪いことしちゃったかな。ーーー
と、鈴花は腕を組みながら心の中でそんなことを考えながら最後のお願いをした。
「であは、最後のお願いなのですが、私ゲームをしながらいつも思っていたことがありました。相手のスキルやステータスを奪えるようなスキルなんかあったら最強じゃないかなと思っていたのですが、ダメですかね?」
と、鈴花は少し声のトーンを落としながら、たぶん無理かもなーと思いながら言ってみた。鈴花にはこの最後のお願いこそが本命であった。だからこそ2つ目のお願いで、相手のスキルを見る能力をお願いしたのである。
「まあいいわよ。何でも聞いてあげるっていったんだから。でも本当にこの3つでいいのですね?」
これもまた通ってしまった。
「はい大丈夫です。」
と、鈴花は答えた。
「これであなたの願いは全て聞き届けられました。ステータスを確認してみなさい。頭の中で『ステータス確認』と唱えると確認出来るわよ。まだレベルとかないからスキル以外は全て???になっているけどね。」
と、言われて鈴花は、頭の中で(ステータス確認)唱えてみた。
-ー--------------------------------------
ステータス
スズカカミナギ/15歳
LV :???
生命力:???
筋力 :???
防御力:???
俊敏性:???
魔力 :???
ユニークスキル:強奪 神眼の分析 永久の命 神の祝福
スキル:なし
----------------------------------------
「今あなたの目の前に名前やレベルと書いている物が今見えていると思います。そこに書いてあるレベルや生命力・筋力・防御力・俊敏性・魔力はあなたの世界で言う所のゲームと変わりありません。そしてその下に、ユニークスキルとスキルの2種類が書かれていると思います。そしてそのユニークスキルの欄にスキルが書いてあると思いますが分かりますか?」
と、言われた。
「はい分かります。ええっと、強奪と神眼の分析と永久の命と神の祝福と書かれていますが、これが私の願いが叶った結果なのでしょうか?」
と、私は少し?マークを浮かべて顎の下に手を置き悩んでいるポーズをとりながらフィートに聞いてみた。
すると、彼女は、
「はいそうですよ。その4つが、あなたの願いが叶った結果です。では、それぞれのスキルについて説明
させていただきますね。まず最初に、ユニークスキルについてですが、このスキルには熟練度が存在しません。普通のスキルだと熟練度つまりは、スキルレベルが存在します。その代わりユニークスキルは神に認められた者のみが持つことを許されたスキルなのです。」
と、フィートは言った。
(なんか私すごい物もらったんだなー)
と、心の中でつぶやきながらフィートの話を静かに聞いていた。
「そして、私からは、神眼の分析と神の祝福のスキルをあなたに与えさせていただきました。まずは神の祝福ですが、これは、神に認められた者が持つスキルで、普通の人よりもレベルやスキルの熟練度の経験値量やレベルアップ時に得られる能力値に補正がかかるスキルです。そして、神眼の分析は生き物や物などにかかわらず全てのステータスを確認できるスキルです。相手のスキルであろうと、全てです。普通の分析ののスキルでは、相手の名前やレベル、年齢、職業を、見ることしかできません。そして、神眼の分析では半径100m圏内の相手のステータスを確認することが出来ますが、これが分析のスキルだと10m~20mほどの距離の相手しか確認出来ません。簡単に言いますと、神眼の分析はスキル分析の上位互換のスキルなのよ。そして、基本は分析に上位互換のスキルは存在しません。だからこそユニークスキルとなった訳なのです。」
