挫折した召喚勇者は転生勇者の師匠になりました (タイトル変更)
アイルの魔法が頭痛の種
そのまま屋敷を出て庭へ。 アイル相手に初の朝稽古になる。
「それで、お前のステータスってどんな感じだ?」
「ステータス? なによ? それ?」
「ん? あぁ、そう言えば冒険者ギルドに登録していなかったな」
俺は空中に手をかざす。 まるで立体映像のように数字が浮かび上がってくる。
「これは、体力や魔力を数字化したパラメーターだ。冒険者ギルドに登録したら、使えるようになるギルド専門の魔法だ」
アイルは、俺のステータスを凝視して「身体測定や健康診断の紙みたいね」とロマンがない事を言ってきた。
「便利ね。これって冒険者ギルド専門なのよね? 私、ギルドに登録できるのかしら?」
そう言えば、こいつは冒険者ギルド相手に喧嘩売ってたからなぁ。
「それは、俺がなんとかするよ。ギルドのお偉いさんとのコネはある」
「流石は貴族さまって事かしら?」とアイルは面白そうに茶化してきた。
「ステータスは後にまわして……重要なのは魔法だ」
俺はアイルに襲われた時の事を思い出す。
彼女は助走をつけず、その場のジャンプで3メートルも飛び上がっていた。
それだけではない。対空追撃を行うために使用した魔法を空中で何かを蹴って避けた。
おそらくは魔法。それも風属性、青属性と言われる種類。
それに加えて、3メートルジャンプは肉体強化系の魔法だろう。
「魔法は冒険者にとって切り札のようなものだ」
俺は少し考えて説明をする。
「普通の冒険者が取得できる魔法が2つ……多くて3つだ」
「魔法……3つ……」とアイルは繰り返す。
俺も魔法が取得できると聞いた時は胸がワクワクしたものだ。
アイルも期待しているのかもしれない。
「魔法使いと言われる魔法研究者や専門家は複数の魔法を取得している場合もあるが、それは例外中の例外だ」
「ちょっと待ちなさい。今の時点で私が使える魔法は5つあるけど?」
「……なん…だと? 何か勘違いしてるんじゃないか?」
5つなら魔法使い連中でも上位に入る。 いやいや……と俺は頭を振るう。
例えば俺が使える魔法の1つ 真紅の稲光
質量を有した炎を高速で叩きつける魔法だ。
だが、鎧のように身に纏い防御力を高める事もできれば、武器に付加させて斬撃に炎の概念を与える事もできる。
アイルも1つの魔法を状況に応じた使用法で複数あると勘違いしているのだろう。
……俺はそう思っていた。
「昨日、見せたのは……いや、アンタは見えなかったと思うけど、風を操って不可視の球体を作る魔法」
そういうとアイルに向かい風が集まってきた。 やがて、その手には球体らしきものが辛うじて見える。
昨日の戦いみたいに夜なら完全に見えないだろう。
「それから火を生み出し、操る魔法」
アイルの手から風が消え去り、新たに炎が宿る。
「水の魔法……」と呟くと、今度は炎が水に変わる。
「後は病気や傷を癒したり、道具を強化する魔法かしら?」
「四大元素魔法のうち3つ。さらに癒しに強化系魔法……なにそれ? お前ってチートキャラなの?」
「チートって元々はインチキやズルって意味でしょ? 人をチート呼ばわりするのは失礼よ」
思わぬ正論に「ぬぐぐ……」としか返せなかった。
それから落ち着くために深呼吸を2回。
冷静さを取り戻すと、ふっとした疑問が浮かんだ。
「あれ? 肉体強化系の魔法は持っていないのか?」
「肉体強化系? 残念だけど、もってないわ」
「それじゃ、お前の跳躍力ってどうなってるの?」
俺はアイルの3メートルの大ジャンプについて指摘した。
肉体強化系魔法じゃないとしたら、風魔法をうまくコントロールしているのか?
