電気使いは今日もノリで生きる
再開する学校
長月一週目月曜日
「はぁ…」
朝から僕は憂鬱なため息をついている。なぜかといえばまあ僕の年齢が17歳である…もしかしたら18かもしれないがその年齢を言えばまあわかるだろう。そう、今日から学校が始まるのである。
「…朝から…気分落ち込んでいるね」
「あ、シェミン先輩、おはようございます」
起きてきたらしいシェミン先輩に挨拶をする。ここは第32ギルドの食堂。この後に来るであろう先輩たちのために僕は朝から朝食を作っている。ここしばらくダンジョンにいっていたり他国の揉め事に参入したりしていたから忘れていることも多かったけれど一週間ぐらい練習すれば勘を取り戻すことができた。これぞ腐っても鯛というやつかな。いや昔取った杵柄?よくわからん
「今日も…ありがと」
「いえいえ、そんな。それじゃあ今から運びますね」
それにお礼を言いたいのは僕の方、先輩のおかげで今の僕がいるといっても過言じゃあないからね。僕はあれから体が治るまでシズク先輩の家にいてそのあと治ったらこの学校に向けて移動を始めた。イフリートのやつが修行とか言って転移魔法で移動したり馬車とかを使うのを禁じたからだ。おかげさまでかなり『蓄積』の使い方とか練習できたけどさ。まあ風の国ではかなり運に助けられた側面が大きいのでこれからはしっかりと準備をして戦えるようにしておきたい。
どうやら僕らが帰ってきた時には幸いにしてクラスメートはおろかほとんどの学生が戻っていなかったみたいだ。これはすごくよかった。特にクラスメートととはあんまり顔を合わせたくなかったからね。ちょっと学校を休んでいただけでかなり輪に加わりずらかったのに今回って僕どれくらい学校から離れていたんだろうか。確かダンジョンにクレアを助けに向かったのが水無月だったから…実に3ヶ月?うわーこれ不登校になってもおかしくないんだけど。
ちなみにシェミン先輩が戻ってきたのは実は昨日だったりする。遅くなったといっていたけど多分僕らに気を使ってギリギリまでここに来ないようにしていたんだろうな。シズク先輩にここに向かうことを伝えていたしその間に特に大きな出来事もなかったしね
「今日は…誰か来るの?」
「え?いや、知らないですね。てか昨日先輩方と会っていませんし」
ここに帰ってきてからというもの毎日クレアと模擬戦をしていた。模擬戦だからお互いに本気で殺しに行っていたことはないけれどもお互いに全力で戦った。万一大怪我でもおったらどうなるのか、しかも回復魔法の使い手いないのにっていう問題はあったけれども、僕らはイフリートの力がなければ互角なのでお互いに全力で殺ればそこまで大怪我を負うことはない。そもそも模擬戦だし僕はなんだかんだいっても肉弾戦が主だしね
「そう…」
「誰か来て欲しかったりしますか?」
本当なら僕はシェミン先輩と二人で食事をしたい…って何を考えているんだ。先輩たちはもうすぐっていうかあと半年で卒業されるんだ。そのために思い出を作りたいと考えるのは自然なことだし後輩としてもその手助けをしてあげたいと思うのは当然だ
「別に…二人で食べよ?」
「はい、そうですね」
いただきます、そう言って僕らは食べ始める。…ん?先輩と二人でご飯を食べるのって何気に初めてじゃないのか?あーもしかして先輩たち遠慮したのかな。シェミン先輩の個人的な思い出を作るためとか。ギルドメンバーだけの食事みたいな
「そういえば」
「はい、なんでしょう」
先輩が思い出したかのように僕に話題を振ってくれる。えっと、結構真剣な表情で僕の方を向いてくるのですけどいったい何を言おうとしているのだろうか
「今日の予定…ミライくんは…聞いてる?」
「え?いや…知らないですね」
