電気使いは今日もノリで生きる
転移ものだとイケメンはいつも不憫になるのなんで?
水無月4周目日曜日
えっと、今日が一之瀬との戦い・・・らしいね。でも僕はまだ治療中。というかシェミン先輩がギリギリまで治療してくれなかったから動くことができませんでした。なんか今僕が練習とかすると第3形態の練習をするからって。そりゃ確かにもう二度とあんな暴走とかしたくないからね・・・でもそれがダメみたいです。
「・・・これで・・・おしまい」
「ありがとうございます」
「それで・・・いくの?」
「まあ間に合いそうなので」
時間的には多分大丈夫。それに目的のためならこれくらい大丈夫だろう。
「・・わかった。・・・でも」
「はい、第3形態は決して使いません」
これはサリア先輩とこっそり約束したこと。僕がもし今度第3形態を使ったら副会長権限で僕を失格にするというもの。僕が失格になる理由はいくらでもでっち上げられるし、最悪楠との試合のことをいってしまえばなんら問題ないだろう。
そして僕は試合会場へと向かう。当然、すでに一之瀬が待機していた。時間ぎりぎりの入場にはなったけれども一応この時点で失格にはなっていない。運がいいことにね
「おいてめぇなんで来たんだよ」
「卑怯者はさっさと負けろよ」
「というかなんでクスノキじゃなくてお前が勝者なんだよ」
うん、予想以上に嫌われたなぁ。ここまで完全にアウェーになるとは思ってもみなかったよ。
「悪いな紅。こんな環境で」
「いいよ。それよりも、始めよう?」
「ああ、そうだな」
一ノ瀬が心配してくれるのはそれは嬉しいことなんだけど正直そんなことはどうでもいい。さっさと始めてくれたほうが集中できるし非常に助かるんだよね
「それではミライ対イチノセの試合を開始します」
さあ一ノ瀬戦だ。なんかお前負けろよ的な空気がすごいけどいちいちそんなこと気にしていられないね
「『電気鎧・第二形態』」
いきなりフルスロットルで突っ込む。さあて、一ノ瀬の実力ってどれくらいなんだっけ?確か天衣と同じくらいだっけ?うん、わからん。
「『炎の壁』」
クレアと同じ技か。まあ同じ系統というかクレアの上位互換のスキルを持っているわけだしそれも当然と言えば当然なのかな。まあそれなら、問われるのが質というわけか。本来ならこっちの方を警戒するのが普通なんだろうけど、残念ながら一ノ瀬、君の比較対象はすごいやつだからな
「な、突っ込んできただと?」
ま、当然ですよ。やっぱりクレアの方が強かったな。強いというか硬い?熱いといったほうが適切かな。とにかくそこまで電気に乱れとか起きなかった。そしてそのままなんか惚けている一ノ瀬の顔面を思いっきり殴る。うん、イケメンを殴るのってきっもちいい!