---おお私、軽い気持ちで言ったけどすごいスキルもらっちゃったじゃん---
と、心の中で思っていた。そして、フィートの横で座ってうなずいたりだけしていただけの自然の神であるアリュウが話し始めた。
「では次は、私から話させていただきましょう。私があなたに与えたスキルは、永遠の命です。このスキルはあなたの願いの通り永遠に近い人生を生きることが出来るスキルです。ですが、私たちにも、永遠に生きれる命を与えることは出来ません。ですので出来る限りそれに近い能力を与えました。ただこのスキルも万能ではありません。普通に刺されて生命力がつきてしまうと死んでしまいます。ただし病気にはよっぽどのことがない限りはかからないと思いますので、そのあたりは安心してください。」
ーーーまあこれは、私の思っていたとおりのスキルだな。ーーー
そして最後に、先ほどまで少し元気がなかった武神のカイトだが自分の話す番が来ると少し元気が出たのか、がっくしって感じで頭を下げていたがその頭を上げて話し始めた。
「わしが最後じゃな。わしがお主に与えたスキルは強奪じゃ。名前の通り相手のステータスやスキルを奪うスキルじゃ。このスキルは奪いたい相手の半径5m以内に近づけば発動可能となっておる。そして奪ったステータスの10分の1がお主のステータスとしてプラスされる。スキルに関しては、奪えば相手が持っている熟練度に関わらず熟練度1の状態で自分に追加され、持ってるスキルの場合はその熟練度に必要な経験値の10分の1が自分のスキルの経験値として追加されおる。このスキルの強力なところは、相手のユニークスキルでさえも奪えるところじゃ。そして奪われた者のステータスはレベル1のステータスに戻されてしまい、スキルはなくなってしまうのじゃ。レベルはそのままでの。そして、このスキルは1度使った相手には2度と使えんから気をつけるのじゃよ。」
と、カイトの話が終わった。鈴花はこれでスキルの説明も終わりかなと思った瞬間、あまりしゃべっていなかった、セーラ服を着た人の神のレナがカイトに近づき、
「カイトあなたが最後じゃないわよ。まだ私が残っているじゃない。」
と、レナは左手を腰にやり、右手をカイトの方に向けながら言った。
「いやお主は、彼奴に何もスキル与えておらんじゃろうに何を話すと言うのじゃ?」
と、カイトはレナに言い放った。
「だ・か・ら 私もこの子にスキルを与えようと思ったのよ。なに悪いの!!!」
と、レナが有無を言わさぬオーラを見せながらカイトに言い放った。そして、カイトもそのオーラに気おくれてしまい少し落ち込みながら座ってしまった。
(ああ何だろう。男1に対して女3ってどうやっても男の発言権が弱いんだろうな~。いくら神とは、いえども。)
と、カイトのことを哀れに思っていた鈴花。そんなことはお構いなしとばかりにまたレナが話始めた。
「私があなたに与えるスキルは『ストレージ』というスキルよ。これはそのままの意味で、アイテムを入れておけるスキルね。普通の人でもかなり多くの人が持ってる必須スキルね。それを今回は熟練度MAXの10であなたに与えてあげるわ。熟練度10だと基本的には容量に困ることはないわよ。それと、今回は、私からの加護で中の物の時間が止まるようにもしておいたから感謝しなさい。たぶんスキルの後ろに加護有と出ると思うわよ。」
と、言われて鈴花はもう一度自分のステータスの下にあるスキルを見てみると、
-ー---------------------------------------
ステータス
スズカカミナギ/15歳
LV :???
生命力:???
筋力 :???
防御力:???
俊敏性:???
魔力 :???
