電気使いは今日もノリで生きる
襲撃開始!
葉月二週目風曜日
「それでは、行ってきます」
「必ず、助けます」
「助けるから…待ってて」
「はい、信じてますよ」
一夜明けて、サリア先輩を見送る。先輩がいなかったら不審に思われる。まあもう今更な気もしなくもないがこれ以上警戒レベルを上げられてもたまったもんじゃないって感じかな。花嫁であるサリア先輩がいるのといないのとでは警備がかなり変わる…あれ?これ逆に式場の警備が強化されないか!?
『大丈夫よ。式場はたくさんの国の人間がいる。迂闊な行動はとれないはず…よ』
「むしろ面子つかの問題で全力で戦いにこないかな」
『…』
ねえそこ黙らないでくれるかな。それを受けてかなり不安になってくるんですけど
「不安要素は当たり前だよね」
「さすがに早すぎかぁ」
昨日イフリートに言われたことが頭をよぎる。僕らが王クラスと戦うのは早すぎたという話。どうにもならないけれどどうにかしたいと思うのが人の考えだろうか
『それは傲慢よ。謙遜がいいとは言わないけど無理なことは認めなさい』
「「はい…」」
釘を刺される。それでも…これからやることは何も変わらないわけで、あとは全力で取り組むだけだ
『リルから伝達よ。式場の場所は…』
イフリートから目的地の居場所を教えてもらう。って言われてもどこにあるのか全くわからないけど。
『あれ?わからない?』
「だってこの国のことよく知らないし」
『それもそうね。じゃあ私がリルの気配を追うとしますか』
それでいいのか。僕が言えた言葉じゃないけれどそんなことをしていたら精霊の気品とかそういうものがなくなってしまうんじゃないか?
『それこそ今更よ…どうせあんたらには私の性格なんてわかっているでしょうに』
「そりゃそうだけどさ…」
まあもういいけどさ。
「それじゃあ…準備をしようか?」
「最終確認だ。俺とシンが基本的に相手と戦う。クレアとミライは退路等の確保を頼む」
「わかりました」
先輩たちの能力はまだ未知数だけどかなり強いということはわかっている。だから僕らは基本的に先輩たちの邪魔をしないように立ち回る。気になるのはシオン先輩が敵として立ちはだかるかもしれないってことぐらいだけど…最悪僕らの『領域』をひたすら発動させてなんとかすればいいか
『よし、準備はできたわね?それじゃあ向かうとするわよ』
「了解」
イフリートの指示で僕らは結婚式場へと向かう。式場まであんまり力を使うわけにもいかないので徒歩で移動する。なんだか徒歩で動くのも久しぶりな気もしなくもない。いつもは常に『電気鎧・第三形態』を発動させて動いている気がしているからね
『待って!』
「?」
「見張りか…」
それもそうか。これはいわゆる国と国の政略結婚なわけでそれならば当然外にまで警備はあるわけか。幸いというべきか、婚姻後に盛大なパレードがあるということでこの国の人間はほとんど近づいていない。つまりここに来るのは僕らみたいな物好きだけだ。
「シン」
「わかってる…『命の瞬き』」
「「!」」
『あら、この距離とはいえ、気づくのね』
「こいつらは『領域』持ちだろうが」
『そうね』
今、シェミン先輩が何か魔法を使ったのだろうがそれがなにかわからない。おそらく感知系の魔法なんだろうけどシェミン先輩の方に意識を集中していなかったらきっと気がつかなかった。
「これも、『領域』を使えることのメリット?」
『まあ慣れればある程度の魔法の発言を察知できるようになるわね…まさかあなたたちがそこまでできるようになっているとは驚きだけど』
「?」
『それで姫?どう?』
意味がわからない。だから聞こうとしたのだけれどそれを止められてしまった。でもまあ僕の疑問よりも今は優先するべきことは他にある。
「近くに…伏兵は…いない」
「てことは目視できるだけの人数か」
「それでもかなり多いですけどね」
「40…いや50はいるな」
『それ以上増やせば何事かと思われるでしょうからね』
国としても襲撃があったことは伏せておきたいわけか。それは好都合だ。つまりここの出来事は公にはできないということに他ならない。
「それで中には?」
「かなり…たくさん…」
『ま、それもそうか』
「つまり中から出てこられると困るな」
「あの王様はいないのか?」
『いたらすぐに出てくるはずよ。さすがにあいつも気がつかないはずがないから…どこかで見ている可能性は否定できないけど』
「不確定要素を考えても仕方がない…クレアにミライ」
「「はい!」」
突然セリア先輩が僕らに会話を振ってくる。僕らが加わることって何かあったっけ?
