電気使いは今日もノリで生きる
予選二回戦決着
水無月二週目火曜日
「は!勝ち筋を見つけたってどうするんだよ」
「それをこれからするんだけど・・・素直に口に出すわけないだろ馬鹿か」
そういうのは心の中でだけ思うんだよ。わざわざ口に出すのは囮のためとかそういうものしかないでしょうに。
「『領域』」
「馬鹿の一つ覚えみたいに同じ手かよ。馬鹿はどっちだ」
えっと、柄はどこに落ちてるかな・・・意外と近くか。でも、そっちに注意を向けちゃうと気づかれるから
「『放電』」
「それは効かないのがわかってないのか?」
知ってるよ。僕は地面を転がって柄を持つ。チャンスは一度だけ・・・成功させる!
「『創造』」
「はあ、いい加減諦めてくれないかな『雷落とし』」
雷を落としてくる。なるほど、一応は警戒ってことでこの柄を離すように仕向けるわけか。
柄がなくたって砂鉄の剣は生み出すことができる。そしてそれを放り投げれば同じように避雷針として使うことができる。
「とりゃあ!」
斬りかかる・・・そして砂鉄はバラバラになる。先ほどと同じように触れた箇所から電気が吸収?されていき風に舞っていく。
「まだまだぁ」
二度、三度、砂鉄を集めては斬りかかっていく。だいたい同じ砂鉄を使うことにはなるんだけど、意識してまだ地中に存在している砂鉄を集めるようにしてみる。そうすることで少しづつあたりに舞っている砂鉄の量が増えてきた。だんだん視界も悪くなってくる
「は、お前これで僕の視界を奪ったつもりだろうけど、意味ないんだよ」
「そうか?なら僕に自慢の雷を当ててみろよ。どうせ当たらないんだろうけどね」
「言ったなてめぇ」
よし、これで準備は整った。風は吹いてはいるけどもそこまでひどくはない。あとはできる限り鳴村の近くに行くだけだ
「お前にちゃんと当ててやるよ『雷落とし』」
雷が僕の元に落ちてくる。ま、言うだけのことはあってちゃんと僕の元に落ちてくるみたいだね。
「・・・狙い通り!」
「はあ?何を言って・・・ってまさかお前。この砂鉄は」
どうやら気がついたみたいだね。でも遅い。雷は高エネルギー体で、当たった時に火災が発生することがある。つまりは熱エネルギーを持っているわけだ。そして今落ちてくる僕の付近には数多の砂鉄が舞っている。僕に直撃する前に舞っている砂鉄の一つに当たると、その砂鉄は急激に熱せられる。そして近くの砂鉄にまたその熱エネルギーを移し、その移された周りの砂鉄も高熱を持つようになる。これが繰り返されることによりあたりは急激に熱せられる。砂鉄一つ一つが非常に小さいためにそれらは一瞬で燃え上がる。あたり一面の砂鉄が一瞬で燃えることで、それは大きな大きな爆発を起こすことになる。
少し違うかもしれないが、これが、粉塵爆発の基本的な仕組みだったはずだ。確か小麦粉でやるのが一般的だったっけ?いや、一般的ってなんだよ。普段やらないけどさ。でも有名なのは小麦粉だよね。ま、今回みたいになにか非常に小さいもの(もちろん燃えるものなのは大前提)であって、風がそこまで吹いていないのなら同じように爆発を起こすことができる。
「お前馬鹿かよ!」
「これなら防ぐことができないだろ」
爆発が起こり、爆風によって僕は吹き飛ばされる。少し火がついたようで衣服が少し燃えてしまっている。そして一応『電気鎧』で防いでいたとはいえ熱は防ぎきれるわけではなく、皮膚が少しだけ火傷している。
「『領域』」
まずは一度火を消さなきゃ。『領域』を使うことで魔法を防ぐことができたのだからもっと近く、自分の体から『領域』を展開するようにすれば火、火だけは消すことができるのではないだろうか
「はあはあ・・・」
うまくいった。とりあえず体はもう燃えてはいないようだ。まあ火傷がそれなりにきついけど・・・鳴村の様子は?
