電気使いは今日もノリで生きる
夜間の襲撃
水無月5周目風曜日
「よし、これでテントの組み立てが終わったわね」
「そうですね」
ちゃんと組み立てることができたけど・・・つかれた。なんでこんなにテント設営って難しいんだ。これを普通にこなしている全国のお父さんすげぇな。僕無理だわ
「慣れだからね。ミライも何回かすればできるようになるよ」
「まあ今王都では自動組み立てテントなんてもんも売られてるみたいだけどね」
「それはいいです」
全自動ってなんか好きになれないんだよな。別にその存在を否定する気はないし便利なものではあると思うけど単に僕が嫌なだけ
「それじゃあ順々に見張りをするとしましょうか。まずは誰からする?」
「「リンナ先輩が休んでください」」
「ははは。まああなたたちに多めに任せるつもりだしいいよ〜じゃあ適当な時間になったらそこのボタン押して。それでおきるから」
まあさすがに無防備に眠るわけにはいかないからね。それは仕方がないことだ。よかったちゃんとリンナ先輩にも節操というものがあったことがわかったし
「ねえあんた私をどんな風に見てるのよ・・・」
「・・・ノーコメントで」
「少なくともいい印象ではないことはわかったわ」
ごまかしたのに。それが全部筒抜けだったってのはなんか恥ずかしいな。「そりゃあんな対応されたら伝われてもしかたがないよ」そういうものなのか
「まあいいやミライ。しっかり見張ろうな『浮遊』」
「りょーかい『感知』」
「大丈夫そうね。おねがい」
リンナ先輩はテントの中に入っていく。先輩には申し訳ない話になるんだけど、先輩を起こさないようにしよう。
「そうだね。なんとなく、僕らだけで済ませたほうがいいような予感がする」
「僕もそんな予感がしてた」
この森に入ってからというもの、なにかおかしな気配がずっと漂っていた。具体的に『なに』って聞かれてもわからない。でも明らかにおかしい。そして以前感じたことのあるような気配がずっとしていた。それがいいものなのか悪いものなのか全くわからない。
「電気の領域」
感知の精度を底上げする。上空からクレアが見回ってくれているから僕は地上に専念しよう。範囲はかなり制限されるけど不安を取り除くためにはこうするしかない。
「以前よりかは範囲が増加しているけど・・・それでもきついな」
出力を上げてもなかなか範囲が広がらない・・・一か八か全方向ではなくて一方方向だけで広げるのはどうだろうか。例えば前方だけに一気に索敵範囲をしぼるみたいに。
「お!いい感じ」
通常の『感知《feel》』と同じくらいの範囲を探知することができる。あとはこれを連続で繰り返して四方八方見つめ続ければある程度カバーができるな。
「くっでも・・・魔力の消費が・・・」
連続で使用するってことはつまり範囲を何度も変更しているつまり『領域』を何度も作り替えているっていうことになるからね。消費量がかなりある。きついな。
「そっちはどうだ?」
「なにも異常なし・・・まあ昼間と違って視界がかなり悪いんだ」
「火の玉出せないの?」
「『浮遊』のコントロールがまだまだ未熟でそれ以外の魔法を使うことができないんだよ」
やっぱり厳しいか。わかっていたことだけど夜って昼間と違って視界が制限されるから厳しいな。
「こういう経験はしっかり積んでおきたいけど、今じゃなくてもな」
「そうなんだよね」
これからこの世界を生きるために絶対に大事なことだとは思う。でももっと安全に経験をつみたかった・・ん?つまり先輩達の元で?