ユニークスキル:強奪 神眼の分析 永久の命 神の祝福
スキル:ストレージ10(加護有)
-----------------------------------------
確かに追加されており、加護もついていた。
そして、レナまでが話終わった所でもう1度、フィートが話し始めた。
「これでスキルについての説明は終わりね。少しイレギュラーな話もあったけどまあいいわ。それじゃ後は、簡単にあなたのこれからいく世界について話しておくわね。」
と、横で(まだ私話したかったのに~)と、思ってフィートを睨んでいることもお構いなしに話始めた。
(なんか後で、怖そうだな。)
と、鈴花は思っていた。
「これからあなたの行ってもらう世界はさっきも行ったけどモンスターとかが普通にいる世界よ。そしてモンスター以外にも、龍人族やエルフ、獣人族や妖精族、ドワーフに魔人族、小人族に巨人族それにあなたのような人族の9種類の種族がいるわ。それぞれの種族はある程度固まって生活していてそれぞれの国を持ってるの。でもね、仲が悪いとかわないのよ。一部の種族を除いてだけどね。まあそれわあちらで生活をしていると自然と分かることよ。そしてここからが大事なんだけど。」
と、フィートの顔は、今までのにっこりとした笑顔から少し険しく真面目な顔になった気がした。
「この世界にはあなた以外にも私たちのような神から祝福を受けた者や、転生者がいる。だけどそれが誰かは私たちでも知らないの。ただあなたの神眼の分析を使えばわかるはずよ。なにせユニークスキルを持っているのがその証だからね。そして、そんな人物を見つけても出来る限り近づかないでね。これは私たちからのお願いね。それと、ステータス表示を消すときは、頭の中で『終了』と言えば消えるわ』
と、すごく真面目な顔で言われたため、鈴花はなぜなのか、聞き返せずにただただ「はい!」としか答えられなかった。そして、頭の中でさっきの話の最後で言われた通り『終了』と、言いステータス表示を消した。
「では、そろそろ時間が来たみたいね。」
と、フィートに言われると体が光り始めた。
「あれ、私どうしたんだろ。」
「大丈夫よ。あなたの体が光っているのは、転生の準備が整たってことだから。最後にこれだけ伝えとくわね。あなたは地球にいたときと同じ姿で転生するわ。最初は、森の中に出ると思うの。そして、そこから東に森を出て5km進んだところに町があるからそこを目指しなさい。少ないかもしれないけど少しのお金と武器を1つストレージに入れておくから、向こうに行ったら確認してみなさい。健闘を祈っているわ。」
と、フィートに言われた。そして、他の3人の神も
「頑張るのじゃよ。」
「一生懸命生きてくださいね。」
「すぐに死んだら許さないんだからね。」
と、祝福の言葉を貰いながら私は最後に、
「ありがとうございました。」
と、あたまを深く下げて一礼して目の前が白くなった。
そして、気がつくと私は、森の中にいた。
----------------------------------------
「行ってしまったのぅ。」
「そうね。」
「あのこと話さなくてよかったの!!」
と、鈴花が消えた後神たちは、話していた。
「よかったのよ。まだあの子に伝えるのは早いわ。そのときが来たら伝えましょう。この神同士の次の全知全能の神を決める争いに巻き込んでしまったことをね。それに案内役も送ってるから、時が来たらその子を通して話せばいいのよ。」
と、フィートは他の神たち3人に伝えるのだった。
私は、我に返りおそるおそるフィートと言う神に聞いてみた。
「そうですね。最初から説明しましょうか。私たちは、10年ほど前からあなたのことをずっと見ていました。最初は本当に偶然だったのですけどね。」
と、フィートは語り始めた。
「そうあれは、あなたが5歳くらいの時でしたか、川で溺れていた犬を救った時のことなんですが、あなたは覚えていますか?」