昨日念のためにクレアに確認したけれどクレアも何も知らないようだった。まあ今にして思えばクレアも僕と同じ一年生であるのでそんなもの全く知るはずがないよね。
「今日は…確か学生全員が集まる日…だった気がする」
「そうなんですね」
へえ、そんなのがあるんだ。そういえば入学式直後に新入生が全員集まっていたような気もするな。これはあれかな全校集会的な何かなのだろうか。でも嫌だな。全校集会とかってさ、校長先生の話長いしよくわからない話を聞かなければいけないしろくな思い出がないんだよね。
「うん…私行かないけど」
「え?行かないんですか?」
「人…怖い」
「あー…」
そういえばシェミン先輩ってかなりの人見知りだったっけ。僕は比較的はやくに…まあサリア先輩の助けがあってかなり早くに打ち解けることができたようにも思えるけど全校集会といえば全員が集まるわけでそうなればシェミン先輩もきっとかなり辛いだろうし
「それに…あんまり人の多いところに…行きたくない」
「そうですか」
それに、先輩は僕に何か隠し事をしている。それが何かわからないけど…精霊たちから揃いも揃って「姫」と呼ばれているのもきっとわけがあるはず。それがここまで先輩が人が多いところに行きたくない理由なのかもしれない。そういえば先輩のことをかなり嫌っている国もいたっけ。その国の人がいたら先輩かなり辛いだろうな
「わかりました。まあ何か伝達事項とかあれば教えますね。それにまあ何かあればサリア先輩に協力してもらって僕の方でなんとかしておきますので」
「そう?…ありがとう」
「いえいえ、先輩のためですから」
ま、それにあんまり先輩が人前に姿を見せないっていうのもそれはそれでいいんだけどね。だって先輩が人前に姿を見せたらきっと…先輩のことを好きになる人が現れるだろうし。しかもきっと僕よりも強くてイケメンで頼りになる人が。先輩は自分のことにかなり無頓着だけどかなり可愛いからな。ってなんで僕はそんなことを気にしているのだか
「ごちそうさまでした」
「…ごちそうさま…片付けは…私がしておく」
「え?いえいえ、僕がしますから」
立ち上がろうとした先輩を制する。いや、さすがにここは僕がしなければいけないことでしょうに。そんなに地球にいた頃は縦社会にどっぷりはまっているわけではないけれどもそれでもここは後輩である僕が動かなければいけないってことぐらいはわかっている。それにまあ…尊敬する先輩のために何かしたいって思いもあるし、かなり小さいことだけど
「え?」
「いやなんでそこで疑問が?先輩は休んでいてくださいって」
「でも…サリちゃんきたよ?」
「え?」
いやいきなりサリちゃんきたよって言われましてもってえ?サリちゃんってサリア先輩?なんでこんなところにっていやいや
「すみません、きたことに気づかなくて」
「いえ、今来たところですので…よく気がつきましたね」
「シェミン先輩が気がついたので」
「なるほど」
僕は慌てて玄関に向かって扉を開けた。そこにはサリア先輩とセリア先輩の姿があった。なんだか久しぶりだな。先輩たちとは…風の国以来か
「それでシェミンは?」
「あ、今食事の後片付けをしています…今日は集会でしたっけ?」
「はい、学期の始めと終わりは一応全ての学生が集まるようになっています…シェミンは?」
「あー行きたくないみたいです」
先輩の予定を伝える。僕の言葉を聞いてサリア先輩は少し苦しそうな表情をしたけれどすぐに戻して
「まあ、そうですよね。わかりました…シェミン、一応リルを置いていくから何かあったらこの子に伝えて。リル、お願い」
『了解した』
あ、後ろから氷の精霊フェンリルが姿を見せた。いやにしても僕が言うのもなんだけど先輩精霊に対しての態度ひどすぎませんか?『どの口が言うの?』あ、いえその…って今の空耳だよな?
