挫折した召喚勇者は転生勇者の師匠になりました (タイトル変更)
ギルドへの説明
「いえ、単刀直入に聞きます。彼女は何者ですか?」
サブギルマスの質問に俺は「う~ん」と唸った。
何者かと言えば、異世界から神様のミスで転生した新たな勇者なのだが……
冒険者ギルドには事実を伝えてもいいかもしれない。そう俺は思った。
しかし、アイルは――――
「私は勇者キョウの愛弟子ですよ」
そう言った。
「わけあって、幼い日から天涯孤独の身になった私はキョウさまは引き取って育ててくれました。そのせめてもの恩返しにと、冒険者になるべく鍛錬を重ねてきました」
すらすらとそれらしい嘘がつけるものだ。そう関心した。
いや、よくよく考えてみればアイルは全くの嘘を言っているわけではないのが、恐ろしい。
幼い日=現在
キョウさまは引き取って=昨日から
鍛錬を重ねてきました=今日の朝から
しかし、サブギルマスは俺とは古い馴染みの関係。
俺が子供を引き取って育てていたなんて聞いた事もないはずだ。
それに簡単に誤魔化される人ではない。。
アイルのスキル。 『魅力A』や『カリスマEX』も効果はないみたいだ。
もしかしたら、発動条件があるのか?
ほら……気がつけば、サブギルマスの表情が微妙なものに変化してる。
そして「あの……」と不可解な点を声にしようとしたのだろう。
だが、それを遮って喋りだした者がいる。 サブギルマスよりも上の立場であるギルドマスター……ギルマスだ。
「なるほど、なるほど、腑に落ちました。彼女は幼き日から勇者キョウの後継者として育てられた勇者候補というこですね。 サブギルマス、これはめでたい事ですな」
「え?」と話は振られたサブギルマスは呆けた顔。目の前の老人が何を言っているのか理解できないみたいだった。
「では、どうしますかね? 勇者キョウの後継者として大々的にギルドがバックアップしましょうか? それとも来る日まで、秘密裏に?」
秘密裏も何も、さっき冒険者たちを魅したわけで、アイルの顔と名前は知れ渡っているのだが……
「どうしますか? 師匠?」とアイル。
俺はため息混じりに「内密に」と告げた。
・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「では失礼します」と部屋からサブギルマスは退室していった。
アイルについて、ギルド内での扱いについてマニュアル作成の仕事ができたからだ。
それに続けて「俺たちも」と退室しようとしたのだが、「待ちなさい」とギルマスがそれを止めた。
「さて、それで本当はどういう関係なのですかな?」
「……いつもながら、食えないじいさんだな」
「ほっほっほっ、言葉の真偽も見抜けれなければ、ギルドの長につけなくてな。特にワシは冒険者としては三流じゃったからのう」
「よく言うよ。現役時代はダンジョンの鬼と言われた逸話。聞いたのは10や20じゃないぜ」
「噂には尾びれ背びれがつくものですからな」とギルマスは笑って誤魔化す。
「……2人は何を話しているの?」
話についていけないアイルは俺とギルマスの顔を交互に覗いていた。
「いいか、このじいさんはな。俺たちの関係を怪しんで、そのうえで言ったんだよ」
そもそも、アイルが俺の弟子だとしたら、俺を探して冒険者を襲っていた話と矛盾している。
俺がアイルを嗾けて冒険者を襲わす事を修行とさせていた可能性も考えてだろうが……
「さっきのは、サブギルマスを部屋から遠ざける方便といったところか?」
「然り、然り、あの子は冒険者の噂に疎いものですから、冒険者を襲う子供の話は知らなかったようなので」
「しかし、うまく誤魔化せたとは思えないがな」
「心配しなくても、大丈夫じゃ。あの子は不信感があっても独断で動くマネはしないよ」
「さて」と前置きしてからギルマスは――――
「それで、この子は何者じゃ?」
俺はアイルに目で合図を送った。 本当の事を話すか?