「お前らだけであそこの兵士たちを抑えることはできるか?」
「…」
「先輩たちがしないのですか?」
「…できるかどうかだけ教えてくれ」
「…」
クレアと顔を見合わせる。ここまできたら口に出すことは一つだ
「できるか、じゃないです」
「やり遂げます。だから一言、僕らに伝えてください」
『まーこういうやつらよ、セリア、姫、私が保証してあげるわ。この二人は必ずやり遂げるって』
「わかった」
「…じゃあ…お願い」
『三つ数えたら突入して全員を倒しなさいね…見た所強いやつは二人それ以外は勝てるはずよ』
『1…2…3!』
心の中で三つ数える。そして数え終わった瞬間に飛び出す
「『電気鎧・第三形態』」
「『炎の玉』」
電気を体に身にまとい近くにいる兵士めがけて拳を振り上げる
「!なんだこいつは!」
「襲撃が来たぞ!、中に知らせるのだ」
その兵士が振り下ろした剣をよけてそのまま腹に一撃入れる「『放電』」
「ぐぎゃあああああ」
早いところ倒さないといけないから容赦はしない。いつもなら殺さない程度に加減をするところだけど今はそんなコントロールをする暇が惜しい。死んでしまったら…ごめん!その分この世界で活躍するから
『まあ無意識化で抑えているから大丈夫なはずよ…』
「おい、大丈夫か…うわあああ、あちっ、熱い!」
クレアが後ろから火の玉で援護をしてくれる。おっけーなら背中の心配をする必要がなくなったな。でも相手も行動が早い。あれだとすぐに中に伝わらないかな?
「はやく知らせに行くんだ!」
「む、無理です!結界が貼られているのか扉を開けることができません」
「なにっ、こいつらそんな高等魔法を!?」
なるほどね。だから僕らだけで制圧できるのかって聞いたのか。先輩たちは結界を張ることで援軍が来ないようにしたのか。さすが先輩。ならば僕らもそれに応えないとね
「『創造』」
「なんだこいつ!?砂鉄の剣!?」
「!こいつらだ!昨日王宮を襲撃したっていう」
「なに!?ならば今日もこうして襲撃にきたのか」
「お前ら賊をひっとらえろ!」
兵士たちが向かってくるので砂鉄の剣を横薙ぎに振るう。少しだけ情報が言っていたようで剣を構えて兵士たちが一斉にそれぞれの剣で受け止める。くっ。自由自在に使うことができないから止められてしまう。
「動きを抑えたぞ!今のうちに!」
「一斉に魔法を放て『火の玉』」
「『水の玉』」
「『鎌鼬』」
「『土の玉』」
「『雷の玉』」
僕に向かって魔法が山のように飛んでくる。ここで僕が取るべき手段は…
魔法の衝撃によって土煙が舞い上がる。でもそれは一瞬、次なる瞬間にはその土煙が全て吹き飛ばされる
「『電気の領域』」
さあ、戦いを始めようか
「それでは、行ってきます」
「必ず、助けます」
「助けるから…待ってて」
「はい、信じてますよ」
一夜明けて、サリア先輩を見送る。先輩がいなかったら不審に思われる。まあもう今更な気もしなくもないがこれ以上警戒レベルを上げられてもたまったもんじゃないって感じかな。花嫁であるサリア先輩がいるのといないのとでは警備がかなり変わる…あれ?これ逆に式場の警備が強化されないか!?
『大丈夫よ。式場はたくさんの国の人間がいる。迂闊な行動はとれないはず…よ』
「むしろ面子つかの問題で全力で戦いにこないかな」
『…』
ねえそこ黙らないでくれるかな。それを受けてかなり不安になってくるんですけど
「不安要素は当たり前だよね」
「さすがに早すぎかぁ」
昨日イフリートに言われたことが頭をよぎる。僕らが王クラスと戦うのは早すぎたという話。どうにもならないけれどどうにかしたいと思うのが人の考えだろうか
『それは傲慢よ。謙遜がいいとは言わないけど無理なことは認めなさい』
「「はい…」」
釘を刺される。それでも…これからやることは何も変わらないわけで、あとは全力で取り組むだけだ
『リルから伝達よ。式場の場所は…』
イフリートから目的地の居場所を教えてもらう。って言われてもどこにあるのか全くわからないけど。
『あれ?わからない?』
「だってこの国のことよく知らないし」
『それもそうね。じゃあ私がリルの気配を追うとしますか』
それでいいのか。僕が言えた言葉じゃないけれどそんなことをしていたら精霊の気品とかそういうものがなくなってしまうんじゃないか?
