電気使いは今日もノリで生きる
大蛇戦、決着
神無月一週目月曜日
尻尾を切り離した蛇たちはそれぞれバラバラになって僕らに襲いかかってくる。なんでこんなことになっているんだよ
「おい、全然パニックにならないじゃん」
『元々バラバラだったのかしらね』
何開き直っているんだ!?ま、まあ確かに僕もちょっと勝手に期待した部分もあるといえばあるんだけどさ。当たり前のことが当たり前に起きるなんて普通はあり得ないってことなのか?いやこれはどちらかっていえば
「偏見はダメだってことだな」
「悟ってないで戦ってくれよ」
「はいはい『創造』」
砂鉄の剣を生み出して蛇たちに向き合う。と、言っても不死性というか再生能力自体は失われていないみたいなんだよな。尻尾の方復活しているし。結局クレアが燃やさないといけないのか。でもバラバラな分、一度もやしてしまえば問題ないのかな?助けるとは思えないし
『とにかく挑戦よ…幸い互いに6匹ずつ別れたみたいだし少しは楽でしょ』
そりゃ数は減ったから楽ですけどね。こちら側は倒しても倒してもキリがないんですよ。頭を切ってもそこから再生しているから。
『こっちはもう少しで終わるからなんとかしなさい…やっぱりこいつらつながりを切られたことで動きまでもがバラバラになっているわ』
それは僕も気がついていたよ。こいつらが思い思いで襲ってくる。だから『領域』を使えば一度に吹き飛ばすこともできたし、『地雷』で動きを止めたりが簡単にできる。
「『解除』…からの『爆発』…っと」
噛みつかれそうになる。危ない。でもすぐに避けて噛もうとしていた首を切り落とす。うん。これでひとまずこっちの蛇たちの首を切り落とせたな…っち、あそこのが復活してしまったよ。
「『放電』」
すぐに電撃で押さえ込む…これしばらく繰り返さないと終わらないのかな?うーん、いっぺんに済ませたいんだけど…そうだ!
「『電気の世界』」
『ミライ!?』
僕は『世界』を自分の意思で発動する…別にこれは使用したところで特にデメリットとかないみたいだから問題ないよね。
『まあ、知ったかの人間があなたを魔王と誤解するぐらいね』
なら問題ないね。そもそも王たちが『世界』を使えることを知っている人間が少ないからね。ってそれはどうでもよくて、『領域』の時でさえ、魔法が強化されていた。ならばそれの上位互換である『世界』ならばどんなことが巻き起こせるのだろうか。で、ひとつ思ったのが
「『地雷』」
『おー、やるわね』
見てみれば僕の『世界』の範囲内にいた蛇たちが全て痺れて動きを止めていた。どうやらうまくいったみたいだ。こうすれば効率よく麻痺ってくれないかなって思っていたけど予想以上の成果だよ
『まあそもそも「世界」がそんな魔法だしね…さしずめ麻痺…paralysisってところかしらね』
『麻痺』か、うん、英単語が思い浮かばなかったから教えてくれて本当にありがたい。ただこの魔法って『世界』発動中にしか使えないな。おまけに範囲内で電気に触れていることが条件。おまけにこの魔法に電気を使いすぎてしまうからなのか発動したらすぐに『世界』が消えてしまう。いやそもそも僕の電気で成り立っていたのか?
『その認識であっているわよ…「世界」はあなたの望む「世界」を創る。そして魔力が限界を迎えた時、その
「世界」は失われる』
「つまり…僕の全ての魔法が変わるってことなのか?」
『そういうこと…クレア』
「わかってるよ『精霊の炎』」
今もなお痺れ続けている蛇たちにクレアがイフリートの炎をぶつける。見てみればクレアの方にいた蛇たちも同様に燃えていた。これで…片がついたと言えるのだろうか
『まあこのまま何者にも消されなければ問題ないわ』
「雨とかで消えないのか?」
『まあ…大丈夫でしょ。いくら不完全は炎と言ってもそれくらいは平気よ…それにそんなに時間はかからないわ』
そういうものなのだろうか。僕は空を仰ぎ見る。雲一つない青空…ということはないが少なくとも雨が降るような気配は殆どない。なら、大丈夫だろう。いや、それよりも
「不完全ってどういうことだ?」
『ん?私の炎は基本的に対象が消えるまで消えない焔よ?』
「そうだったのか?!」
「お前も知らなかったのかよ」
『そういえば説明していなかったわね』
まだクレアとイフリートの連携がうまくいっていないらしく、イフリートは本来の力をまだ出せていないみたいだ。もし本来の力が出ていたら…きっとこの蛇たちも一瞬で燃やし尽くされていたんだろうな
『そうね…クレア、別に悲観しなくてもいいわ…こんな力、人の手に余るものだから』
「…そうだな。ミライが魔王に堕ちた時に使うことにするよ」
「お前縁起でもないことを言わないでくれるかな」
まるで僕が魔王になるみたいなことを言わないでくれよ。…ん?いや、もしかして一番近いところにいないか?