ーーーん~ そう言われてもな~まだ5歳だったし、その頃からいろいろな人を助けたり、動物を助けたりしてたからな~そして帰ったらいつもお母さんに怒られてたな~ーーー
と、鈴花は心の中で思いながらもその質問に答えた。
「なんとなくなら覚えているかも。」
と、明後日の方向を見ながら・・・・・。
「その顔は覚えてませんね。まあ仕方がありませんね。あなたもまだ5歳だったのですからね。」
--ばれてたか--
「あのとき、あなた以外にも犬が川で溺れているのを見ている人は沢山いました。大人の人も沢山いました。ですがその中で犬を助けようと思って動いたのは、あなただけだったのです。そしてあなたが川に飛び込み犬はなんとかぎりぎりのところで助け出されて一命を取り留めました。その後、あなたも倒れて病院まで運ばれました。あの時のあなたを見て私たち4人は興味を持ったのです。」
---あぁ~思い出した。確かにそんなことあったな。あの後病院で、お父さんとお母さんからこっぴどく怒られたな~---
と、心の中で思っている鈴花。
「そして私たちはそれから暇があればあなたのこと見るようになりました。そして私たちが見てただけでも、あなたは数多くの人を助けてきた。そんなあなたに少しくらいはいいことがあってもいいと私たちはずっと思っていました。ですが、あなたは、今日、少年を助けようとして車に跳ねられて死んでしまいました。そこで私たちは、もう一度あなたに新しい人生を送ってもらおうと思いあなたの魂をこの部屋に連れて来たのです。」
その話を聞いた私、心の中で何かが、こみ上げてくるのを感じていた。
「そうだったのですね。私は、困ってる人を見たときや助けを求めてる人を見たときは、考えるよりも先に体が動いてしまっていました。そしてそれがきっかけで、両親に心配をかけたり、親友を少し困らせたりしていました。そして、今、私は死んでしいました。ですが、私は後悔はしていません。あの少年が助かってくれていればそれだけでいいと私は思いました。そして、私が今までやってきたことは、全て無駄ではなったんだこんな私を認めてくれる人がいてくれた事に初めて気づくことが出来ました。」
と、神々の前で今の自分の気持ちを素直に話したら、急に涙がでてきた。
「あれ何でだろ、なんか急に涙が・・・・・。全然止まらない。(ぐすん)」
そして私は気づいてしまった。
「ああそっか。もうお父さんにもお母さんにも怜奈にも会えないんだ。(ぐすん)私馬鹿だ。あんなにお母さんも怜奈も忠告してくれていたのに、それも聞かなかった。本当に私って馬鹿だったんだ~
わぁ~ん わぁ~ん」
 そして、泣いている鈴花を見ていた神たちは困り始めた。確かにこうなることはここに呼んだ時点で予測はしていたが、目の前で泣かれるとどうしようもないな。
「ほらそろそろ泣き止みなさい。本題に入るわよ。」
「うん。(くすん)」
鈴花は、袖で涙をぬぐいながら答えた。
「では本題に入るわね。私たち4人は、あなたにもう一度人生を与えてあげようと思っています。ただ、さすがに死んだあなたを元いた世界にって訳にはいかないから異世界でと思ったのよ。」
と、フィートは言った。
「でも、それは私達が勝手に決めていいことではないのよね。だからあなたに選んでいただきたいにのよ。異世界に転生してもう一度人生を歩んでいくか、それともこのまま輪廻の輪にはいり全く別の人間として地球で生活をしていくかをよ。ただし、輪廻の輪に入った場合、あなたと言う人間は消滅するわ。そして全く別の人間として新しい人生を送っていくことになるわ。さあ、どうしますか?」
と、言われても。
(今自分が魂だけの存在で、目の前にいる4人が神で私のことをずっと見てくれていたってことにも驚いているのに、いきなり異世界に転生するか、輪廻の輪に入って自分と言う人間を消滅させて別の人間として生まれ変わるかを急に選べと言われてもな。でも、本当ならこんな忠告(?)もなく輪廻の輪に入らないといけないんだからこれは本当にチャンスなんだろうな~。)
と、鈴花は、心の中で驚きながらも少し納得してしまった。
