電気使いは今日もノリで生きる
命がけの戦い
???
「それは・・・」
確かに考えなかったわけではない。さっき敵陣に突っ込んで行った時に明らかにスケルトンたちは僕の動きについてこれていなかった。奇襲をかけたというのもあるのかもしれないがそれでも『電気鎧・第3形態』を使っていればおそらく追いつかれることはないだろう
でも、逃げてどうするというんだ?この場はなんとかなるかもしれない。でもそのあとは?また倒せない敵と遭遇した時にひたすら逃げ続けるっていうのだろうか。それは違う。そもそも僕が来たのだってクレアを助けるためじゃないか。僕が助けに行く前に死んでしまったのなら仕方がない。でも、出会ったあとにみすみす見殺しにするなんてそんなの嫌だ
「今回は僕が助けたけどね」
「・・・言わないでくれ」
クレアを助けに行く前に僕が死んでいましたね。はい。でもそれならなおさらその分の借りを返さなければいけない。見殺しになんてしてしまったらそれはきっとこの先一生の後悔になる、そんな気がする。
「じゃあこの状況をどう打開するっていうんだ。どちらかが犠牲にならないと」
「それは嫌なんだよ」
仮にその手段を選んだとしてもそれはまだ最後の手段だ。諦めるにはまだはやい。まだ、魔力がある、生きている、だからできることがある
「はあ?そんなのっておい」
クレアの首筋を掴み抱える。腕に『電気鎧・第3形態』を集中させれば一時的にかなり重たいものでも楽々持ち上げられるみたいだ。ミシミシと悲鳴を上げているけれど多分大丈夫だろう。
「まさか・・・」
まだ少しだけ距離がある今だからできることうまくいけば距離をまた離すことができるかもしれないからね。そして、そのままクレアをスケルトンがいるのとは反対方向の通路に全力でぶん投げる
「うおおおおおおおお」
「おま、ふざけんなよおおぉぉぉぉぉ」
確かしばらく直線が続いていたし『浮遊』お、ちゃんと浮遊魔法を唱えてくれたな。なんでもそうだけど飛行物体って飛ぶ時が一番危険で一旦飛んでしまえばすぐに安定するんだよな。これでかなりの飛距離を稼げただろう。さて、これで僕も遠慮なく『電気鎧・第3形態』で逃げることが・・・!
「ぐう・・・がはっ」
甘かった、距離を詰められてしまった。スケルトンが持っていた刀が僕の脇腹に突き刺さった。あ、これまずいやつだ。まだ幸運なのは突き刺さっていることかな。これ普通に切られていたら痛みと出血でもう終わっていたよな。刺さっていることによって痛いのは痛いが刀自体によって血が出血が抑えられている。これを抜かれてしまったら多分めちゃくちゃ血が吹き出るんだろうな
「『電気の領域』」
少しだけでいい、こいつらを吹き飛ばす。他の魔法を使用中に『領域』を使ってもあんまり効果がないか。でも僕に突き刺してきたやつは離れたし他の二体の攻撃も少し逸らすことができた。右手と左足をそれぞれ斬られたけどかすり傷だ。これならなんとかなる。
「『電気鎧・第3形態』」
腕に集中させていた電気を今度は足に集中させる。一度に両方使うことができたらクレアを抱えながら全力で走るってことができたんだけどそんな技術なんてない。
「がっ」
逃げる直前、もう一度刀が振り下ろされたんだろう。背中を斬られてしまった。幸いナップザックをかるっていたから中身が撒き散らされただけで済んだ。僕の背中は無事だ。衝撃はきたけれどね。荷物を失ったのはでかいけれども荷物と引き換えに僕の背中が守られたとなればそれは十分にラッキーと呼んでもいいのではないだろうか。おまけにこれで距離を稼ぐことができた。ナップザックなんて邪魔になるだけだから先頭になる時はいつも近くにポイって置いておくんだけど今回はやや奇襲を受けたってのもあってずっとかるっていたんだよね。『電気鎧』のおかげであんまり重さを感じなかったのは良かったけどそれでもちょっと邪魔だったし。これで楽になれたかな。あとは近くのセーフゾーンまで走るだけ
「ミライ」
「ちょ、なんで先に逃げてないんだよ」