『まあ…「世界」を使える人間なんてあなたぐらいよねークレアはできる?』
「無理。ちょっと試してみたけど失敗した」
「そ、そうなのか」
「そういえばミライの『世界』ってどんな効果なんだ?さっき見たところ魔法の質?が変化していたけど」
『そうね…まあまだ詳しくはわからないわ。そのうち使い慣れればわかるんじゃない』
「そうだな…でも少し面白いかも」
自分が今まで使っていた魔法が強化されるって展開、僕は割と好きだからね…ま、まあ『放電』と『電気鎧』は最初からずっと使っているけどさ。
「まだ強くなれることがわかったから…」
「なるほどね」
僕とクレアは互いに顔を見合わせて…そしてお互いに不敵に笑う。やっと…やっと、僕はクレアに追いついたのかもしれない。精霊を手に入れたクレアと短時間ながらも自分の『世界』を手に入れた僕。まあクレアも同じ力を手にいれる可能性は充分あるんだけどね。それに僕のこの力はたまたま偶然の産物だし
『ま、細かいことは気にしないで村に戻りましょ?ガイアに説明しなきゃ』
「それもそうだな」
「いや、せめて消え去るまでここにいた方がいいんじゃないか?」
「そうか?」
『ちょっとクレア、私の言葉を疑うの?』
「いや…疑っているわけじゃないんだけどさ、一応きちんと見届けた方がいいんじゃないかって。もし他にもいたらマズイだろ?」
『なら早く私の力を使えるようになりなさい』
「さっきと言っていることが逆なんですけど!?」
クレアとイフリートがぎゃあぎゃあ喧嘩しているのを聞きながら僕は蛇たちの亡骸を見る。もう大分燃えてしまっている。…あれ?
「ちょ、クレア、一匹だけ全く燃えていないのがいるんだけど」
「え?」
僕の言葉にクレアが慌ててこちらにやってくる。他の12匹は燃えて…あ、全部燃えちゃった。けど、一匹だけ逆に火が消えて…そして肉体が再生を始めた
「あれ?ミライ、12匹燃えたのか?」
「…あ!」
え?ちょ、いつの間に一匹増えたんだ?でも言われてみればこの蛇って他のと比べるとかなり小さいような…
『…あんたなんでそんなところにいるのよ』
え?イフリート知り合い?こいつの正体を知っているのか?
『まあ…知っているというか腐れ縁というか』
「精霊なのか?」
『うーん、精霊とは少し違うわね。あ、蘇ったわ』
その蛇は完全に肉体を再生させると僕たちに語り始めた
『我が名は闘蛇、玄武の片割れである。久しいなイリムよ』
尻尾を切り離した蛇たちはそれぞれバラバラになって僕らに襲いかかってくる。なんでこんなことになっているんだよ
「おい、全然パニックにならないじゃん」
『元々バラバラだったのかしらね』
何開き直っているんだ!?ま、まあ確かに僕もちょっと勝手に期待した部分もあるといえばあるんだけどさ。当たり前のことが当たり前に起きるなんて普通はあり得ないってことなのか?いやこれはどちらかっていえば
「偏見はダメだってことだな」
「悟ってないで戦ってくれよ」
「はいはい『創造』」
砂鉄の剣を生み出して蛇たちに向き合う。と、言っても不死性というか再生能力自体は失われていないみたいなんだよな。尻尾の方復活しているし。結局クレアが燃やさないといけないのか。でもバラバラな分、一度もやしてしまえば問題ないのかな?助けるとは思えないし
『とにかく挑戦よ…幸い互いに6匹ずつ別れたみたいだし少しは楽でしょ』
そりゃ数は減ったから楽ですけどね。こちら側は倒しても倒してもキリがないんですよ。頭を切ってもそこから再生しているから。
『こっちはもう少しで終わるからなんとかしなさい…やっぱりこいつらつながりを切られたことで動きまでもがバラバラになっているわ』
それは僕も気がついていたよ。こいつらが思い思いで襲ってくる。だから『領域』を使えば一度に吹き飛ばすこともできたし、『地雷』で動きを止めたりが簡単にできる。
「『解除』…からの『爆発』…っと」
噛みつかれそうになる。危ない。でもすぐに避けて噛もうとしていた首を切り落とす。うん。これでひとまずこっちの蛇たちの首を切り落とせたな…っち、あそこのが復活してしまったよ。
「『放電』」
すぐに電撃で押さえ込む…これしばらく繰り返さないと終わらないのかな?うーん、いっぺんに済ませたいんだけど…そうだ!
「『電気の世界』」
『ミライ!?』
僕は『世界』を自分の意思で発動する…別にこれは使用したところで特にデメリットとかないみたいだから問題ないよね。
『まあ、知ったかの人間があなたを魔王と誤解するぐらいね』
なら問題ないね。そもそも王たちが『世界』を使えることを知っている人間が少ないからね。ってそれはどうでもよくて、『領域』の時でさえ、魔法が強化されていた。ならばそれの上位互換である『世界』ならばどんなことが巻き起こせるのだろうか。で、ひとつ思ったのが
「『地雷』」
『おー、やるわね』
見てみれば僕の『世界』の範囲内にいた蛇たちが全て痺れて動きを止めていた。どうやらうまくいったみたいだ。こうすれば効率よく麻痺ってくれないかなって思っていたけど予想以上の成果だよ
『まあそもそも「世界」がそんな魔法だしね…さしずめ麻痺…paralysisってところかしらね』
『麻痺』か、うん、英単語が思い浮かばなかったから教えてくれて本当にありがたい。ただこの魔法って『世界』発動中にしか使えないな。おまけに範囲内で電気に触れていることが条件。おまけにこの魔法に電気を使いすぎてしまうからなのか発動したらすぐに『世界』が消えてしまう。いやそもそも僕の電気で成り立っていたのか?