「なんで突破できる『炎の剣』」
一ノ瀬の周りに炎の剣が現れる。あーこれもクレアの方が数が多いし一つ一つの威力は・・・わからないけど一発くらってみようかな?いやいやそんな慢心はしてはいけない。ちゃんと戦わないとあいてに失礼だ。これはスポーツマンシップに通じるものがあるんだよね。手加減をするっていうのはちゃんと戦わないとあいてに宣言するってことだからね。確か高校野球でも正々堂々闘いたいからって甲子園の県予選で100点以上差がついた試合もあったんだよね。
「『電気の領域』」
「弾いただと?」
ま、当然だよね。それに・・・次の攻撃までのテンポがかなり悪い感じだな。これなら次の魔法が来たとしても
「なんで・・・」
というかなんでこれくらいの実力でここまで勝ち上がって来れたのかイマイチわからないけど。本当にクレアの方が強いな。・・・はあ、もうさっさと終わらせたいな空気も最悪だし
「一ノ瀬くんがんばってー」
あ、女性陣からの黄色い声援。うん、余計にムカついてきた。明らかにクラスメート以外の声も聞こえてきたんだけどなんだよ結局イケメンが正義か
「『創造《creat》』」
剣を生み出し斬りかかっていく。あーでも下手に傷つけるとそれはそれで面倒なんだよな。・・・というか僕なんやかんやで授業ほとんど出れてない?思い返してみたら試合のたびに倒れているから授業いけてないよな。あ、どういうことかっていうと、もうこれみんなからの印象が下がっても構わなくね?ということですね。
「ぐわああああ」
腕を切る。斬り落とそうかと思ったけどさすがにそこまで問題行動は起こしたくないなぁ。てか、あんまりこの砂鉄の剣で人を切ることなかったんだけど、切れ味わっる。なにこれ鈍刀もいいとこだぞ。今もいちおう手加減はしたんだけどそれでも結構本気で切ったんだけどな。それでも服が切れたくらいって・・・弱すぎでしょ。今知れてよかったよほんと
「切れ味あげるにはどうすればいいのかな・・・ま、ひとまず」
剣の形を解除して砂鉄を撒き散らす。なんか僕の砂鉄の使い方って基本的に全部これに収束している気がしてならないんだけどま、もうどうしようもないよね。戦略とかそんなに立てられるほど器用な性格じゃないし。ワンパターンでも仕方がないよね
「は?なんで急に・・・ってこれって!まさかふんじんばくはt」
「『爆発』」
なんか気がついたらいつのまにか覚えていた新魔法『爆発』。どうやら意識して調節しなくても発火できるいい感じの電撃を放つことができるらしい。要は毎回毎回『放電』を使う必要がなくなったっていうことだな。魔法のショートカットみたいなものだとか。サリア先輩に聞いたら教えてくれたけどやっぱり難色を示されたよな。そんなに不評なのか粉塵爆発
あ、発動したのはいいけど少しばかり距離近すぎた。ちょっと爆風に巻き込まれてしまったな。なるほどね。砂鉄をばらまくと少し相手は虚を突かれるからその隙に距離を取れるかなって思ったけど予想以上にびっくりしないみたいだな。まあ相手が一ノ瀬だからなのかもしれないのかもしれないけどね。
「ぐうえ?お前なにしてんだよ。素人がそんなことしたら危険じゃないのか?」
「それ・・・今更すぎない?」
僕ら普通に炎やら雷やらめちゃくちゃぶっ放しているからね。それもそれで危険だから。まあ粉塵爆発は自分自身も巻き込んでしまう可能性があるからこっちのほうが危険を言われてもなにも言い返せないけどね。
「それで?もう終わり?できるなら棄権してくれると助かるんだけど」
「なんでだよ?」
「だって一ノ瀬の魔法僕に全く効かないし」
だから棄権してくれると僕としてもこれ以上一ノ瀬に余計なダメージを負わせなくて済むからね。