そして、
「ん~ せっかく神様からこんなチャンスをもらえたんだから逃す手はない。ですので、私を異世界に転生させてください。」
鈴花は、4人に自分の考えを伝えていた。
それを聞いて、またフィートが話し始めた。
「それを聞いて安心しました。では、これからあなたが行く世界について説明させてもらいますね。これから転生する世界は、あなたの世界で言うところの、魔法ありモンスターありのいわゆるファンタジー世界です。」
---マジですか。魔法あるんですか---
「そして魔法だけでなく、ゲームと同じようにレベルもあれば、ステータスゲージも存在します。そして、いろいろなスキルも存在しています。町に行けば、冒険者ギルドだって存在します。ですがそんな世界に何もない状態のあなたをいきなり転生させてもすぐに死んでしまうことは眼にい見えています。ですので私たちは、あなたのお願いを3つ聞こうと思っています。どんなお願いでもです。」
と、フィートは言った。
「何でもですか。本当にどんな無茶なことでもいいのですか?」
「もちろんです。あなたにはいい人生を生きてほしいのです。ですので何でも言ってください。」
そこまで言うのならと、鈴花は思った。
「では遠慮なくお願いをさせていただきます。まず一つ目なのですが、私は前の人生では、15歳と言う若さで死んでしまいました。ですので今回の人生では、出来るだけ長くそれこそ永遠に近い人生を生きたいと思っっています。そして、両親や友達に私は別の世界にはいますが、元気に生きていますよと、胸を張って言えるような人生にしたいのです。」
と、鈴花は心の中で(・・さすがに無理だろうな~)と、思いながらも自分の気持ちを素直に言ってみた。
「別に、それ位のこと朝飯前ですよ。」
あら、簡単に通ってしまった。
鈴花は少しの間固まってしまった。最初からかなり無茶なお願いをしたつもりが、そんなこと簡単よと言われてしまったのだから。
そして、我に返った鈴花は、2つ目のお願いをし始めた。
「では2つ目のお願いは、動物や植物などの全ての物のステータスを見る力をください。」
と、言ったら、フィートは、
「ええ、大丈夫よ。この世界には解析と言うスキルも存在していますし、大丈夫よ。でもそんなのでいいの、まだ確かに最後の質問は残っているけど、最強の武器や最強の防具っていうお願いでもいいのよ?」
と、フィートはが聞いてきたが、
「そのお願いで大丈夫です。それでは最後のお願いをしても大丈夫でしょか?」
と、鈴花が言ったとき後ろで武神カイトが少しがっかりしているように見た。
ーーーあれ、私何か悪いことしちゃったかな。ーーー
と、鈴花は腕を組みながら心の中でそんなことを考えながら最後のお願いをした。
「であは、最後のお願いなのですが、私ゲームをしながらいつも思っていたことがありました。相手のスキルやステータスを奪えるようなスキルなんかあったら最強じゃないかなと思っていたのですが、ダメですかね?」
と、鈴花は少し声のトーンを落としながら、たぶん無理かもなーと思いながら言ってみた。鈴花にはこの最後のお願いこそが本命であった。だからこそ2つ目のお願いで、相手のスキルを見る能力をお願いしたのである。
「まあいいわよ。何でも聞いてあげるっていったんだから。でも本当にこの3つでいいのですね?」
これもまた通ってしまった。
「はい大丈夫です。」
と、鈴花は答えた。
「これであなたの願いは全て聞き届けられました。ステータスを確認してみなさい。頭の中で『ステータス確認』と唱えると確認出来るわよ。まだレベルとかないからスキル以外は全て???になっているけどね。」
と、言われて鈴花は、頭の中で(ステータス確認)唱えてみた。
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ステータス
スズカカミナギ/15歳
LV :???
生命力:???
筋力 :???
防御力:???
俊敏性:???
魔力 :???
