電気使いは今日もノリで生きる
捜索開始
葉月一週目火曜日
「そんなことが…」
『ええ、ミライの使う「変化」これは使えばほぼ全ての攻撃を無力化するけど代わりに発動すれば記憶などに障害が出る。おまけに貫かれたあとに弄られもしたらなおさらね』
つまり僕があいつに貫かれたあと横に薙ぎ払われた。それによって記憶の一部が欠落したらしい。だからメイさんやイヨさんの記憶が消えていてもあいつの記憶だけは残っていた。
「そうだったんですね。すみませんそんなことも知らずに」
「え、いやいいよ。記憶がないって信じられないですし」
「ミライさんの敬語ってなんか気持ち悪い」
「ねえ酷くない!?」
知らない人と話す時ってそりゃ普通は丁寧語とかになるだろう。それが気持ち悪いとか………僕の性格を考えたらまあ納得できるか。てか僕は普通の?記憶喪失とはまったく違うんだよね。だって僕はあいつのことは覚えているしクレアやイフリートだって。てか何気にナナさんのことも覚えていたからね
『ま、誤解が腫れてよかったわ』
「そうなると」
『ええ、あとはイヨだけね』
「勢いで飛び出ただけだからきっとまだ近くにいると思います」
『そうね………じゃあ私とミライ、クレア、メイの3班で探すことにしましょうか』
いいけど………どうして僕だけイフリートと行動なんだ?それにどうして捜索に加わらない人たちがいるんだ?
『あの子たちは狙われているの。だから保険も兼ねて留守番ね。それと私がいた方がイヨを見つけた時につごうがいいでしょ?』
「それもそうだね」
事情を知っているイフリートが………正直ちょっと不安だけどそれでもいないよりはマシだ。そのイフリートがいた方が何かといい。イヨさんにあんまり不快な思いをさせないですむ。
『私の扱いについて色々言いたいけどそれは今はいいわ。さっさと探しに行きましょう』
それもそうだということで僕たちはイヨさんを探しに外に出た。もうすぐ夜だということであたりが大分暗くなっている。夜目が利くわけではないので視覚情報を頼りに探すことはほとんど不可能だろうな
「『感知』」
「熱探知」
「感知………ごめんなさい私は少し苦手です」
『誰しもあるしいいわ。ちゃんと使えているみたいだしそれじゃあ捜索開始!』
イフリートの掛け声でそれぞれの方向に走りだす。いやなんとなく走らないといけない空気じゃないですか?てかさっきからなんでイフリートが仕切っているんだ?まあ消去法かすまん
『ねえ、それどういう意味なのよ』
「本音を話してもいい?」
『その返しは私にとって都合の悪いことをいう返しね。いいわ一人で説得しなさい』
「すみませんでした」
またあんな感じで泣かれてしまうのは非常に困る。僕一人だと確実に鳴かせてしまうという謎の自信がある。非常に情けない話ではあるんだけどね
『いいからあちこちにアンテナを張りなさい?』
「わかっているよ」
自分を中心にしてあたりの捜索を始める。えっとイヨさんってかすかに電気をまとっているから他の人と区別しやすいんだよね。
『そうなの?』
「まあね………イフリートやっぱり僕彼女と会っているわ。そんなことが感覚として残ってる」
『そう。ならそれをちゃんと告げなさいね』
わかっているよ。聞いたところによれば僕がイヨさんと出会ったのは昨日が初めてみたいだ。会って二日の人の無事に対してあそこまで喜んで涙を流すことができる子だ。きっとこちらが誠心誠意を込めて話せばわかってくれる。
「このあたりにはいない」
『そう。少し場所を変えましょう』
さらに遠くに移る。僕だってそこまで運動神経がいいわけじゃないし足がそこまで早いわけじゃあないんだけどそれにしたって女子よりかはかなり早いとは思う。だからそろそろ追いつくことができると踏んでいたけど違ったね
『………まさか』
「どうしたの?」
『研究者と出会って拉致されたかも』
「それでも車とかないし………あー馬車ならあるか『電気鎧・第三形態』飛ばすよ」
『電気鎧・第三形態』を発動させて一気に加速する。加速した分1秒あたりに頭に流れ込んでくる人などの情報は多くなる。脳が少しだけ悲鳴を上げているがもう少しだけ持ってくれ