『その認識であっているわよ…「世界」はあなたの望む「世界」を創る。そして魔力が限界を迎えた時、その
「世界」は失われる』
「つまり…僕の全ての魔法が変わるってことなのか?」
『そういうこと…クレア』
「わかってるよ『精霊の炎』」
今もなお痺れ続けている蛇たちにクレアがイフリートの炎をぶつける。見てみればクレアの方にいた蛇たちも同様に燃えていた。これで…片がついたと言えるのだろうか
『まあこのまま何者にも消されなければ問題ないわ』
「雨とかで消えないのか?」
『まあ…大丈夫でしょ。いくら不完全は炎と言ってもそれくらいは平気よ…それにそんなに時間はかからないわ』
そういうものなのだろうか。僕は空を仰ぎ見る。雲一つない青空…ということはないが少なくとも雨が降るような気配は殆どない。なら、大丈夫だろう。いや、それよりも
「不完全ってどういうことだ?」
『ん?私の炎は基本的に対象が消えるまで消えない焔よ?』
「そうだったのか?!」
「お前も知らなかったのかよ」
『そういえば説明していなかったわね』
まだクレアとイフリートの連携がうまくいっていないらしく、イフリートは本来の力をまだ出せていないみたいだ。もし本来の力が出ていたら…きっとこの蛇たちも一瞬で燃やし尽くされていたんだろうな
『そうね…クレア、別に悲観しなくてもいいわ…こんな力、人の手に余るものだから』
「…そうだな。ミライが魔王に堕ちた時に使うことにするよ」
「お前縁起でもないことを言わないでくれるかな」
まるで僕が魔王になるみたいなことを言わないでくれよ。…ん?いや、もしかして一番近いところにいないか?
『まあ…「世界」を使える人間なんてあなたぐらいよねークレアはできる?』
「無理。ちょっと試してみたけど失敗した」
「そ、そうなのか」
「そういえばミライの『世界』ってどんな効果なんだ?さっき見たところ魔法の質?が変化していたけど」
『そうね…まあまだ詳しくはわからないわ。そのうち使い慣れればわかるんじゃない』
「そうだな…でも少し面白いかも」
自分が今まで使っていた魔法が強化されるって展開、僕は割と好きだからね…ま、まあ『放電』と『電気鎧』は最初からずっと使っているけどさ。
「まだ強くなれることがわかったから…」
「なるほどね」
僕とクレアは互いに顔を見合わせて…そしてお互いに不敵に笑う。やっと…やっと、僕はクレアに追いついたのかもしれない。精霊を手に入れたクレアと短時間ながらも自分の『世界』を手に入れた僕。まあクレアも同じ力を手にいれる可能性は充分あるんだけどね。それに僕のこの力はたまたま偶然の産物だし
『ま、細かいことは気にしないで村に戻りましょ?ガイアに説明しなきゃ』
「それもそうだな」
「いや、せめて消え去るまでここにいた方がいいんじゃないか?」
「そうか?」
『ちょっとクレア、私の言葉を疑うの?』
「いや…疑っているわけじゃないんだけどさ、一応きちんと見届けた方がいいんじゃないかって。もし他にもいたらマズイだろ?」
『なら早く私の力を使えるようになりなさい』
「さっきと言っていることが逆なんですけど!?」
クレアとイフリートがぎゃあぎゃあ喧嘩しているのを聞きながら僕は蛇たちの亡骸を見る。もう大分燃えてしまっている。…あれ?
「ちょ、クレア、一匹だけ全く燃えていないのがいるんだけど」
「え?」
僕の言葉にクレアが慌ててこちらにやってくる。他の12匹は燃えて…あ、全部燃えちゃった。けど、一匹だけ逆に火が消えて…そして肉体が再生を始めた
「あれ?ミライ、12匹燃えたのか?」
「…あ!」
え?ちょ、いつの間に一匹増えたんだ?でも言われてみればこの蛇って他のと比べるとかなり小さいような…
『…あんたなんでそんなところにいるのよ』
え?イフリート知り合い?こいつの正体を知っているのか?
『まあ…知っているというか腐れ縁というか』
「精霊なのか?」
『うーん、精霊とは少し違うわね。あ、蘇ったわ』
その蛇は完全に肉体を再生させると僕たちに語り始めた
『我が名は闘蛇、玄武の片割れである。久しいなイリムよ』
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
20
-
-
70810
-
-
55
-
-
140
-
-
4112
-
-
52
-
-
58
-
-
26950
-
-
2
コメント