「は?」
それを聞いてわなわなと震えている。まあそんなことを言われるってことはかなりの屈辱だろうしね。怒りで顔が真っ赤になっているよ。このイケメンに初めての屈辱を与えれたみたいだしなんかスッキリするなぁ。異世界転移でチートをもらうっていうことは要はしばらくの間負けないっていうか、そもそもこいつは地球にいた時からイケメンということで勝ち組だったしな。こんな屈辱味わうことがなかったんだろうな。
「てめえふざけるのもいい加減にー」
いい加減にしろよ。多分そんなことを言いたかったんだろう。でもそれは叶わなかった。いや言えなかったといったほうが適切か。
『グオオオオオオオオ』
それは突然現れた。急に地面が暗くなったと思ったら空から轟音とともに地面に降りてきた。人間よりもはるかに大きく、全身を黒い鱗で覆われ、口からは火を吐き、鋭いかぎ爪をもち大きな翼は羽ばたくだけで周囲に風を巻き起こす。その巨体であるから当然のごとく大きいその尻尾は叩きつけるだけで衝撃波が発生する。
そう、超巨大な龍が試合会場に乗り込んできたのだ
えっと、今日が一之瀬との戦い・・・らしいね。でも僕はまだ治療中。というかシェミン先輩がギリギリまで治療してくれなかったから動くことができませんでした。なんか今僕が練習とかすると第3形態の練習をするからって。そりゃ確かにもう二度とあんな暴走とかしたくないからね・・・でもそれがダメみたいです。
「・・・これで・・・おしまい」
「ありがとうございます」
「それで・・・いくの?」
「まあ間に合いそうなので」
時間的には多分大丈夫。それに目的のためならこれくらい大丈夫だろう。
「・・わかった。・・・でも」
「はい、第3形態は決して使いません」
これはサリア先輩とこっそり約束したこと。僕がもし今度第3形態を使ったら副会長権限で僕を失格にするというもの。僕が失格になる理由はいくらでもでっち上げられるし、最悪楠との試合のことをいってしまえばなんら問題ないだろう。
そして僕は試合会場へと向かう。当然、すでに一之瀬が待機していた。時間ぎりぎりの入場にはなったけれども一応この時点で失格にはなっていない。運がいいことにね
「おいてめぇなんで来たんだよ」
「卑怯者はさっさと負けろよ」
「というかなんでクスノキじゃなくてお前が勝者なんだよ」
うん、予想以上に嫌われたなぁ。ここまで完全にアウェーになるとは思ってもみなかったよ。
「悪いな紅。こんな環境で」
「いいよ。それよりも、始めよう?」
「ああ、そうだな」
一ノ瀬が心配してくれるのはそれは嬉しいことなんだけど正直そんなことはどうでもいい。さっさと始めてくれたほうが集中できるし非常に助かるんだよね
「それではミライ対イチノセの試合を開始します」
さあ一ノ瀬戦だ。なんかお前負けろよ的な空気がすごいけどいちいちそんなこと気にしていられないね
「『電気鎧・第二形態』」
いきなりフルスロットルで突っ込む。さあて、一ノ瀬の実力ってどれくらいなんだっけ?確か天衣と同じくらいだっけ?うん、わからん。
「『炎の壁』」
クレアと同じ技か。まあ同じ系統というかクレアの上位互換のスキルを持っているわけだしそれも当然と言えば当然なのかな。まあそれなら、問われるのが質というわけか。本来ならこっちの方を警戒するのが普通なんだろうけど、残念ながら一ノ瀬、君の比較対象はすごいやつだからな
「な、突っ込んできただと?」
ま、当然ですよ。やっぱりクレアの方が強かったな。強いというか硬い?熱いといったほうが適切かな。とにかくそこまで電気に乱れとか起きなかった。そしてそのままなんか惚けている一ノ瀬の顔面を思いっきり殴る。うん、イケメンを殴るのってきっもちいい!