『それこそ今更よ…どうせあんたらには私の性格なんてわかっているでしょうに』
「そりゃそうだけどさ…」
まあもういいけどさ。
「それじゃあ…準備をしようか?」
「最終確認だ。俺とシンが基本的に相手と戦う。クレアとミライは退路等の確保を頼む」
「わかりました」
先輩たちの能力はまだ未知数だけどかなり強いということはわかっている。だから僕らは基本的に先輩たちの邪魔をしないように立ち回る。気になるのはシオン先輩が敵として立ちはだかるかもしれないってことぐらいだけど…最悪僕らの『領域』をひたすら発動させてなんとかすればいいか
『よし、準備はできたわね?それじゃあ向かうとするわよ』
「了解」
イフリートの指示で僕らは結婚式場へと向かう。式場まであんまり力を使うわけにもいかないので徒歩で移動する。なんだか徒歩で動くのも久しぶりな気もしなくもない。いつもは常に『電気鎧・第三形態』を発動させて動いている気がしているからね
『待って!』
「?」
「見張りか…」
それもそうか。これはいわゆる国と国の政略結婚なわけでそれならば当然外にまで警備はあるわけか。幸いというべきか、婚姻後に盛大なパレードがあるということでこの国の人間はほとんど近づいていない。つまりここに来るのは僕らみたいな物好きだけだ。
「シン」
「わかってる…『命の瞬き』」
「「!」」
『あら、この距離とはいえ、気づくのね』
「こいつらは『領域』持ちだろうが」
『そうね』
今、シェミン先輩が何か魔法を使ったのだろうがそれがなにかわからない。おそらく感知系の魔法なんだろうけどシェミン先輩の方に意識を集中していなかったらきっと気がつかなかった。
「これも、『領域』を使えることのメリット?」
『まあ慣れればある程度の魔法の発言を察知できるようになるわね…まさかあなたたちがそこまでできるようになっているとは驚きだけど』
「?」
『それで姫?どう?』
意味がわからない。だから聞こうとしたのだけれどそれを止められてしまった。でもまあ僕の疑問よりも今は優先するべきことは他にある。
「近くに…伏兵は…いない」
「てことは目視できるだけの人数か」
「それでもかなり多いですけどね」
「40…いや50はいるな」
『それ以上増やせば何事かと思われるでしょうからね』
国としても襲撃があったことは伏せておきたいわけか。それは好都合だ。つまりここの出来事は公にはできないということに他ならない。
「それで中には?」
「かなり…たくさん…」
『ま、それもそうか』
「つまり中から出てこられると困るな」
「あの王様はいないのか?」
『いたらすぐに出てくるはずよ。さすがにあいつも気がつかないはずがないから…どこかで見ている可能性は否定できないけど』
「不確定要素を考えても仕方がない…クレアにミライ」
「「はい!」」
突然セリア先輩が僕らに会話を振ってくる。僕らが加わることって何かあったっけ?
「お前らだけであそこの兵士たちを抑えることはできるか?」
「…」
「先輩たちがしないのですか?」
「…できるかどうかだけ教えてくれ」
「…」
クレアと顔を見合わせる。ここまできたら口に出すことは一つだ
「できるか、じゃないです」
「やり遂げます。だから一言、僕らに伝えてください」
『まーこういうやつらよ、セリア、姫、私が保証してあげるわ。この二人は必ずやり遂げるって』
「わかった」
「…じゃあ…お願い」
『三つ数えたら突入して全員を倒しなさいね…見た所強いやつは二人それ以外は勝てるはずよ』
『1…2…3!』
心の中で三つ数える。そして数え終わった瞬間に飛び出す
「『電気鎧・第三形態』」
「『炎の玉』」
電気を体に身にまとい近くにいる兵士めがけて拳を振り上げる
「!なんだこいつは!」
「襲撃が来たぞ!、中に知らせるのだ」
その兵士が振り下ろした剣をよけてそのまま腹に一撃入れる「『放電』」
「ぐぎゃあああああ」
早いところ倒さないといけないから容赦はしない。いつもなら殺さない程度に加減をするところだけど今はそんなコントロールをする暇が惜しい。死んでしまったら…ごめん!その分この世界で活躍するから
『まあ無意識化で抑えているから大丈夫なはずよ…』
「おい、大丈夫か…うわあああ、あちっ、熱い!」
クレアが後ろから火の玉で援護をしてくれる。おっけーなら背中の心配をする必要がなくなったな。でも相手も行動が早い。あれだとすぐに中に伝わらないかな?
「はやく知らせに行くんだ!」
「む、無理です!結界が貼られているのか扉を開けることができません」
「なにっ、こいつらそんな高等魔法を!?」
なるほどね。だから僕らだけで制圧できるのかって聞いたのか。先輩たちは結界を張ることで援軍が来ないようにしたのか。さすが先輩。ならば僕らもそれに応えないとね
「『創造』」
「なんだこいつ!?砂鉄の剣!?」
「!こいつらだ!昨日王宮を襲撃したっていう」
「なに!?ならば今日もこうして襲撃にきたのか」
「お前ら賊をひっとらえろ!」
兵士たちが向かってくるので砂鉄の剣を横薙ぎに振るう。少しだけ情報が言っていたようで剣を構えて兵士たちが一斉にそれぞれの剣で受け止める。くっ。自由自在に使うことができないから止められてしまう。
「動きを抑えたぞ!今のうちに!」
「一斉に魔法を放て『火の玉』」
「『水の玉』」
「『鎌鼬』」
「『土の玉』」
「『雷の玉』」
僕に向かって魔法が山のように飛んでくる。ここで僕が取るべき手段は…
魔法の衝撃によって土煙が舞い上がる。でもそれは一瞬、次なる瞬間にはその土煙が全て吹き飛ばされる
「『電気の領域』」
さあ、戦いを始めようか
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