「?、何をしているのですか?行きますよ、ミライ」
「あ、はい」
そして僕は先輩たちについてギルドを出る。何が何やらよくわかっていない状態で僕は先輩たちの後をついていく。
「それで、どうして今日呼びに来たのですか?」
「ミライはこれから行く場所をご存知ですか?」
「あ、案内してくれるのですね。ありがとうございます」
なんとも心優しい先輩方であろうか。僕は感激しながらも今日の集会が行われる場所へと向かっていった。そっか、クレアたちはそれぞれギルドの先輩がいるから場所がわからないとかそういうことがないのか
「はぁ…」
朝から僕は憂鬱なため息をついている。なぜかといえばまあ僕の年齢が17歳である…もしかしたら18かもしれないがその年齢を言えばまあわかるだろう。そう、今日から学校が始まるのである。
「…朝から…気分落ち込んでいるね」
「あ、シェミン先輩、おはようございます」
起きてきたらしいシェミン先輩に挨拶をする。ここは第32ギルドの食堂。この後に来るであろう先輩たちのために僕は朝から朝食を作っている。ここしばらくダンジョンにいっていたり他国の揉め事に参入したりしていたから忘れていることも多かったけれど一週間ぐらい練習すれば勘を取り戻すことができた。これぞ腐っても鯛というやつかな。いや昔取った杵柄?よくわからん
「今日も…ありがと」
「いえいえ、そんな。それじゃあ今から運びますね」
それにお礼を言いたいのは僕の方、先輩のおかげで今の僕がいるといっても過言じゃあないからね。僕はあれから体が治るまでシズク先輩の家にいてそのあと治ったらこの学校に向けて移動を始めた。イフリートのやつが修行とか言って転移魔法で移動したり馬車とかを使うのを禁じたからだ。おかげさまでかなり『蓄積』の使い方とか練習できたけどさ。まあ風の国ではかなり運に助けられた側面が大きいのでこれからはしっかりと準備をして戦えるようにしておきたい。
どうやら僕らが帰ってきた時には幸いにしてクラスメートはおろかほとんどの学生が戻っていなかったみたいだ。これはすごくよかった。特にクラスメートととはあんまり顔を合わせたくなかったからね。ちょっと学校を休んでいただけでかなり輪に加わりずらかったのに今回って僕どれくらい学校から離れていたんだろうか。確かダンジョンにクレアを助けに向かったのが水無月だったから…実に3ヶ月?うわーこれ不登校になってもおかしくないんだけど。
ちなみにシェミン先輩が戻ってきたのは実は昨日だったりする。遅くなったといっていたけど多分僕らに気を使ってギリギリまでここに来ないようにしていたんだろうな。シズク先輩にここに向かうことを伝えていたしその間に特に大きな出来事もなかったしね
「今日は…誰か来るの?」
「え?いや、知らないですね。てか昨日先輩方と会っていませんし」
ここに帰ってきてからというもの毎日クレアと模擬戦をしていた。模擬戦だからお互いに本気で殺しに行っていたことはないけれどもお互いに全力で戦った。万一大怪我でもおったらどうなるのか、しかも回復魔法の使い手いないのにっていう問題はあったけれども、僕らはイフリートの力がなければ互角なのでお互いに全力で殺ればそこまで大怪我を負うことはない。そもそも模擬戦だし僕はなんだかんだいっても肉弾戦が主だしね
「そう…」
「誰か来て欲しかったりしますか?」
本当なら僕はシェミン先輩と二人で食事をしたい…って何を考えているんだ。先輩たちはもうすぐっていうかあと半年で卒業されるんだ。そのために思い出を作りたいと考えるのは自然なことだし後輩としてもその手助けをしてあげたいと思うのは当然だ
「別に…二人で食べよ?」
「はい、そうですね」
いただきます、そう言って僕らは食べ始める。…ん?先輩と二人でご飯を食べるのって何気に初めてじゃないのか?あーもしかして先輩たち遠慮したのかな。シェミン先輩の個人的な思い出を作るためとか。ギルドメンバーだけの食事みたいな
「そういえば」
「はい、なんでしょう」
先輩が思い出したかのように僕に話題を振ってくれる。えっと、結構真剣な表情で僕の方を向いてくるのですけどいったい何を言おうとしているのだろうか
「今日の予定…ミライくんは…聞いてる?」
「え?いや…知らないですね」
昨日念のためにクレアに確認したけれどクレアも何も知らないようだった。まあ今にして思えばクレアも僕と同じ一年生であるのでそんなもの全く知るはずがないよね。
