魔力ゼロの真の勇者

Nero

12話 怒り

「みんな、やっぱりこのクエストは明日でもいいか?」


…せっかく異世界の街に来たんだ。街をブラブラしたくなってもいいよな?


「いいよ〜、私も色んなとこ行きたいし」


エリが笑顔で言ってくれた。


「…レイもそれでいい」


「私も大丈夫ですよ」


他の2人も大丈夫そうだ。


「じゃあ早速だが、どこか行きたいとこはあるか?」


「私は翼が行きたい所でいいよ。」


エリがそう言うと、他の2人もそう頷いた。


「そ、そうか、じゃあ…商店街とか行ってみるか。」


みんな納得してくれた。


昼に通った商店街が見えてきた。


「やっぱりここは人が沢山いますね。」


「ああ、色んな店があるからな」


「…お店がいっぱい…楽しみ…」


そんな会話をしていると、


「あ、あれ見て!」


エリが慌ただしく指を指して言った。


そこは、裏路地であまり目立たないところだった。


その先には、小中学生くらいの耳が生えた女の子がいた。しかし、数人の男達から囲まれているようだった。


なんだなんだ揉め事か?


翼が近づきながら考えていると、男の1人が


「お嬢ちゃん、俺達金なくて困ってんだよ。金持ってるよな?その金おじちゃん達にくれるかな?」


何やらカツアゲのようだった。


「これ…はお母さんから頼まれたおつかいのお金…だから…許してください…!」


少女は今にも泣きそうに言った。


すると、男が怒鳴った。


「ああ?獣人の分際で人間様に逆らうのか?いいから早く金よこせよ!」


そう言いながら少女の服を掴んだ。そして殴ろうとした。


「ああ、もう見てらんねぇ…!」


「全くです、クズですね。あいつら」


「…レイ久しぶりに怒った」


「私もよ。」


3人共結構キレてた。


まあ、人に言えないけど。


「みんなここは俺が行く」


翼はそう言うと、そこに向かって歩き出した。


「ほら!早く金よこせよ!」


「…何してんの?お前ら」


「あ?なんだお前、お前には関係な……い…」


そいつは振り向きながらそう言った
が、翼の顔を見て男達3人は顔が青ざめていた。


「ひっ!お、お前は…!」


「も、もしかして…今日の昼の…!」


「も、もしかしなくても、あ、あいつだ!」


3人はガタガタ震えだした。


「あれ?お前ら今日の昼の…確か、カッスーだったか?…お前らかよ。ほんと懲りないなぁ…、」


あの時もう少し懲らしめておくべきだったか?


まあいい、俺もムカついてきた。


「おい、その子を俺に渡せ」


翼は声を低くしてそう話した。


「は、はい!分かりました…!」


翼はカッスーから少女を受け取り、


「怖かったな、でももう安心だ。あそこにいるお姉さん達の所に行って。」


翼は少女にそう声をかけ、エリ達の元へ行かせた。


「ふぅ、」


翼は少女の安全を確認し、
カッスー達に覇気を放った。さっきよりレベルを上げて…。


すると、カッスー達は耐えられなかったのか、3人共気絶してしまった。


「はぁ、ほんとにこいつらときたら…」


翼はそいつらのその姿を見て、怒りが治まった。


「とりあえずこいつらギルドに持ってくか。」


翼は3人を引きずりながら、エリ達の元へ戻った。






コメント

  • TäMÄ

    カッスーとか笑笑俺と同じ名前やん笑笑

    1
  • ノベルバユーザー349585

    カッスーまたやるかwww

    1
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