ユニークスキル:強奪 神眼の分析 永久の命 神の祝福
スキル:なし
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「今あなたの目の前に名前やレベルと書いている物が今見えていると思います。そこに書いてあるレベルや生命力・筋力・防御力・俊敏性・魔力はあなたの世界で言う所のゲームと変わりありません。そしてその下に、ユニークスキルとスキルの2種類が書かれていると思います。そしてそのユニークスキルの欄にスキルが書いてあると思いますが分かりますか?」
と、言われた。
「はい分かります。ええっと、強奪と神眼の分析と永久の命と神の祝福と書かれていますが、これが私の願いが叶った結果なのでしょうか?」
と、私は少し?マークを浮かべて顎の下に手を置き悩んでいるポーズをとりながらフィートに聞いてみた。
すると、彼女は、
「はいそうですよ。その4つが、あなたの願いが叶った結果です。では、それぞれのスキルについて説明
させていただきますね。まず最初に、ユニークスキルについてですが、このスキルには熟練度が存在しません。普通のスキルだと熟練度つまりは、スキルレベルが存在します。その代わりユニークスキルは神に認められた者のみが持つことを許されたスキルなのです。」
と、フィートは言った。
(なんか私すごい物もらったんだなー)
と、心の中でつぶやきながらフィートの話を静かに聞いていた。
「そして、私からは、神眼の分析と神の祝福のスキルをあなたに与えさせていただきました。まずは神の祝福ですが、これは、神に認められた者が持つスキルで、普通の人よりもレベルやスキルの熟練度の経験値量やレベルアップ時に得られる能力値に補正がかかるスキルです。そして、神眼の分析は生き物や物などにかかわらず全てのステータスを確認できるスキルです。相手のスキルであろうと、全てです。普通の分析ののスキルでは、相手の名前やレベル、年齢、職業を、見ることしかできません。そして、神眼の分析では半径100m圏内の相手のステータスを確認することが出来ますが、これが分析のスキルだと10m~20mほどの距離の相手しか確認出来ません。簡単に言いますと、神眼の分析はスキル分析の上位互換のスキルなのよ。そして、基本は分析に上位互換のスキルは存在しません。だからこそユニークスキルとなった訳なのです。」
---おお私、軽い気持ちで言ったけどすごいスキルもらっちゃったじゃん---
と、心の中で思っていた。そして、フィートの横で座ってうなずいたりだけしていただけの自然の神であるアリュウが話し始めた。
「では次は、私から話させていただきましょう。私があなたに与えたスキルは、永遠の命です。このスキルはあなたの願いの通り永遠に近い人生を生きることが出来るスキルです。ですが、私たちにも、永遠に生きれる命を与えることは出来ません。ですので出来る限りそれに近い能力を与えました。ただこのスキルも万能ではありません。普通に刺されて生命力がつきてしまうと死んでしまいます。ただし病気にはよっぽどのことがない限りはかからないと思いますので、そのあたりは安心してください。」
ーーーまあこれは、私の思っていたとおりのスキルだな。ーーー
そして最後に、先ほどまで少し元気がなかった武神のカイトだが自分の話す番が来ると少し元気が出たのか、がっくしって感じで頭を下げていたがその頭を上げて話し始めた。
「わしが最後じゃな。わしがお主に与えたスキルは強奪じゃ。名前の通り相手のステータスやスキルを奪うスキルじゃ。このスキルは奪いたい相手の半径5m以内に近づけば発動可能となっておる。そして奪ったステータスの10分の1がお主のステータスとしてプラスされる。スキルに関しては、奪えば相手が持っている熟練度に関わらず熟練度1の状態で自分に追加され、持ってるスキルの場合はその熟練度に必要な経験値の10分の1が自分のスキルの経験値として追加されおる。このスキルの強力なところは、相手のユニークスキルでさえも奪えるところじゃ。そして奪われた者のステータスはレベル1のステータスに戻されてしまい、スキルはなくなってしまうのじゃ。レベルはそのままでの。そして、このスキルは1度使った相手には2度と使えんから気をつけるのじゃよ。」
と、カイトの話が終わった。鈴花はこれでスキルの説明も終わりかなと思った瞬間、あまりしゃべっていなかった、セーラ服を着た人の神のレナがカイトに近づき、
「カイトあなたが最後じゃないわよ。まだ私が残っているじゃない。」
と、レナは左手を腰にやり、右手をカイトの方に向けながら言った。
「いやお主は、彼奴に何もスキル与えておらんじゃろうに何を話すと言うのじゃ?」
と、カイトはレナに言い放った。
「だ・か・ら 私もこの子にスキルを与えようと思ったのよ。なに悪いの!!!」
と、レナが有無を言わさぬオーラを見せながらカイトに言い放った。そして、カイトもそのオーラに気おくれてしまい少し落ち込みながら座ってしまった。
(ああ何だろう。男1に対して女3ってどうやっても男の発言権が弱いんだろうな~。いくら神とは、いえども。)
と、カイトのことを哀れに思っていた鈴花。そんなことはお構いなしとばかりにまたレナが話始めた。
「私があなたに与えるスキルは『ストレージ』というスキルよ。これはそのままの意味で、アイテムを入れておけるスキルね。普通の人でもかなり多くの人が持ってる必須スキルね。それを今回は熟練度MAXの10であなたに与えてあげるわ。熟練度10だと基本的には容量に困ることはないわよ。それと、今回は、私からの加護で中の物の時間が止まるようにもしておいたから感謝しなさい。たぶんスキルの後ろに加護有と出ると思うわよ。」
と、言われて鈴花はもう一度自分のステータスの下にあるスキルを見てみると、
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ステータス
スズカカミナギ/15歳
LV :???