「ぐああああ、痛い、熱い・・痛い」
のたうちまわっていた。うん、こんなこと普通経験していないだろうからね。それに異世界転移ものお馴染みの主人公もといそれに準ずるもの、またはその近くの人物と戦うまで負けることがないっていうよくわからないお約束もあるだろうし、今回もそんなラノベみたいなことが起きているのかは知らないけどさ。
ま、なんにせよ今無防備になっているから攻撃しない手はない。・・・この状態でも電撃を弾くことができうのだろうか?
「・・・やっぱり無理か」
消されてしまう、こちらを把握している状態だけでなく、意識があるとダメなのかな。それとももうもはや自動というどうしようもない感じなのだろうか。気になるけど検証したくないなぁ
「ミライって時々容赦ないよね」
これは戦いだから仕方がない・・仕方がないって心の中でつぶやく振りをしながら蹴る。うん、蹴る。痛みで呻いている状態の鳴村を蹴る。大事なことだから三回言いました。我ながらヒドい行いだと思うけどこれは勝負だから仕方ないよね・・・なんかドン引きされている気もしないでもないけど気にしない気にしない
「ぐう・・・」
今のうちにできるだけダメージを稼ぐ。どうせすぐにパニックから落ち着くんだ。そうなる前に倒せればそれが一番なんだけどね。何度も蹴って転がしていく。爆発の痛みの他に蹴った衝撃の痛みもプラスであるみたいだからしばらく立ち直れそうにないけど
「よくもやりやがったな」
あ、立ち直って立ち上がった。大分蹴り込んだから服とか砂まみれでボロボロだ。砂まみれって、普通の魔法の戦いならそんなこと絶対にないよな
「頭きた。もう油断しない『雷落とし』」
あ、また雷が落ちてくる。とっさに足を『電気鎧』で強化して走り回る。的を絞らせなければ当たることはない。今頭に血が上っている様だから攻撃も単調になってるしね。
走りながら次の策を考える。同じ手は使えそうにもないし、でも牽制にはなるかな。さっきのでなかなかなトラウマになっただろうし牽制としての役割なら十分に果たすことができるだろう。あともう一つわかったことがあるとすれば、僕の電撃系は全て無効だけど、他のもの例えば集めた砂鉄などは消えるわけではない、また、それによって巻き起された爆発はきちんとダメージを受ける、と。
つまり直接攻撃するのではなく、何か別のものを挟んで攻撃すればなんとかなりそうだ。でも僕の魔法で他のものを利用するのは『創造』だけなんだよね。結局同じような展開になっちゃうか。
「いつまで、ちょろちょろ、逃げてるんだよ!」
「危ない」
ちょっと動きが鈍っていたのかな、結構近い場所に落とされてしまった。まずいな、長期戦になってしまうとこっちが不利だ。早く何かしらの策を考えないと・・・ん?そういえば電撃って無効化されるけど当たるまではちゃんとそこにあるんだよな。
『創造』
「く、砂鉄の剣」
お、ひるんだ。もう一度振り回し砂鉄を空気中にたくさん浮遊させる。
「同じ手を喰うと思うなよ。それは俺の雷がないと爆発しないからな」
あれ、わざわざ一度僕では発火できない振りをする必要がないみたいだ。冷静になってみればわかるのにね。確かに雷は強力だ。強いエネルギーを持っていて爆発のための発火には十分だ。でもね、じゃあなんで埃の積もったコンセントから火災が発生するのかって話ですよ
「『放電』」
一応不安だからできる限り高い威力になるように意識する。備えあれば憂いなしってね。僕の予想通り僕の電撃でも爆発は起きた。うん、これもはや対『雷』スキルやこないだのシグみたいな『闇』スキルように使いこなせるようになった方がいいんじゃないかな。そんなことを考えながら前を見れば二度の爆発に巻き込まれ髪の毛が焦げてしまっている鳴村が倒れるのが目に入った。
「は!勝ち筋を見つけたってどうするんだよ」
「それをこれからするんだけど・・・素直に口に出すわけないだろ馬鹿か」
そういうのは心の中でだけ思うんだよ。わざわざ口に出すのは囮のためとかそういうものしかないでしょうに。
「『領域』」
「馬鹿の一つ覚えみたいに同じ手かよ。馬鹿はどっちだ」
えっと、柄はどこに落ちてるかな・・・意外と近くか。でも、そっちに注意を向けちゃうと気づかれるから
「『放電』」
「それは効かないのがわかってないのか?」
知ってるよ。僕は地面を転がって柄を持つ。チャンスは一度だけ・・・成功させる!