「なんで突破できる『炎の剣』」
一ノ瀬の周りに炎の剣が現れる。あーこれもクレアの方が数が多いし一つ一つの威力は・・・わからないけど一発くらってみようかな?いやいやそんな慢心はしてはいけない。ちゃんと戦わないとあいてに失礼だ。これはスポーツマンシップに通じるものがあるんだよね。手加減をするっていうのはちゃんと戦わないとあいてに宣言するってことだからね。確か高校野球でも正々堂々闘いたいからって甲子園の県予選で100点以上差がついた試合もあったんだよね。
「『電気の領域』」
「弾いただと?」
ま、当然だよね。それに・・・次の攻撃までのテンポがかなり悪い感じだな。これなら次の魔法が来たとしても
「なんで・・・」
というかなんでこれくらいの実力でここまで勝ち上がって来れたのかイマイチわからないけど。本当にクレアの方が強いな。・・・はあ、もうさっさと終わらせたいな空気も最悪だし
「一ノ瀬くんがんばってー」
あ、女性陣からの黄色い声援。うん、余計にムカついてきた。明らかにクラスメート以外の声も聞こえてきたんだけどなんだよ結局イケメンが正義か
「『創造《creat》』」
剣を生み出し斬りかかっていく。あーでも下手に傷つけるとそれはそれで面倒なんだよな。・・・というか僕なんやかんやで授業ほとんど出れてない?思い返してみたら試合のたびに倒れているから授業いけてないよな。あ、どういうことかっていうと、もうこれみんなからの印象が下がっても構わなくね?ということですね。
「ぐわああああ」
腕を切る。斬り落とそうかと思ったけどさすがにそこまで問題行動は起こしたくないなぁ。てか、あんまりこの砂鉄の剣で人を切ることなかったんだけど、切れ味わっる。なにこれ鈍刀もいいとこだぞ。今もいちおう手加減はしたんだけどそれでも結構本気で切ったんだけどな。それでも服が切れたくらいって・・・弱すぎでしょ。今知れてよかったよほんと
「切れ味あげるにはどうすればいいのかな・・・ま、ひとまず」
剣の形を解除して砂鉄を撒き散らす。なんか僕の砂鉄の使い方って基本的に全部これに収束している気がしてならないんだけどま、もうどうしようもないよね。戦略とかそんなに立てられるほど器用な性格じゃないし。ワンパターンでも仕方がないよね
「は?なんで急に・・・ってこれって!まさかふんじんばくはt」
「『爆発』」
なんか気がついたらいつのまにか覚えていた新魔法『爆発』。どうやら意識して調節しなくても発火できるいい感じの電撃を放つことができるらしい。要は毎回毎回『放電』を使う必要がなくなったっていうことだな。魔法のショートカットみたいなものだとか。サリア先輩に聞いたら教えてくれたけどやっぱり難色を示されたよな。そんなに不評なのか粉塵爆発
あ、発動したのはいいけど少しばかり距離近すぎた。ちょっと爆風に巻き込まれてしまったな。なるほどね。砂鉄をばらまくと少し相手は虚を突かれるからその隙に距離を取れるかなって思ったけど予想以上にびっくりしないみたいだな。まあ相手が一ノ瀬だからなのかもしれないのかもしれないけどね。
「ぐうえ?お前なにしてんだよ。素人がそんなことしたら危険じゃないのか?」
「それ・・・今更すぎない?」
僕ら普通に炎やら雷やらめちゃくちゃぶっ放しているからね。それもそれで危険だから。まあ粉塵爆発は自分自身も巻き込んでしまう可能性があるからこっちのほうが危険を言われてもなにも言い返せないけどね。
「それで?もう終わり?できるなら棄権してくれると助かるんだけど」
「なんでだよ?」
「だって一ノ瀬の魔法僕に全く効かないし」
だから棄権してくれると僕としてもこれ以上一ノ瀬に余計なダメージを負わせなくて済むからね。
「は?」
それを聞いてわなわなと震えている。まあそんなことを言われるってことはかなりの屈辱だろうしね。怒りで顔が真っ赤になっているよ。このイケメンに初めての屈辱を与えれたみたいだしなんかスッキリするなぁ。異世界転移でチートをもらうっていうことは要はしばらくの間負けないっていうか、そもそもこいつは地球にいた時からイケメンということで勝ち組だったしな。こんな屈辱味わうことがなかったんだろうな。
「てめえふざけるのもいい加減にー」
いい加減にしろよ。多分そんなことを言いたかったんだろう。でもそれは叶わなかった。いや言えなかったといったほうが適切か。
『グオオオオオオオオ』
それは突然現れた。急に地面が暗くなったと思ったら空から轟音とともに地面に降りてきた。人間よりもはるかに大きく、全身を黒い鱗で覆われ、口からは火を吐き、鋭いかぎ爪をもち大きな翼は羽ばたくだけで周囲に風を巻き起こす。その巨体であるから当然のごとく大きいその尻尾は叩きつけるだけで衝撃波が発生する。
そう、超巨大な龍が試合会場に乗り込んできたのだ
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