「戻らなかっただけよしとしてよね!てか僕がいなかったら死んでたよ『炎の剣』」
クレアが予想よりもかなり近くにいた。え?死んでた?恐る恐る振り返ってみると「うわああああああ」まじか。ぴったりとスケルトンたちがくっついていたんですけど。しかも最強個体のやつはふつうに攻撃してきたし。クレアが魔法でそらしてくれなかったらうん、死んでいたね
「あんなことするならきちんと逃げないとね」
「なんで魔法を使ったのにこんなに近いんだよ」
「え?そんなの『浮遊』でこっち向きに帰ってきたからに決まってるじゃん」
本来ならまだ先にたはずだけど浮遊魔法を使って帰ってきたと。でも僕の覚悟を一応尊重して待っていてくれたってところだな
「さて、『火の領域』」
クレアが『領域』を発動してくれたおかげでまたスケルトンとの距離が開いた。その差はおよそ3メートル。あんまりないけどあの位置からこれだけ進んで2メートルしか詰められなかったのは大分ラッキーだな。それに計算上はあと一回実行しても問題ない
「今回と同じだけは進めないぞ」
「え?」
あ、そっか。この距離がギリギリクレアの援護が間にあう距離だったもんね。2メートル縮まったことによってスケルトンに追いつかれる距離もまた短くなっているというわけか
「でもまずいな。こっちにミライの『電気鎧・第3形態』より早く動ける魔法なんてないよね」
「それは僕も予想外だな」
考えられる原因は3つ。まずは普通にスケルトンたちのスペックが恐ろしかったこと。でも僕らは一度あいつらと単体で戦ったことがある。その時にはここまでの速さは感じられなかった。二つ目は僕自身のスペックが低いということ。いくらこの世界で運動したとはいえ、元は脆弱な地球人。筋肉だって鍛えている人間と比べてははるかに劣る。もとのスペックが低ければドーピングを行ったとしても伸び幅はそこまででない。これが割とありそうなんだよね。そして最後、僕の魔力が切れかかっていることによって全力の時と比べるとパフォーマンスが著しく低下しているということ。電気の流れをスムーズに動かせないとそれだけ神経系につなげる時間がかかりあんまり力を出せない。体の限界がきている可能性もあるがそれはない、と思う。そもそも限界を超えているんだ。肉体の疲れなんて関係ない。魔力の流れが乱れている方がよっぽど影響がでかいからね
でもこれでわかったことがある。僕らはこいつらから逃げることができないということだ。くそ、こんなことなら緊急脱出用に砂鉄を持参しておくべきだった。ダンジョン内でもなんだかんだで地面とかを砕けばうまいこと使えると思っていたけどそれも無理なのか。持ってきたものといえば乾パンに水てかそもそもさっき撒き散らしてきたんだった。
「!、『電気の領域』」
こちらの考えがまとまらないうちに向こうから迫ってきやがった。僕の『領域』で凌ぐことができたけれど多分次の攻撃では何もできない。早く考えをまとめないと
「ミライ、気になっていたんだけど君の『全力・電気鎧』」
「え?」
いやそんな大技使ったら最後僕の魔力が全部消費されてしまうんだけど。それにあれは身にまとうだけだからそんなに意味ないぞ。拳に電気を集めたところでスケルトンの骨を貫通することなんてできないんだから。
「そうじゃなくて、同じ要領で『放電』を発動できないのか?」
「・・・」
まあ、同じ僕の魔法ってなればそれは不可能じゃないな。いままで気がつかなかったけど。それならそこまでリスクなく挑戦する価値はあるか。多分片手では抑えきれない。だから両手を合わせて発動しよう。イメージとしては重なった手から一つの巨大なビームが出る感じ。
「じゃあ・・・後は頼むな」
魔力を使い切ることになるから僕はもう戦えない。僕の捨て身の攻撃だからきっとある程度のダメージは与えられるだろう。だから・・・まあ、逃げることもできるかな?
「『全力放電』」
自分の中にある魔力を一気に放出させる。要領は『電気鎧』と同じだ。そしてその魔力を、魔力から変換された電気を、自らの重ねた手から一気に放出する!