「『創造』」
「はあ、いい加減諦めてくれないかな『雷落とし』」
雷を落としてくる。なるほど、一応は警戒ってことでこの柄を離すように仕向けるわけか。
柄がなくたって砂鉄の剣は生み出すことができる。そしてそれを放り投げれば同じように避雷針として使うことができる。
「とりゃあ!」
斬りかかる・・・そして砂鉄はバラバラになる。先ほどと同じように触れた箇所から電気が吸収?されていき風に舞っていく。
「まだまだぁ」
二度、三度、砂鉄を集めては斬りかかっていく。だいたい同じ砂鉄を使うことにはなるんだけど、意識してまだ地中に存在している砂鉄を集めるようにしてみる。そうすることで少しづつあたりに舞っている砂鉄の量が増えてきた。だんだん視界も悪くなってくる
「は、お前これで僕の視界を奪ったつもりだろうけど、意味ないんだよ」
「そうか?なら僕に自慢の雷を当ててみろよ。どうせ当たらないんだろうけどね」
「言ったなてめぇ」
よし、これで準備は整った。風は吹いてはいるけどもそこまでひどくはない。あとはできる限り鳴村の近くに行くだけだ
「お前にちゃんと当ててやるよ『雷落とし』」
雷が僕の元に落ちてくる。ま、言うだけのことはあってちゃんと僕の元に落ちてくるみたいだね。
「・・・狙い通り!」
「はあ?何を言って・・・ってまさかお前。この砂鉄は」
どうやら気がついたみたいだね。でも遅い。雷は高エネルギー体で、当たった時に火災が発生することがある。つまりは熱エネルギーを持っているわけだ。そして今落ちてくる僕の付近には数多の砂鉄が舞っている。僕に直撃する前に舞っている砂鉄の一つに当たると、その砂鉄は急激に熱せられる。そして近くの砂鉄にまたその熱エネルギーを移し、その移された周りの砂鉄も高熱を持つようになる。これが繰り返されることによりあたりは急激に熱せられる。砂鉄一つ一つが非常に小さいためにそれらは一瞬で燃え上がる。あたり一面の砂鉄が一瞬で燃えることで、それは大きな大きな爆発を起こすことになる。
少し違うかもしれないが、これが、粉塵爆発の基本的な仕組みだったはずだ。確か小麦粉でやるのが一般的だったっけ?いや、一般的ってなんだよ。普段やらないけどさ。でも有名なのは小麦粉だよね。ま、今回みたいになにか非常に小さいもの(もちろん燃えるものなのは大前提)であって、風がそこまで吹いていないのなら同じように爆発を起こすことができる。
「お前馬鹿かよ!」
「これなら防ぐことができないだろ」
爆発が起こり、爆風によって僕は吹き飛ばされる。少し火がついたようで衣服が少し燃えてしまっている。そして一応『電気鎧』で防いでいたとはいえ熱は防ぎきれるわけではなく、皮膚が少しだけ火傷している。
「『領域』」
まずは一度火を消さなきゃ。『領域』を使うことで魔法を防ぐことができたのだからもっと近く、自分の体から『領域』を展開するようにすれば火、火だけは消すことができるのではないだろうか
「はあはあ・・・」
うまくいった。とりあえず体はもう燃えてはいないようだ。まあ火傷がそれなりにきついけど・・・鳴村の様子は?
