後に闇の勇者は異世界で自由に生きる

神港 零

神睦会議 パート2

「マナもここに呼ばれたんだ」
「はい」

俺は目の前にいる神がマナだと把握する。
するとメアが俺の袖を引っ張ってきた。

「この人誰?」
「ちょっとした知り合いだよ」

メアの質問に対して簡単に説明した。

「メア様。積もる話があると思いますがそれは後回しです。絶対神様、本題に入って良いです」
「…分かった…」

さっき注意したクラスタさんがマナの絶対神に対して言葉に口を挟まない。
他も神も絶対神に忠義を誓っているから注意してたんだろうけどマナの態度が治らないからもう注意するものがいないだろう。

「皆が知ってる通り戦神サタン、魔神ネクサスが死んだ。そこの龍神カミトと吸血神メアによって倒された」
「………………」

何?この重い空気。もしかして倒しちゃいけなかった?もしかして罰とかあるのかな?

「大丈夫だ。神人」
「別に罰とかはない。神々同士の争いはダメだが邪神は討伐しても大丈夫だ」
「でもサタンは邪神の感じはしませんでしたけど………」
「それはサタンは禁忌を侵した。それだけでは無く神々の掟も破った。それだけで神の座を剥奪される」
「サタンが邪神化する前に討伐してくれて感謝している」

絶対神は少し悲しいような怒りにも感じる口調で言った。
確かタブスが神々の掟とか言ってたな。それを破るのがどれほど恐ろしいか痛感するな。
だったらこの重い空気はなんだ。

「だったら絶対神様、その重い空気は何ですか?」
「重い空気?……それは………だな……」

絶対神が辛そうな顔をすると俺も知っている三大神だと思われる一人が割って入って来た。

「絶対神様は辛そうなので創造神の私が代わりに話します」

そう。絶対神の代わりに話すと言ったのは俺を呼び出した創造神カリナだった。

「サタンはこの前まで上級の神だった。しかし、無断で異世界人を呼ぶという禁忌を侵して上級の神を剥奪された。その時ちょうど上級の神の資格がある者が現れた。それが君達」

なるほど俺達が邪神を倒して神の資格を得たと同時にサタンが追放されたみたいな感じか。
サタンの話を聞いていると俺達が入ったせいみたいに聞こえたが自分が悪いんじゃん。

「ネクサスはずっと前に下界の民にデマ情報で世界を混乱させた罪とタブスとの約束を破った罪が挙げられる。神として俺も認めていた所があったから邪神になったって聞いてショックだよ」
「サタンもネクサスのデマ情報を使って悪さしたし、本当に二人にはがっかりだよ」

残念そうにカリナが言う。
なるほどみんなが重い空気なのは元仲間がそんな事を信じられないという事に対してか。
俺は納得する。

「でもいいじゃない。死んだ奴の事なんか考えたくない。これからの事を話そう」
「そうそう。考えたって無駄、無駄」

カリナの隣にいる三大神の二人が口を挟む。
えっと名前は…………

「左が日光アマテラス、右が月光ツクヨミですよ」

隣にいるマナが俺にぼそっと伝えてきた。

「お前ら絶対神様の事を考えろ」
「うるさい。絶対神様が少し苦しそうなので今回はここまでで帰りましょう」
「そうそう。帰る、帰る」

アマテラスが絶対神様が大切な仲間を失って悲しそうなオーラを出してたのを察し言った。

「そうだね。皆の者解散と言っても神睦会議は終わらせなくてもいいから」
「ごめん。みんな」
「謝る事ではありません。さあ帰りましょう」

カリナが解散と告げると絶対神と三大神は部屋から出ていった。

「俺も帰る」
「「「「俺も(私も、僕も、うちも)」」」」

みんな絶対神の悲しいオーラにやられたのか暗い顔で部屋から出ている。
残ったのといえば…………俺とメアとマナだけだった。



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