「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああ」
魔力が体から消えたと思った瞬間、身体中に痛みが起こる。立っていられなくてそのまま膝をつき、そして倒れこむ。『電気鎧・第3形態』を使ったことによる反動が一気にきたのだ。でも魔法自体は一応発動して真ん中の強さのスケルトンだけは倒すことができた。後は強いスケルトンただ一体
「ごめん、ミライ」
構わないって、僕の犠牲を持って生き残ってくれよな
「『火の領域』」
「え?」
「少しだけ、休んでてくれ」
ちょ、まじか、こいつ逃げるわけではなく、倒す気でいやがる。ああ、でもそっか、だから僕に捨て身の攻撃を提案したんだな。自分を犠牲にしてでも僕を生き延びらせようとしたやつだ。その逆をするなんてそんなことあるわけないよな。
「『炎の舞』」
敵が一体だけになったからその分集中できる。でもそれだと倒すのなんて無理だぞ・・・?
「ミライ、本来はね・・・爆発は火属性の魔法に分類されるんだよ?」
何をいって「ポン!」ってえ?炎の渦が一瞬巨大化した?そのまえに聞こえたその音って、まさか
「さっきまでさ、こいつら濡れていたんだよな。そしていまミライの一撃によってそれらが全て電気分解された」
確かにナップザックを斬った時にその中にあった竹を斬ったのだろう。そのおかげで水がかかっていた、と。でも僕らが持っていた水なんてそんなに量が多くないから爆発が起きても大した威力にならないと思うんだけど
「それでもいいんだよ、小さかろうが爆発が起きるということはそれだけそこの温度が上昇する・・・だからその分の熱エネルギーも吸収すれば僕の火属性魔法は少しだけ強化される」
「!」
そんなこと、あり得るのだろうか、でも実際今のクレアの魔法は強化されている。それになんだかよく燃えているような・・・?
「だからこれで終わりだ『全力・魂の火剣』」
全力ってことはまさか「もちろん。これは僕の魔力を全部込めているよ」それもしまた別の敵と遭遇したら
「いいよもう。ひとまず、目のまえのスケルトンに勝つことができるんだからさ」
クレアの渾身の一撃はスケルトンに命中し、そのまえの僕の電撃を含めて二人分の全ての魔力を込めた攻撃のまえになすすべなく倒れていった。
僕らは全ての魔法と、ナップザックを含むほとんどの持ち物を犠牲にしてこの階のスケルトンの中で最も強いものを倒すことに成功した。
「それは・・・」
確かに考えなかったわけではない。さっき敵陣に突っ込んで行った時に明らかにスケルトンたちは僕の動きについてこれていなかった。奇襲をかけたというのもあるのかもしれないがそれでも『電気鎧・第3形態』を使っていればおそらく追いつかれることはないだろう
でも、逃げてどうするというんだ?この場はなんとかなるかもしれない。でもそのあとは?また倒せない敵と遭遇した時にひたすら逃げ続けるっていうのだろうか。それは違う。そもそも僕が来たのだってクレアを助けるためじゃないか。僕が助けに行く前に死んでしまったのなら仕方がない。でも、出会ったあとにみすみす見殺しにするなんてそんなの嫌だ
「今回は僕が助けたけどね」
「・・・言わないでくれ」
クレアを助けに行く前に僕が死んでいましたね。はい。でもそれならなおさらその分の借りを返さなければいけない。見殺しになんてしてしまったらそれはきっとこの先一生の後悔になる、そんな気がする。
「じゃあこの状況をどう打開するっていうんだ。どちらかが犠牲にならないと」
「それは嫌なんだよ」
仮にその手段を選んだとしてもそれはまだ最後の手段だ。諦めるにはまだはやい。まだ、魔力がある、生きている、だからできることがある
「はあ?そんなのっておい」
クレアの首筋を掴み抱える。腕に『電気鎧・第3形態』を集中させれば一時的にかなり重たいものでも楽々持ち上げられるみたいだ。ミシミシと悲鳴を上げているけれど多分大丈夫だろう。
「まさか・・・」
まだ少しだけ距離がある今だからできることうまくいけば距離をまた離すことができるかもしれないからね。そして、そのままクレアをスケルトンがいるのとは反対方向の通路に全力でぶん投げる
「うおおおおおおおお」
「おま、ふざけんなよおおぉぉぉぉぉ」
確かしばらく直線が続いていたし『浮遊』お、ちゃんと浮遊魔法を唱えてくれたな。なんでもそうだけど飛行物体って飛ぶ時が一番危険で一旦飛んでしまえばすぐに安定するんだよな。これでかなりの飛距離を稼げただろう。さて、これで僕も遠慮なく『電気鎧・第3形態』で逃げることが・・・!