「ぐああああ、痛い、熱い・・痛い」
のたうちまわっていた。うん、こんなこと普通経験していないだろうからね。それに異世界転移ものお馴染みの主人公もといそれに準ずるもの、またはその近くの人物と戦うまで負けることがないっていうよくわからないお約束もあるだろうし、今回もそんなラノベみたいなことが起きているのかは知らないけどさ。
ま、なんにせよ今無防備になっているから攻撃しない手はない。・・・この状態でも電撃を弾くことができうのだろうか?
「・・・やっぱり無理か」
消されてしまう、こちらを把握している状態だけでなく、意識があるとダメなのかな。それとももうもはや自動というどうしようもない感じなのだろうか。気になるけど検証したくないなぁ
「ミライって時々容赦ないよね」
これは戦いだから仕方がない・・仕方がないって心の中でつぶやく振りをしながら蹴る。うん、蹴る。痛みで呻いている状態の鳴村を蹴る。大事なことだから三回言いました。我ながらヒドい行いだと思うけどこれは勝負だから仕方ないよね・・・なんかドン引きされている気もしないでもないけど気にしない気にしない
「ぐう・・・」
今のうちにできるだけダメージを稼ぐ。どうせすぐにパニックから落ち着くんだ。そうなる前に倒せればそれが一番なんだけどね。何度も蹴って転がしていく。爆発の痛みの他に蹴った衝撃の痛みもプラスであるみたいだからしばらく立ち直れそうにないけど
「よくもやりやがったな」
あ、立ち直って立ち上がった。大分蹴り込んだから服とか砂まみれでボロボロだ。砂まみれって、普通の魔法の戦いならそんなこと絶対にないよな
「頭きた。もう油断しない『雷落とし』」
あ、また雷が落ちてくる。とっさに足を『電気鎧』で強化して走り回る。的を絞らせなければ当たることはない。今頭に血が上っている様だから攻撃も単調になってるしね。
走りながら次の策を考える。同じ手は使えそうにもないし、でも牽制にはなるかな。さっきのでなかなかなトラウマになっただろうし牽制としての役割なら十分に果たすことができるだろう。あともう一つわかったことがあるとすれば、僕の電撃系は全て無効だけど、他のもの例えば集めた砂鉄などは消えるわけではない、また、それによって巻き起された爆発はきちんとダメージを受ける、と。
つまり直接攻撃するのではなく、何か別のものを挟んで攻撃すればなんとかなりそうだ。でも僕の魔法で他のものを利用するのは『創造』だけなんだよね。結局同じような展開になっちゃうか。
「いつまで、ちょろちょろ、逃げてるんだよ!」
「危ない」
ちょっと動きが鈍っていたのかな、結構近い場所に落とされてしまった。まずいな、長期戦になってしまうとこっちが不利だ。早く何かしらの策を考えないと・・・ん?そういえば電撃って無効化されるけど当たるまではちゃんとそこにあるんだよな。
『創造』
「く、砂鉄の剣」
お、ひるんだ。もう一度振り回し砂鉄を空気中にたくさん浮遊させる。
「同じ手を喰うと思うなよ。それは俺の雷がないと爆発しないからな」
あれ、わざわざ一度僕では発火できない振りをする必要がないみたいだ。冷静になってみればわかるのにね。確かに雷は強力だ。強いエネルギーを持っていて爆発のための発火には十分だ。でもね、じゃあなんで埃の積もったコンセントから火災が発生するのかって話ですよ
「『放電』」
一応不安だからできる限り高い威力になるように意識する。備えあれば憂いなしってね。僕の予想通り僕の電撃でも爆発は起きた。うん、これもはや対『雷』スキルやこないだのシグみたいな『闇』スキルように使いこなせるようになった方がいいんじゃないかな。そんなことを考えながら前を見れば二度の爆発に巻き込まれ髪の毛が焦げてしまっている鳴村が倒れるのが目に入った。
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