『馬車じゃないんだけど………まあいいわ。奴らが連れ去るとしたら研究所ね。そこの角を左に進んで』
「了解」
言われたとうりに角を左に曲がる。多分研究所に向かっているのだろう。ということはあいつに出会う可能性があるわけか。できれば会いたくないけどいや、ここはあいつとの約束を逆手にとって戦うのは明日だろ!って難癖つければ問題ないか
『卑怯な気もしなくもないけど案外有効なやり方かもね。そこは任せるわ。あ、ここを右』
「おっけー」
今度は右か。てかさっきから右折左折の指示が多いな。それだけここの場所が入り組んでいるっていう話なんだけどね。そういう意味でもイフリートと一緒で良かったな。僕一人では確実に迷っていたよ
『すっかり失念していたけどそれもそうね』
「もし僕が迷っていたらどうするつもりなんだよ」
しかも帰り道とかがわからないから一旦家に戻ってみるかってことができないからね。
『そうね〜それにいつ戻るかも決めてなかったけどまあそこは大丈夫でしょ』
「結構ずさんだよな」
まあイフリートだしこんなもんか『それどういう意味よ。言っとくけど私今もクレアの位置だけはわかるのよ!』あー契約しているからそれもそうなのか。わかりました。じゃあ僕が見つけたらその後クレアのところまで案内してもらいますね
『いいわよ〜あ、そこは………直進で良かったわ』
「あ、はい」
なんだよまた右とかに曲がるのかと思ってスピードを緩めてしまったじゃないか。でも結果的にこれで良かったのかもしれない。なぜならばスピードを緩めたことで一時的に『感知』に割く割合が増えたことになる。だから微かに感知領域のギリギリのところに電気をまとった人間がいることに気がついた
「イフリート!電気をまとった人間を見つけた!」
『でかした!じゃあそこに案内して』
「でも道がわからない………」
「………」
僕とイフリートととの間に乾いた風が吹く。離れた位置にいることがわかっても道がわからないとどうしようもない。行き当たりばったりでは確実に迷うてか行き止まりとかあったら余計な時間を食ってしまう。少しだけ逡巡したあとにイフリートが呆れたようにつぶやく
『仕方ないわね』
「どうするんだ?」
『あんたの魔法に物を言わせて空からいきなさい』
「えぇ!?」
『ほら早く。それか適当に進むというの?』
「それも無理だよてかイフリートわからないの?」
『確かに人がいるのはわかるけどどれかまではわかんないわよ』
それなら………ということで空から行くか。えっと先ずは自分が脚力だけで高く飛んでそれから
「『放電』」
両手を使って電撃を放ちながら角度を調整する。………しかしながら対して横に移動することができなかった。クレアの魔法みたいに長時間空中にいることは無理みたいだ
『なんでできないのよ』
「できない物はできないんだよ!もうこうなったら直接行ってやる」
そのまま感知があったところに進んで行く。さっきから位置が全く移動していないんだけどもしかして怪我でもしたのだろうか。そりゃあ対して時間が経っていないとはいえ少しぐらいは動いてもいいものを。あ、もしかして食事中か?『いやあの子お金を持っていないからそれもないわね』そうなのか
「お、無事につけそう。多分そこの角を右」
『運が良かったわねー』
幸いというべきか特に行き止まりとかに遭遇することもなく感知場所にたどり着くことができた。でもなんか違和感があるんだけどなんだろうな。でも僕は角を曲がったことですぐにその違和感の正体がわかる
「イヨさん!?いや、違う」
『この子は………ナナ?』
ナナさんじゃないか。そういえばイヨさんとは微妙に違う?見知った電気だったというのと今電気をまとっているのはイヨさんぐらいしかいないという先入観から僕はイヨさんと判断したんだけど違ったみたいだ。でもそんなことはどうでもいい。だって
『なんて酷い傷』
「誰が………いやそもそもなんで」
ナナさんが腹から大量に血を流しながら路地で倒れていたのだから
「そんなことが…」