「ぐう・・・がはっ」
甘かった、距離を詰められてしまった。スケルトンが持っていた刀が僕の脇腹に突き刺さった。あ、これまずいやつだ。まだ幸運なのは突き刺さっていることかな。これ普通に切られていたら痛みと出血でもう終わっていたよな。刺さっていることによって痛いのは痛いが刀自体によって血が出血が抑えられている。これを抜かれてしまったら多分めちゃくちゃ血が吹き出るんだろうな
「『電気の領域』」
少しだけでいい、こいつらを吹き飛ばす。他の魔法を使用中に『領域』を使ってもあんまり効果がないか。でも僕に突き刺してきたやつは離れたし他の二体の攻撃も少し逸らすことができた。右手と左足をそれぞれ斬られたけどかすり傷だ。これならなんとかなる。
「『電気鎧・第3形態』」
腕に集中させていた電気を今度は足に集中させる。一度に両方使うことができたらクレアを抱えながら全力で走るってことができたんだけどそんな技術なんてない。
「がっ」
逃げる直前、もう一度刀が振り下ろされたんだろう。背中を斬られてしまった。幸いナップザックをかるっていたから中身が撒き散らされただけで済んだ。僕の背中は無事だ。衝撃はきたけれどね。荷物を失ったのはでかいけれども荷物と引き換えに僕の背中が守られたとなればそれは十分にラッキーと呼んでもいいのではないだろうか。おまけにこれで距離を稼ぐことができた。ナップザックなんて邪魔になるだけだから先頭になる時はいつも近くにポイって置いておくんだけど今回はやや奇襲を受けたってのもあってずっとかるっていたんだよね。『電気鎧』のおかげであんまり重さを感じなかったのは良かったけどそれでもちょっと邪魔だったし。これで楽になれたかな。あとは近くのセーフゾーンまで走るだけ
「ミライ」
「ちょ、なんで先に逃げてないんだよ」
「戻らなかっただけよしとしてよね!てか僕がいなかったら死んでたよ『炎の剣』」
クレアが予想よりもかなり近くにいた。え?死んでた?恐る恐る振り返ってみると「うわああああああ」まじか。ぴったりとスケルトンたちがくっついていたんですけど。しかも最強個体のやつはふつうに攻撃してきたし。クレアが魔法でそらしてくれなかったらうん、死んでいたね
「あんなことするならきちんと逃げないとね」
「なんで魔法を使ったのにこんなに近いんだよ」
「え?そんなの『浮遊』でこっち向きに帰ってきたからに決まってるじゃん」
本来ならまだ先にたはずだけど浮遊魔法を使って帰ってきたと。でも僕の覚悟を一応尊重して待っていてくれたってところだな
「さて、『火の領域』」
クレアが『領域』を発動してくれたおかげでまたスケルトンとの距離が開いた。その差はおよそ3メートル。あんまりないけどあの位置からこれだけ進んで2メートルしか詰められなかったのは大分ラッキーだな。それに計算上はあと一回実行しても問題ない
「今回と同じだけは進めないぞ」
「え?」
あ、そっか。この距離がギリギリクレアの援護が間にあう距離だったもんね。2メートル縮まったことによってスケルトンに追いつかれる距離もまた短くなっているというわけか
「でもまずいな。こっちにミライの『電気鎧・第3形態』より早く動ける魔法なんてないよね」
「それは僕も予想外だな」
考えられる原因は3つ。まずは普通にスケルトンたちのスペックが恐ろしかったこと。でも僕らは一度あいつらと単体で戦ったことがある。その時にはここまでの速さは感じられなかった。二つ目は僕自身のスペックが低いということ。いくらこの世界で運動したとはいえ、元は脆弱な地球人。筋肉だって鍛えている人間と比べてははるかに劣る。もとのスペックが低ければドーピングを行ったとしても伸び幅はそこまででない。これが割とありそうなんだよね。そして最後、僕の魔力が切れかかっていることによって全力の時と比べるとパフォーマンスが著しく低下しているということ。電気の流れをスムーズに動かせないとそれだけ神経系につなげる時間がかかりあんまり力を出せない。体の限界がきている可能性もあるがそれはない、と思う。そもそも限界を超えているんだ。肉体の疲れなんて関係ない。魔力の流れが乱れている方がよっぽど影響がでかいからね