ギルマスは人格者だ。
輪廻転生は信じてくれないかもしれないが、それでもいろいろと助けになってくれるはずだ。
そして、アイルは――――
「いいわよ。本当の事を話しても」
サブギルマスの質問に俺は「う~ん」と唸った。
何者かと言えば、異世界から神様のミスで転生した新たな勇者なのだが……
冒険者ギルドには事実を伝えてもいいかもしれない。そう俺は思った。
しかし、アイルは――――
「私は勇者キョウの愛弟子ですよ」
そう言った。
「わけあって、幼い日から天涯孤独の身になった私はキョウさまは引き取って育ててくれました。そのせめてもの恩返しにと、冒険者になるべく鍛錬を重ねてきました」
すらすらとそれらしい嘘がつけるものだ。そう関心した。
いや、よくよく考えてみればアイルは全くの嘘を言っているわけではないのが、恐ろしい。
幼い日=現在
キョウさまは引き取って=昨日から
鍛錬を重ねてきました=今日の朝から
しかし、サブギルマスは俺とは古い馴染みの関係。
俺が子供を引き取って育てていたなんて聞いた事もないはずだ。
それに簡単に誤魔化される人ではない。。
アイルのスキル。 『魅力A』や『カリスマEX』も効果はないみたいだ。
もしかしたら、発動条件があるのか?
ほら……気がつけば、サブギルマスの表情が微妙なものに変化してる。
そして「あの……」と不可解な点を声にしようとしたのだろう。
だが、それを遮って喋りだした者がいる。 サブギルマスよりも上の立場であるギルドマスター……ギルマスだ。
「なるほど、なるほど、腑に落ちました。彼女は幼き日から勇者キョウの後継者として育てられた勇者候補というこですね。 サブギルマス、これはめでたい事ですな」
「え?」と話は振られたサブギルマスは呆けた顔。目の前の老人が何を言っているのか理解できないみたいだった。
「では、どうしますかね? 勇者キョウの後継者として大々的にギルドがバックアップしましょうか? それとも来る日まで、秘密裏に?」
秘密裏も何も、さっき冒険者たちを魅したわけで、アイルの顔と名前は知れ渡っているのだが……
「どうしますか? 師匠?」とアイル。
俺はため息混じりに「内密に」と告げた。
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「では失礼します」と部屋からサブギルマスは退室していった。
アイルについて、ギルド内での扱いについてマニュアル作成の仕事ができたからだ。
それに続けて「俺たちも」と退室しようとしたのだが、「待ちなさい」とギルマスがそれを止めた。
「さて、それで本当はどういう関係なのですかな?」
「……いつもながら、食えないじいさんだな」
「ほっほっほっ、言葉の真偽も見抜けれなければ、ギルドの長につけなくてな。特にワシは冒険者としては三流じゃったからのう」
「よく言うよ。現役時代はダンジョンの鬼と言われた逸話。聞いたのは10や20じゃないぜ」
「噂には尾びれ背びれがつくものですからな」とギルマスは笑って誤魔化す。
「……2人は何を話しているの?」
話についていけないアイルは俺とギルマスの顔を交互に覗いていた。
「いいか、このじいさんはな。俺たちの関係を怪しんで、そのうえで言ったんだよ」
そもそも、アイルが俺の弟子だとしたら、俺を探して冒険者を襲っていた話と矛盾している。
俺がアイルを嗾けて冒険者を襲わす事を修行とさせていた可能性も考えてだろうが……
「さっきのは、サブギルマスを部屋から遠ざける方便といったところか?」
「然り、然り、あの子は冒険者の噂に疎いものですから、冒険者を襲う子供の話は知らなかったようなので」
「しかし、うまく誤魔化せたとは思えないがな」
「心配しなくても、大丈夫じゃ。あの子は不信感があっても独断で動くマネはしないよ」
「さて」と前置きしてからギルマスは――――
「それで、この子は何者じゃ?」
俺はアイルに目で合図を送った。 本当の事を話すか?
ギルマスは人格者だ。
輪廻転生は信じてくれないかもしれないが、それでもいろいろと助けになってくれるはずだ。
そして、アイルは――――
「いいわよ。本当の事を話しても」
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