「無理じゃね?」
「モンスターとの戦闘にキングを選ぶ人たちだからな・・・あれだよ4人グループの」
「そうだね・・・あ!」
「あの二人、大丈夫か?」
僕とクレアがここにいるっていうことが残っているのはミロンさんとサクヤのみ。運がいいことに前衛タイプと後衛タイプが残っているから戦闘することは可能なんだけど4人と比べてはるかに危険度は高い
「まあこないだみたく天衣達と組むだろ」
「それならいいけど」
でも二人だけでクリアすることで俺様の実力を知らしめてやるぜーってサクヤが暴走しそうなんだけどな。まあその原因を作った僕がなにも言う権利なんてないんだけどさ。
「ま、なんとかなっているだろ。僕ら以前も休んだことあったと思うし」
「というか休んでばっかりだよな」
卒業どころか進級すら危ないんだけどな。まあ最悪追い出されたとしてもなんとかして食べていくか。学校で強制的に作らされたギルドカードあるし、依頼を適当に受けてから食っていけばいいか。生きるだけならなんとかなるだろうし、それを言っててしまえば僕の目標ができなくなったら別に生きる必要なんてないしな。
「気持ちがわかるだけに辛い」
「クレアもか?」
「僕は『朱雀』を倒せさえすればそれでいいからね」
「あー『麒麟』のやつだけは吹き飛ばしたいな」
思い出すたんびにムカつくからな
「そろそろ、再開しよっ・・・危ない!」
「!やべ」
急に後ろから襲われた。クレアが声をかけてくれたなかったら危うく斬られるところだった
「お前が放火魔か」
「・・・」
問いかけるが返事がない。それはそうか。これから殺そうって相手を前にしてベラベラと話すようなやつではないだろうし。
「『火《fire》』」
「ありがとう」
クレアが灯りを灯してくれたので相手の姿がはっきりと見える。全身黒ずくめで顔もフードで隠しているためにはっきりとわからないけどなんとなく男性っぽい・・・?身長はそんなに高くはないんだけどな
「ま、そっちから来てくれたのはありがたい『電気鎧』」
素早く拳に電気を集めて殴る。フェイクも入れていないし陽動も仕掛けていないから案の定簡単に躱されてしまう。
「ま、僕自身が陽動だからいいんだけどね!」
「待たせたね『火の領域』」
あたり一面に炎が走る。あ、これ燃えないか?大丈夫だろうか。まあ制御できているだろうから大丈夫だろうけど
「・・・」
「沈黙なのは構わないけど避けてばっかりじゃいけない!よ!」
クレアが火の玉を放つが全部避けられている。まじかよ。反応速度がかなり高いな。こういうのを封じるには、連続攻撃かな
「『電気の領域』からの『創造』」
砂鉄の剣を生み出して・・・いや、剣というよりは鞭みたいな感じで武器を作ってみよう。静電気でつながっているからある程度は制御可能だ。
「よし!そのまま囲い込んで」
「電力が足りねぇよ」
黒ずくめの男を囲うように柄を振るうけれどもうまく捉えることができない。これ結構繊細な調整が必要なんだけど・・・。やっぱりいきなり実戦でぶっ放すもんじゃないね。もう少し練習しておくべきだったか
「下手くそ」
「これまだ練習中なんだよ!少し待っとけ」
とはいえ、さすがに恥ずかしいからもう少しこっそり特訓をしてからお披露目しよう。うん、今度からは事前にしっかりと準備をしておこう。転ばぬ先のなんとやらだ。
「ま、なんでもいいけどさ、僕たちの目的のために倒されてね」
「さむい」
「うるさい」
はいはい、僕が決まらないことがよくわかりましたよ。ま、というわけでいつものように相手をしっかり見極めて対策を立てるとしますか
「よし、これでテントの組み立てが終わったわね」
「そうですね」
ちゃんと組み立てることができたけど・・・つかれた。なんでこんなにテント設営って難しいんだ。これを普通にこなしている全国のお父さんすげぇな。僕無理だわ
「慣れだからね。ミライも何回かすればできるようになるよ」
「まあ今王都では自動組み立てテントなんてもんも売られてるみたいだけどね」
「それはいいです」
全自動ってなんか好きになれないんだよな。別にその存在を否定する気はないし便利なものではあると思うけど単に僕が嫌なだけ
「それじゃあ順々に見張りをするとしましょうか。まずは誰からする?」
「「リンナ先輩が休んでください」」
「ははは。まああなたたちに多めに任せるつもりだしいいよ〜じゃあ適当な時間になったらそこのボタン押して。それでおきるから」
まあさすがに無防備に眠るわけにはいかないからね。それは仕方がないことだ。よかったちゃんとリンナ先輩にも節操というものがあったことがわかったし
「ねえあんた私をどんな風に見てるのよ・・・」
「・・・ノーコメントで」
「少なくともいい印象ではないことはわかったわ」
ごまかしたのに。それが全部筒抜けだったってのはなんか恥ずかしいな。「そりゃあんな対応されたら伝われてもしかたがないよ」そういうものなのか
「まあいいやミライ。しっかり見張ろうな『浮遊』」
「りょーかい『感知』」
「大丈夫そうね。おねがい」
リンナ先輩はテントの中に入っていく。先輩には申し訳ない話になるんだけど、先輩を起こさないようにしよう。
「そうだね。なんとなく、僕らだけで済ませたほうがいいような予感がする」
「僕もそんな予感がしてた」
この森に入ってからというもの、なにかおかしな気配がずっと漂っていた。具体的に『なに』って聞かれてもわからない。でも明らかにおかしい。そして以前感じたことのあるような気配がずっとしていた。それがいいものなのか悪いものなのか全くわからない。
「電気の領域」
感知の精度を底上げする。上空からクレアが見回ってくれているから僕は地上に専念しよう。範囲はかなり制限されるけど不安を取り除くためにはこうするしかない。
「以前よりかは範囲が増加しているけど・・・それでもきついな」
出力を上げてもなかなか範囲が広がらない・・・一か八か全方向ではなくて一方方向だけで広げるのはどうだろうか。例えば前方だけに一気に索敵範囲をしぼるみたいに。
「お!いい感じ」
通常の『感知《feel》』と同じくらいの範囲を探知することができる。あとはこれを連続で繰り返して四方八方見つめ続ければある程度カバーができるな。
「くっでも・・・魔力の消費が・・・」
連続で使用するってことはつまり範囲を何度も変更しているつまり『領域』を何度も作り替えているっていうことになるからね。消費量がかなりある。きついな。
「そっちはどうだ?」
「なにも異常なし・・・まあ昼間と違って視界がかなり悪いんだ」
「火の玉出せないの?」
「『浮遊』のコントロールがまだまだ未熟でそれ以外の魔法を使うことができないんだよ」
やっぱり厳しいか。わかっていたことだけど夜って昼間と違って視界が制限されるから厳しいな。
「こういう経験はしっかり積んでおきたいけど、今じゃなくてもな」
「そうなんだよね」
これからこの世界を生きるために絶対に大事なことだとは思う。でももっと安全に経験をつみたかった・・ん?つまり先輩達の元で?