「今日は…確か学生全員が集まる日…だった気がする」
「そうなんですね」
へえ、そんなのがあるんだ。そういえば入学式直後に新入生が全員集まっていたような気もするな。これはあれかな全校集会的な何かなのだろうか。でも嫌だな。全校集会とかってさ、校長先生の話長いしよくわからない話を聞かなければいけないしろくな思い出がないんだよね。
「うん…私行かないけど」
「え?行かないんですか?」
「人…怖い」
「あー…」
そういえばシェミン先輩ってかなりの人見知りだったっけ。僕は比較的はやくに…まあサリア先輩の助けがあってかなり早くに打ち解けることができたようにも思えるけど全校集会といえば全員が集まるわけでそうなればシェミン先輩もきっとかなり辛いだろうし
「それに…あんまり人の多いところに…行きたくない」
「そうですか」
それに、先輩は僕に何か隠し事をしている。それが何かわからないけど…精霊たちから揃いも揃って「姫」と呼ばれているのもきっとわけがあるはず。それがここまで先輩が人が多いところに行きたくない理由なのかもしれない。そういえば先輩のことをかなり嫌っている国もいたっけ。その国の人がいたら先輩かなり辛いだろうな
「わかりました。まあ何か伝達事項とかあれば教えますね。それにまあ何かあればサリア先輩に協力してもらって僕の方でなんとかしておきますので」
「そう?…ありがとう」
「いえいえ、先輩のためですから」
ま、それにあんまり先輩が人前に姿を見せないっていうのもそれはそれでいいんだけどね。だって先輩が人前に姿を見せたらきっと…先輩のことを好きになる人が現れるだろうし。しかもきっと僕よりも強くてイケメンで頼りになる人が。先輩は自分のことにかなり無頓着だけどかなり可愛いからな。ってなんで僕はそんなことを気にしているのだか
「ごちそうさまでした」
「…ごちそうさま…片付けは…私がしておく」
「え?いえいえ、僕がしますから」
立ち上がろうとした先輩を制する。いや、さすがにここは僕がしなければいけないことでしょうに。そんなに地球にいた頃は縦社会にどっぷりはまっているわけではないけれどもそれでもここは後輩である僕が動かなければいけないってことぐらいはわかっている。それにまあ…尊敬する先輩のために何かしたいって思いもあるし、かなり小さいことだけど
「え?」
「いやなんでそこで疑問が?先輩は休んでいてくださいって」
「でも…サリちゃんきたよ?」
「え?」
いやいきなりサリちゃんきたよって言われましてもってえ?サリちゃんってサリア先輩?なんでこんなところにっていやいや
「すみません、きたことに気づかなくて」
「いえ、今来たところですので…よく気がつきましたね」
「シェミン先輩が気がついたので」
「なるほど」
僕は慌てて玄関に向かって扉を開けた。そこにはサリア先輩とセリア先輩の姿があった。なんだか久しぶりだな。先輩たちとは…風の国以来か
「それでシェミンは?」
「あ、今食事の後片付けをしています…今日は集会でしたっけ?」
「はい、学期の始めと終わりは一応全ての学生が集まるようになっています…シェミンは?」
「あー行きたくないみたいです」
先輩の予定を伝える。僕の言葉を聞いてサリア先輩は少し苦しそうな表情をしたけれどすぐに戻して
「まあ、そうですよね。わかりました…シェミン、一応リルを置いていくから何かあったらこの子に伝えて。リル、お願い」
『了解した』
あ、後ろから氷の精霊フェンリルが姿を見せた。いやにしても僕が言うのもなんだけど先輩精霊に対しての態度ひどすぎませんか?『どの口が言うの?』あ、いえその…って今の空耳だよな?
「?、何をしているのですか?行きますよ、ミライ」
「あ、はい」
そして僕は先輩たちについてギルドを出る。何が何やらよくわかっていない状態で僕は先輩たちの後をついていく。
「それで、どうして今日呼びに来たのですか?」
「ミライはこれから行く場所をご存知ですか?」
「あ、案内してくれるのですね。ありがとうございます」
なんとも心優しい先輩方であろうか。僕は感激しながらも今日の集会が行われる場所へと向かっていった。そっか、クレアたちはそれぞれギルドの先輩がいるから場所がわからないとかそういうことがないのか
「ファンタジー」の人気作品
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