『ええ、ミライの使う「変化」これは使えばほぼ全ての攻撃を無力化するけど代わりに発動すれば記憶などに障害が出る。おまけに貫かれたあとに弄られもしたらなおさらね』
つまり僕があいつに貫かれたあと横に薙ぎ払われた。それによって記憶の一部が欠落したらしい。だからメイさんやイヨさんの記憶が消えていてもあいつの記憶だけは残っていた。
「そうだったんですね。すみませんそんなことも知らずに」
「え、いやいいよ。記憶がないって信じられないですし」
「ミライさんの敬語ってなんか気持ち悪い」
「ねえ酷くない!?」
知らない人と話す時ってそりゃ普通は丁寧語とかになるだろう。それが気持ち悪いとか………僕の性格を考えたらまあ納得できるか。てか僕は普通の?記憶喪失とはまったく違うんだよね。だって僕はあいつのことは覚えているしクレアやイフリートだって。てか何気にナナさんのことも覚えていたからね
『ま、誤解が腫れてよかったわ』
「そうなると」
『ええ、あとはイヨだけね』
「勢いで飛び出ただけだからきっとまだ近くにいると思います」
『そうね………じゃあ私とミライ、クレア、メイの3班で探すことにしましょうか』
いいけど………どうして僕だけイフリートと行動なんだ?それにどうして捜索に加わらない人たちがいるんだ?
『あの子たちは狙われているの。だから保険も兼ねて留守番ね。それと私がいた方がイヨを見つけた時につごうがいいでしょ?』
「それもそうだね」
事情を知っているイフリートが………正直ちょっと不安だけどそれでもいないよりはマシだ。そのイフリートがいた方が何かといい。イヨさんにあんまり不快な思いをさせないですむ。
『私の扱いについて色々言いたいけどそれは今はいいわ。さっさと探しに行きましょう』
それもそうだということで僕たちはイヨさんを探しに外に出た。もうすぐ夜だということであたりが大分暗くなっている。夜目が利くわけではないので視覚情報を頼りに探すことはほとんど不可能だろうな
「『感知』」
「熱探知」
「感知………ごめんなさい私は少し苦手です」
『誰しもあるしいいわ。ちゃんと使えているみたいだしそれじゃあ捜索開始!』
イフリートの掛け声でそれぞれの方向に走りだす。いやなんとなく走らないといけない空気じゃないですか?てかさっきからなんでイフリートが仕切っているんだ?まあ消去法かすまん
『ねえ、それどういう意味なのよ』
「本音を話してもいい?」
『その返しは私にとって都合の悪いことをいう返しね。いいわ一人で説得しなさい』
「すみませんでした」
またあんな感じで泣かれてしまうのは非常に困る。僕一人だと確実に鳴かせてしまうという謎の自信がある。非常に情けない話ではあるんだけどね
『いいからあちこちにアンテナを張りなさい?』
「わかっているよ」
自分を中心にしてあたりの捜索を始める。えっとイヨさんってかすかに電気をまとっているから他の人と区別しやすいんだよね。
『そうなの?』
「まあね………イフリートやっぱり僕彼女と会っているわ。そんなことが感覚として残ってる」
『そう。ならそれをちゃんと告げなさいね』
わかっているよ。聞いたところによれば僕がイヨさんと出会ったのは昨日が初めてみたいだ。会って二日の人の無事に対してあそこまで喜んで涙を流すことができる子だ。きっとこちらが誠心誠意を込めて話せばわかってくれる。
「このあたりにはいない」
『そう。少し場所を変えましょう』
さらに遠くに移る。僕だってそこまで運動神経がいいわけじゃないし足がそこまで早いわけじゃあないんだけどそれにしたって女子よりかはかなり早いとは思う。だからそろそろ追いつくことができると踏んでいたけど違ったね
『………まさか』
「どうしたの?」
『研究者と出会って拉致されたかも』
「それでも車とかないし………あー馬車ならあるか『電気鎧・第三形態』飛ばすよ」
『電気鎧・第三形態』を発動させて一気に加速する。加速した分1秒あたりに頭に流れ込んでくる人などの情報は多くなる。脳が少しだけ悲鳴を上げているがもう少しだけ持ってくれ