生命力:???
筋力 :???
防御力:???
俊敏性:???
魔力 :???
ユニークスキル:強奪 神眼の分析 永久の命 神の祝福
スキル:ストレージ10(加護有)
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確かに追加されており、加護もついていた。
そして、レナまでが話終わった所でもう1度、フィートが話し始めた。
「これでスキルについての説明は終わりね。少しイレギュラーな話もあったけどまあいいわ。それじゃ後は、簡単にあなたのこれからいく世界について話しておくわね。」
と、横で(まだ私話したかったのに~)と、思ってフィートを睨んでいることもお構いなしに話始めた。
(なんか後で、怖そうだな。)
と、鈴花は思っていた。
「これからあなたの行ってもらう世界はさっきも行ったけどモンスターとかが普通にいる世界よ。そしてモンスター以外にも、龍人族やエルフ、獣人族や妖精族、ドワーフに魔人族、小人族に巨人族それにあなたのような人族の9種類の種族がいるわ。それぞれの種族はある程度固まって生活していてそれぞれの国を持ってるの。でもね、仲が悪いとかわないのよ。一部の種族を除いてだけどね。まあそれわあちらで生活をしていると自然と分かることよ。そしてここからが大事なんだけど。」
と、フィートの顔は、今までのにっこりとした笑顔から少し険しく真面目な顔になった気がした。
「この世界にはあなた以外にも私たちのような神から祝福を受けた者や、転生者がいる。だけどそれが誰かは私たちでも知らないの。ただあなたの神眼の分析を使えばわかるはずよ。なにせユニークスキルを持っているのがその証だからね。そして、そんな人物を見つけても出来る限り近づかないでね。これは私たちからのお願いね。それと、ステータス表示を消すときは、頭の中で『終了』と言えば消えるわ』
と、すごく真面目な顔で言われたため、鈴花はなぜなのか、聞き返せずにただただ「はい!」としか答えられなかった。そして、頭の中でさっきの話の最後で言われた通り『終了』と、言いステータス表示を消した。
「では、そろそろ時間が来たみたいね。」
と、フィートに言われると体が光り始めた。
「あれ、私どうしたんだろ。」
「大丈夫よ。あなたの体が光っているのは、転生の準備が整たってことだから。最後にこれだけ伝えとくわね。あなたは地球にいたときと同じ姿で転生するわ。最初は、森の中に出ると思うの。そして、そこから東に森を出て5km進んだところに町があるからそこを目指しなさい。少ないかもしれないけど少しのお金と武器を1つストレージに入れておくから、向こうに行ったら確認してみなさい。健闘を祈っているわ。」
と、フィートに言われた。そして、他の3人の神も
「頑張るのじゃよ。」
「一生懸命生きてくださいね。」
「すぐに死んだら許さないんだからね。」
と、祝福の言葉を貰いながら私は最後に、
「ありがとうございました。」
と、あたまを深く下げて一礼して目の前が白くなった。
そして、気がつくと私は、森の中にいた。
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「行ってしまったのぅ。」
「そうね。」
「あのこと話さなくてよかったの!!」
と、鈴花が消えた後神たちは、話していた。
「よかったのよ。まだあの子に伝えるのは早いわ。そのときが来たら伝えましょう。この神同士の次の全知全能の神を決める争いに巻き込んでしまったことをね。それに案内役も送ってるから、時が来たらその子を通して話せばいいのよ。」
と、フィートは他の神たち3人に伝えるのだった。
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