「無理じゃね?」
「モンスターとの戦闘にキングを選ぶ人たちだからな・・・あれだよ4人グループの」
「そうだね・・・あ!」
「あの二人、大丈夫か?」
僕とクレアがここにいるっていうことが残っているのはミロンさんとサクヤのみ。運がいいことに前衛タイプと後衛タイプが残っているから戦闘することは可能なんだけど4人と比べてはるかに危険度は高い
「まあこないだみたく天衣達と組むだろ」
「それならいいけど」
でも二人だけでクリアすることで俺様の実力を知らしめてやるぜーってサクヤが暴走しそうなんだけどな。まあその原因を作った僕がなにも言う権利なんてないんだけどさ。
「ま、なんとかなっているだろ。僕ら以前も休んだことあったと思うし」
「というか休んでばっかりだよな」
卒業どころか進級すら危ないんだけどな。まあ最悪追い出されたとしてもなんとかして食べていくか。学校で強制的に作らされたギルドカードあるし、依頼を適当に受けてから食っていけばいいか。生きるだけならなんとかなるだろうし、それを言っててしまえば僕の目標ができなくなったら別に生きる必要なんてないしな。
「気持ちがわかるだけに辛い」
「クレアもか?」
「僕は『朱雀』を倒せさえすればそれでいいからね」
「あー『麒麟』のやつだけは吹き飛ばしたいな」
思い出すたんびにムカつくからな
「そろそろ、再開しよっ・・・危ない!」
「!やべ」
急に後ろから襲われた。クレアが声をかけてくれたなかったら危うく斬られるところだった
「お前が放火魔か」
「・・・」
問いかけるが返事がない。それはそうか。これから殺そうって相手を前にしてベラベラと話すようなやつではないだろうし。
「『火《fire》』」
「ありがとう」
クレアが灯りを灯してくれたので相手の姿がはっきりと見える。全身黒ずくめで顔もフードで隠しているためにはっきりとわからないけどなんとなく男性っぽい・・・?身長はそんなに高くはないんだけどな
「ま、そっちから来てくれたのはありがたい『電気鎧』」
素早く拳に電気を集めて殴る。フェイクも入れていないし陽動も仕掛けていないから案の定簡単に躱されてしまう。
「ま、僕自身が陽動だからいいんだけどね!」
「待たせたね『火の領域』」
あたり一面に炎が走る。あ、これ燃えないか?大丈夫だろうか。まあ制御できているだろうから大丈夫だろうけど
「・・・」
「沈黙なのは構わないけど避けてばっかりじゃいけない!よ!」
クレアが火の玉を放つが全部避けられている。まじかよ。反応速度がかなり高いな。こういうのを封じるには、連続攻撃かな
「『電気の領域』からの『創造』」
砂鉄の剣を生み出して・・・いや、剣というよりは鞭みたいな感じで武器を作ってみよう。静電気でつながっているからある程度は制御可能だ。
「よし!そのまま囲い込んで」
「電力が足りねぇよ」
黒ずくめの男を囲うように柄を振るうけれどもうまく捉えることができない。これ結構繊細な調整が必要なんだけど・・・。やっぱりいきなり実戦でぶっ放すもんじゃないね。もう少し練習しておくべきだったか
「下手くそ」
「これまだ練習中なんだよ!少し待っとけ」
とはいえ、さすがに恥ずかしいからもう少しこっそり特訓をしてからお披露目しよう。うん、今度からは事前にしっかりと準備をしておこう。転ばぬ先のなんとやらだ。
「ま、なんでもいいけどさ、僕たちの目的のために倒されてね」
「さむい」
「うるさい」
はいはい、僕が決まらないことがよくわかりましたよ。ま、というわけでいつものように相手をしっかり見極めて対策を立てるとしますか
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
969
-
-
353
-
-
147
-
-
26950
-
-
0
-
-
104
-
-
361
-
-
111
-
-
440
コメント