挫折した召喚勇者は転生勇者の師匠になりました (タイトル変更)
全能の逆説
風、火、水の3属性の攻撃魔法。 治癒魔法と武器強化魔法。
それら5つの魔法を取得。
さらに身体能力も人を遥かに凌駕している。
彼女のソレはあまりにも規格外の能力だった。
「私が、こっちの世界に来た時、神さまが現れたのよね」
「神様……こっちの世界で言う神族じゃなくて、本物か?」
俺は無神論者だ。
けど、召喚勇者の俺に対して、アイルは転生勇者。
よくある「間違えて死んじゃったから生き返らせてあげるね」って可能性を頭から否定するつもりはない。
……いや、死の間際に見た幻覚って線も捨てないが。
「それで、生き返らせてくるって言うから、説明を聞くよりも早く頷いちゃったのよね」
「いや、それは……お前って意外と詐欺にあいそうだな」
「失礼ね。まぁ、良いわ。 それで、気がつけば赤ちゃんからやり直しって感じ」
「早くねぇ? 転生するまでの展開が雑で早くねぇ?」
「おかげで、いろいろ苦労はしたわ」とアイルはため息をついた。
自業自得である。
「しかし、神様って実在するんだな」と俺の興味は、そっちにシフトしていた。
「そうね、神の不在証明とか真剣に考えている人たちの前に姿を見せればいいのに」
「まぁ神様ガチ勢の前に実物が現れたら発狂しそうだけどな」
「そーそー全能の逆説ってあるじゃない?」
「あぁ」と俺は頷いた。
難しい話ではない。 仮に全知全能の神がいたとして、誰にも持ち上げる事のできない岩をつくれるか? って話だ。
誰にも持ち上げる事ができない岩なら、神さまでも持ち上げられないという事になる。
その時点で、神は全能ではなくなるって感じ。全能のパラドックスとも言われる。
神様が間違えて人が死んじゃったってのも、この全能の逆説に当てはまる……かもしれない。
「アレに対して、思春期の男の子が好きな学問1位って言われる量子力学で考えたら、別に矛盾してないわよね?」
「おっと、まずは量子力学の研究者たちに謝罪しようか」
なんだよ? 思春期の男の子が好きな学問1位って!
確かにシュレーディンガーの猫やエヴェレットの多世界解釈とか中二病が好きなんだろうけど……
閑話休題。
それは、さて置きというやつだ。
「それで、私の力が超強いって話なら……」
アイルは言葉を止め、急に不機嫌そうな顔にチェンジした。
「どうして、私はアンタに勝てなかったの?」
「そりゃ簡単な話だ。俺は冒険者として毎日のように魔物と戦って生活していた」
魔物。この世界で顕在する怪物たち。
神話の怪物だったり妖怪だったり、空想上の生物みたいな存在。
しかし、そんな存在が、この世界では当たり前のように存在して人々の生活を脅かしている。
「そんな魔物には、お前のように複数の魔法攻撃を有して、常人離れした身体能力で攻撃してくるやつらがゴロゴロしている。……俺はそんな連中に勝ち続けてきたんだぜ?」
俺はドヤ顔で言った。
「そんな自慢話は良いから結果だけ言いなさいよ」
「……あっ、はい。自分よりも優れた相手に勝つため技術や戦法が確立しているからです」
「よくわからないけど、それを教えてくるのよね?」
「まぁ、そうなるわな」
「いいわ引き継いであげる。アンタが10年かけて培ってきた技術を5年……いえ、1年で私に仕込みなさい。1年で私が最強の冒険者になれば、その分、私もアンタも早く元の世界に戻れるってもんでしょ?」
「10年で身に着けた俺のノウハウを1年で身に着けるなんて無茶もいいところだ。 ……けど、同時に面白いって思ってる」
俺は笑いながら立ち上がり――――
このあと滅茶苦茶訓練した。
それら5つの魔法を取得。
さらに身体能力も人を遥かに凌駕している。
彼女のソレはあまりにも規格外の能力だった。
「私が、こっちの世界に来た時、神さまが現れたのよね」
「神様……こっちの世界で言う神族じゃなくて、本物か?」
俺は無神論者だ。
けど、召喚勇者の俺に対して、アイルは転生勇者。
よくある「間違えて死んじゃったから生き返らせてあげるね」って可能性を頭から否定するつもりはない。
……いや、死の間際に見た幻覚って線も捨てないが。
「それで、生き返らせてくるって言うから、説明を聞くよりも早く頷いちゃったのよね」
「いや、それは……お前って意外と詐欺にあいそうだな」
「失礼ね。まぁ、良いわ。 それで、気がつけば赤ちゃんからやり直しって感じ」
「早くねぇ? 転生するまでの展開が雑で早くねぇ?」
「おかげで、いろいろ苦労はしたわ」とアイルはため息をついた。
自業自得である。
「しかし、神様って実在するんだな」と俺の興味は、そっちにシフトしていた。
「そうね、神の不在証明とか真剣に考えている人たちの前に姿を見せればいいのに」
「まぁ神様ガチ勢の前に実物が現れたら発狂しそうだけどな」
「そーそー全能の逆説ってあるじゃない?」
「あぁ」と俺は頷いた。
難しい話ではない。 仮に全知全能の神がいたとして、誰にも持ち上げる事のできない岩をつくれるか? って話だ。
誰にも持ち上げる事ができない岩なら、神さまでも持ち上げられないという事になる。
その時点で、神は全能ではなくなるって感じ。全能のパラドックスとも言われる。
神様が間違えて人が死んじゃったってのも、この全能の逆説に当てはまる……かもしれない。
「アレに対して、思春期の男の子が好きな学問1位って言われる量子力学で考えたら、別に矛盾してないわよね?」
「おっと、まずは量子力学の研究者たちに謝罪しようか」
なんだよ? 思春期の男の子が好きな学問1位って!
確かにシュレーディンガーの猫やエヴェレットの多世界解釈とか中二病が好きなんだろうけど……
閑話休題。
それは、さて置きというやつだ。
「それで、私の力が超強いって話なら……」
アイルは言葉を止め、急に不機嫌そうな顔にチェンジした。
「どうして、私はアンタに勝てなかったの?」
「そりゃ簡単な話だ。俺は冒険者として毎日のように魔物と戦って生活していた」
魔物。この世界で顕在する怪物たち。
神話の怪物だったり妖怪だったり、空想上の生物みたいな存在。
しかし、そんな存在が、この世界では当たり前のように存在して人々の生活を脅かしている。
「そんな魔物には、お前のように複数の魔法攻撃を有して、常人離れした身体能力で攻撃してくるやつらがゴロゴロしている。……俺はそんな連中に勝ち続けてきたんだぜ?」
俺はドヤ顔で言った。
「そんな自慢話は良いから結果だけ言いなさいよ」
「……あっ、はい。自分よりも優れた相手に勝つため技術や戦法が確立しているからです」
「よくわからないけど、それを教えてくるのよね?」
「まぁ、そうなるわな」
「いいわ引き継いであげる。アンタが10年かけて培ってきた技術を5年……いえ、1年で私に仕込みなさい。1年で私が最強の冒険者になれば、その分、私もアンタも早く元の世界に戻れるってもんでしょ?」
「10年で身に着けた俺のノウハウを1年で身に着けるなんて無茶もいいところだ。 ……けど、同時に面白いって思ってる」
俺は笑いながら立ち上がり――――
このあと滅茶苦茶訓練した。
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