後に闇の勇者は異世界で自由に生きる

神港 零

試験 パート5

マリナ視点

ムカつく……………ムカつく………………ムカつく!
私はアイツのことが気に食わない。
まるで前の世界のあの人みたいで。
分かっている。
これは八つ当たりだってことぐらいは。
別にあの人というのはアイツとは違い、好感を持っている。
だからこそ、似ているアイツは気に食わない。
そんなことを考える暇なら魔物たちをより多く倒してアイツに勝たないと!

[炎剣ファイヤーソード]

私は周りにいる魔物たちを蹴散らす。
この程度なら何体来ようと屁でもない。

「次は魔獣とか来ないかな?」

[気配察知]

私は気配察知して魔獣たちの気配を探した。

「あっちに気配を感じるなぁ」

私は全速力で気配を感じる方に向かう。

「あ〜、いたいた」
「じゃあ、時間がないのでさっさとやりますか」

見つけたのはライオン型の魔獣だ。
私は魔獣を見つけ次第、斬りこんだ。

「グォン」

魔獣は気配を感じたのか避けた。

「くそっ、避けるな」

[炎槍ファイヤーランサー]

魔獣に炎槍がヒットした。

[炎剣ファイヤーソード]

剣に魔力を込めて魔獣の足に斬りこんだ。
そして魔獣は足を負傷し、その場から動けなくなった。

「どどめだ…………………」
「グォーン」

私がトドメを刺そうとしたら、魔獣が雄叫びを上げた。
まさか、こいつ仲間を呼びやがった!

「「「グォン」」」

私はあっという間に魔獣に囲まれた。

「やばいな。この状況打破するにはあの魔法を使うしかないか」

私は空に向けて、魔力を集中する。
この魔法を発動するには今の私では1分かかる。
1分の時間を稼がないと!
その時、魔獣たちが襲ってきた。

「来て、カヤ」

私は妖狐のカヤを呼び出した。
この子は私の自慢の従魔だ。
突如、魔獣が燃えた。

「なに?マリナ。私、こいつらを倒せる力を持ち合わせていないんだけど」
「少しだけ時間を稼いで」
「分かったよ」
「魔獣さん、こっちだよ」

カヤが引き寄せている内に魔法を完成しないと!

「カヤの炎で焼け死になさい」
「グルル」
「あのまだ?もう限界なんですけど」
「ふふふ、今出来たところ」
「カヤ、離れてなさい」
「うん、わかったよ」
「魔獣たち見てなさい」
「私のとっておきの魔法を」

[獄炎ごくえん]

バーン

私はとっておきの魔法を放った。
すると、魔獣たちは一瞬で森と一緒に消滅した。

「さすが私」

跡形もなくなった森を見て、私は呟いた。

ドカーン

その瞬間、大きな爆発音と地震みたいに森が揺れた。

「な、何?!」

私は大きな爆発音がした方を向いた。

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