『馬車じゃないんだけど………まあいいわ。奴らが連れ去るとしたら研究所ね。そこの角を左に進んで』
「了解」
言われたとうりに角を左に曲がる。多分研究所に向かっているのだろう。ということはあいつに出会う可能性があるわけか。できれば会いたくないけどいや、ここはあいつとの約束を逆手にとって戦うのは明日だろ!って難癖つければ問題ないか
『卑怯な気もしなくもないけど案外有効なやり方かもね。そこは任せるわ。あ、ここを右』
「おっけー」
今度は右か。てかさっきから右折左折の指示が多いな。それだけここの場所が入り組んでいるっていう話なんだけどね。そういう意味でもイフリートと一緒で良かったな。僕一人では確実に迷っていたよ
『すっかり失念していたけどそれもそうね』
「もし僕が迷っていたらどうするつもりなんだよ」
しかも帰り道とかがわからないから一旦家に戻ってみるかってことができないからね。
『そうね〜それにいつ戻るかも決めてなかったけどまあそこは大丈夫でしょ』
「結構ずさんだよな」
まあイフリートだしこんなもんか『それどういう意味よ。言っとくけど私今もクレアの位置だけはわかるのよ!』あー契約しているからそれもそうなのか。わかりました。じゃあ僕が見つけたらその後クレアのところまで案内してもらいますね
『いいわよ〜あ、そこは………直進で良かったわ』
「あ、はい」
なんだよまた右とかに曲がるのかと思ってスピードを緩めてしまったじゃないか。でも結果的にこれで良かったのかもしれない。なぜならばスピードを緩めたことで一時的に『感知』に割く割合が増えたことになる。だから微かに感知領域のギリギリのところに電気をまとった人間がいることに気がついた
「イフリート!電気をまとった人間を見つけた!」
『でかした!じゃあそこに案内して』
「でも道がわからない………」
「………」
僕とイフリートととの間に乾いた風が吹く。離れた位置にいることがわかっても道がわからないとどうしようもない。行き当たりばったりでは確実に迷うてか行き止まりとかあったら余計な時間を食ってしまう。少しだけ逡巡したあとにイフリートが呆れたようにつぶやく
『仕方ないわね』
「どうするんだ?」
『あんたの魔法に物を言わせて空からいきなさい』
「えぇ!?」
『ほら早く。それか適当に進むというの?』
「それも無理だよてかイフリートわからないの?」
『確かに人がいるのはわかるけどどれかまではわかんないわよ』
それなら………ということで空から行くか。えっと先ずは自分が脚力だけで高く飛んでそれから
「『放電』」
両手を使って電撃を放ちながら角度を調整する。………しかしながら対して横に移動することができなかった。クレアの魔法みたいに長時間空中にいることは無理みたいだ
『なんでできないのよ』
「できない物はできないんだよ!もうこうなったら直接行ってやる」
そのまま感知があったところに進んで行く。さっきから位置が全く移動していないんだけどもしかして怪我でもしたのだろうか。そりゃあ対して時間が経っていないとはいえ少しぐらいは動いてもいいものを。あ、もしかして食事中か?『いやあの子お金を持っていないからそれもないわね』そうなのか
「お、無事につけそう。多分そこの角を右」
『運が良かったわねー』
幸いというべきか特に行き止まりとかに遭遇することもなく感知場所にたどり着くことができた。でもなんか違和感があるんだけどなんだろうな。でも僕は角を曲がったことですぐにその違和感の正体がわかる
「イヨさん!?いや、違う」
『この子は………ナナ?』
ナナさんじゃないか。そういえばイヨさんとは微妙に違う?見知った電気だったというのと今電気をまとっているのはイヨさんぐらいしかいないという先入観から僕はイヨさんと判断したんだけど違ったみたいだ。でもそんなことはどうでもいい。だって
『なんて酷い傷』
「誰が………いやそもそもなんで」
ナナさんが腹から大量に血を流しながら路地で倒れていたのだから
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