しかし、アイルの回答は――――
「どう? どうと言われても単純に高く飛んでるだけよ」
俺は頭が痛くなってきた。
「それで、お前のステータスってどんな感じだ?」
「ステータス? なによ? それ?」
「ん? あぁ、そう言えば冒険者ギルドに登録していなかったな」
俺は空中に手をかざす。 まるで立体映像のように数字が浮かび上がってくる。
「これは、体力や魔力を数字化したパラメーターだ。冒険者ギルドに登録したら、使えるようになるギルド専門の魔法だ」
アイルは、俺のステータスを凝視して「身体測定や健康診断の紙みたいね」とロマンがない事を言ってきた。
「便利ね。これって冒険者ギルド専門なのよね? 私、ギルドに登録できるのかしら?」
そう言えば、こいつは冒険者ギルド相手に喧嘩売ってたからなぁ。
「それは、俺がなんとかするよ。ギルドのお偉いさんとのコネはある」
「流石は貴族さまって事かしら?」とアイルは面白そうに茶化してきた。
「ステータスは後にまわして……重要なのは魔法だ」
俺はアイルに襲われた時の事を思い出す。
彼女は助走をつけず、その場のジャンプで3メートルも飛び上がっていた。
それだけではない。対空追撃を行うために使用した魔法を空中で何かを蹴って避けた。
おそらくは魔法。それも風属性、青属性と言われる種類。
それに加えて、3メートルジャンプは肉体強化系の魔法だろう。
「魔法は冒険者にとって切り札のようなものだ」
俺は少し考えて説明をする。
「普通の冒険者が取得できる魔法が2つ……多くて3つだ」
「魔法……3つ……」とアイルは繰り返す。
俺も魔法が取得できると聞いた時は胸がワクワクしたものだ。
アイルも期待しているのかもしれない。
「魔法使いと言われる魔法研究者や専門家は複数の魔法を取得している場合もあるが、それは例外中の例外だ」
「ちょっと待ちなさい。今の時点で私が使える魔法は5つあるけど?」
「……なん…だと? 何か勘違いしてるんじゃないか?」
5つなら魔法使い連中でも上位に入る。 いやいや……と俺は頭を振るう。
例えば俺が使える魔法の1つ 真紅の稲光
質量を有した炎を高速で叩きつける魔法だ。
だが、鎧のように身に纏い防御力を高める事もできれば、武器に付加させて斬撃に炎の概念を与える事もできる。
アイルも1つの魔法を状況に応じた使用法で複数あると勘違いしているのだろう。
……俺はそう思っていた。
「昨日、見せたのは……いや、アンタは見えなかったと思うけど、風を操って不可視の球体を作る魔法」
そういうとアイルに向かい風が集まってきた。 やがて、その手には球体らしきものが辛うじて見える。
昨日の戦いみたいに夜なら完全に見えないだろう。
「それから火を生み出し、操る魔法」
アイルの手から風が消え去り、新たに炎が宿る。
「水の魔法……」と呟くと、今度は炎が水に変わる。
「後は病気や傷を癒したり、道具を強化する魔法かしら?」
「四大元素魔法のうち3つ。さらに癒しに強化系魔法……なにそれ? お前ってチートキャラなの?」
「チートって元々はインチキやズルって意味でしょ? 人をチート呼ばわりするのは失礼よ」
思わぬ正論に「ぬぐぐ……」としか返せなかった。
それから落ち着くために深呼吸を2回。
冷静さを取り戻すと、ふっとした疑問が浮かんだ。
「あれ? 肉体強化系の魔法は持っていないのか?」
「肉体強化系? 残念だけど、もってないわ」
「それじゃ、お前の跳躍力ってどうなってるの?」
俺はアイルの3メートルの大ジャンプについて指摘した。
肉体強化系魔法じゃないとしたら、風魔法をうまくコントロールしているのか?
しかし、アイルの回答は――――
「どう? どうと言われても単純に高く飛んでるだけよ」
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