でもこれでわかったことがある。僕らはこいつらから逃げることができないということだ。くそ、こんなことなら緊急脱出用に砂鉄を持参しておくべきだった。ダンジョン内でもなんだかんだで地面とかを砕けばうまいこと使えると思っていたけどそれも無理なのか。持ってきたものといえば乾パンに水てかそもそもさっき撒き散らしてきたんだった。
「!、『電気の領域』」
こちらの考えがまとまらないうちに向こうから迫ってきやがった。僕の『領域』で凌ぐことができたけれど多分次の攻撃では何もできない。早く考えをまとめないと
「ミライ、気になっていたんだけど君の『全力・電気鎧』」
「え?」
いやそんな大技使ったら最後僕の魔力が全部消費されてしまうんだけど。それにあれは身にまとうだけだからそんなに意味ないぞ。拳に電気を集めたところでスケルトンの骨を貫通することなんてできないんだから。
「そうじゃなくて、同じ要領で『放電』を発動できないのか?」
「・・・」
まあ、同じ僕の魔法ってなればそれは不可能じゃないな。いままで気がつかなかったけど。それならそこまでリスクなく挑戦する価値はあるか。多分片手では抑えきれない。だから両手を合わせて発動しよう。イメージとしては重なった手から一つの巨大なビームが出る感じ。
「じゃあ・・・後は頼むな」
魔力を使い切ることになるから僕はもう戦えない。僕の捨て身の攻撃だからきっとある程度のダメージは与えられるだろう。だから・・・まあ、逃げることもできるかな?
「『全力放電』」
自分の中にある魔力を一気に放出させる。要領は『電気鎧』と同じだ。そしてその魔力を、魔力から変換された電気を、自らの重ねた手から一気に放出する!
「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああ」
魔力が体から消えたと思った瞬間、身体中に痛みが起こる。立っていられなくてそのまま膝をつき、そして倒れこむ。『電気鎧・第3形態』を使ったことによる反動が一気にきたのだ。でも魔法自体は一応発動して真ん中の強さのスケルトンだけは倒すことができた。後は強いスケルトンただ一体
「ごめん、ミライ」
構わないって、僕の犠牲を持って生き残ってくれよな
「『火の領域』」
「え?」
「少しだけ、休んでてくれ」
ちょ、まじか、こいつ逃げるわけではなく、倒す気でいやがる。ああ、でもそっか、だから僕に捨て身の攻撃を提案したんだな。自分を犠牲にしてでも僕を生き延びらせようとしたやつだ。その逆をするなんてそんなことあるわけないよな。
「『炎の舞』」
敵が一体だけになったからその分集中できる。でもそれだと倒すのなんて無理だぞ・・・?
「ミライ、本来はね・・・爆発は火属性の魔法に分類されるんだよ?」
何をいって「ポン!」ってえ?炎の渦が一瞬巨大化した?そのまえに聞こえたその音って、まさか
「さっきまでさ、こいつら濡れていたんだよな。そしていまミライの一撃によってそれらが全て電気分解された」
確かにナップザックを斬った時にその中にあった竹を斬ったのだろう。そのおかげで水がかかっていた、と。でも僕らが持っていた水なんてそんなに量が多くないから爆発が起きても大した威力にならないと思うんだけど
「それでもいいんだよ、小さかろうが爆発が起きるということはそれだけそこの温度が上昇する・・・だからその分の熱エネルギーも吸収すれば僕の火属性魔法は少しだけ強化される」
「!」
そんなこと、あり得るのだろうか、でも実際今のクレアの魔法は強化されている。それになんだかよく燃えているような・・・?
「だからこれで終わりだ『全力・魂の火剣』」
全力ってことはまさか「もちろん。これは僕の魔力を全部込めているよ」それもしまた別の敵と遭遇したら
「いいよもう。ひとまず、目のまえのスケルトンに勝つことができるんだからさ」
クレアの渾身の一撃はスケルトンに命中し、そのまえの僕の電撃を含めて二人分の全ての魔力を込めた攻撃のまえになすすべなく倒れていった。
僕らは全ての魔法と、ナップザックを含むほとんどの持ち物を犠牲にしてこの階のスケルトンの中で最も強いものを倒すことに成功した。
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