後に闇の勇者は異世界で自由に生きる

神港 零

和解

「おい、神人どこ行ってたんだよ。飯先に食べてるぞ」
「いや、俺が来るまで待てろよ!」

俺が席に着いた頃にはみんなでご飯を囲っていた。俺の分残ってるかな?
いやそれよりもツッコミたい事を見つけてしまった。

「健達、お前数時間前まで敵対してた奴とよくご飯たべられるな」
「それは神人の事信じてるし何か事情があるんじゃないか察してる。それに神人の信じてる人達を疑ったら俺はお前の味方じゃないみたいじゃないか。後、数時間ではなく一日経ってるぞ」
「まじで」

俺はカルナの方を見た。

「一回呼びに行ったんだけど何か集中してるみたいで話しかけづらくて……」
「もう一日経ったんだ」

時間の早さは恐ろしいものだ。

「ねぇ、神人の寝顔って可愛いよね」
「そうそう。いつもは大人っぽいけどたまに子供っぽい一面を見せてくれて………」

俺はその会話をしてる方を向いた。そこには仲良くなったメア達がいた。そこにさっきまで俺の隣にいたカルナが入った。

「アイツら俺の話題で盛り上がってるな」
「そうだね」

それに反応したのは健の隣にいる優香だった。

「優香は輪に入らないの?」
「私が神人君の話題をあそこまで盛り上げる事出来ると思う?飲み込まれちゃうよ」
「それもそうだな」
「俺もその予感がしてきた」

健と俺は優香の言葉に賛同した。

「もうそろそろ勇者達に事情を話したら良いではないか?」

一人で座ってたタブスが話しかけてきた。

「そうだな。みんな注目」

俺が声を張り上げるとみんな俺の方を向いた。

「健達はなぜ魔王側に付いているのか話そう。それはだな………」

俺はタブスの過去、それに健達が呼び出された理由も恐らくだが話した。
その事を聞いて健達は唖然とする。
最初に口を開いたのは健だった。

「遊びで俺達を呼び出すなんて………」

続けて薫達も口を開き始めた。

「戦神サタンって奴は私達を遊びの道具でしか見てないって事かな」
「私達にも生活があったのに」
「魔王さんも大変ですね」

それぞれが話を聞いて意見を述べた。
その後タブスを見たがタブスが浮かない顔をした。

「どうしたの?タブス」

俺はタブスに聞いてみた。
そんな浮かない顔してたら何かあったんじゃないか気になるじゃん。

「…………すまん」
「えっ?」

間を置いて出てきた言葉がそれだった。

「神人には神人の生活があったのにこちらの都合で呼び出してすまん」
「ああ、そういうこと」

多分タブスは未尋の「私達にも生活があったのに」っている言葉を聞いて罪悪感が芽生えたんだろう

「別にいいよ」
「えっ」
「だからいいよ」
「でもあっちの生活があったんじゃ」
「俺はあっちの世界では健達と居られて楽しかったけどこっちだってメア達に出会えて幸せだよ。だから呼び出してくれてありがとう」
「「「神人(さん)」」」

三人が愛しそうに俺の名を呼ぶ。

「それでいいのか?」
「いいんだよ。だからこの話はおしまい」
「分かった」

俺は手をタブスに差し伸べる。
タブスはそれを見て笑顔で俺の手を握った。
周りが拍手をしている。
なんか照れるなと思った矢先………

ドカーン

天井が破れ誰かが落ちて来た。
誰だこいつ?
俺は健達に視線を向けると奴に敵意を持っているらしい。

「あいつ誰?知り合いなの?」
「ああ、さっき話に出てきた……………戦神サタン」

俺はいきなりの戦神サタンの登場に驚きを隠せなかった。



急展開的に戦神サタンが登場させました。
コメントなどよろしくお願いします。

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