《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第8-20話「最終決戦 Ⅰ」

『ヴィルザハードは現在、王国領から帝国領に引き返しております。軌道から考えてヴィルザハード城へと戻っている模様』



 バートリーのもとに《通話》が入る。



「了解」
 と、短く応じた。



 ヴィルザハード城は、だだっ広い緑の平原のなかにある。ただ、平地の上には見えない。まるで人の目から隠れるように、窪地のなかに建っている。今は緑の平原に穏やかな風が吹いているが、ヤツが現われればどうなることかわからない。



「全軍停止!」



 と、バートリーは「風系基礎魔法《風の声ウィンド・ボイス》」で声を広げた。



 帝国軍10万人が集結している。そのうち2万人の魔術師部隊をあずかっているのが、バートリーだ。いちおう大隊の隊長として扱われている。他の部隊の隊長には、あの帝国騎士長のソーディラス・レオもいる。無限に剣を生成するという《製剣》のスキルを持つ男だ。後ろを見渡せば、津波のような騎士の群れが並んでいる。



「クロノ中隊も準備が整いました」
 と、ガルシアの弟である、ロレンスが報告をしに来た。



 もともとケネスを見張らせるために編成させた小隊だった。が、なかには、《鉄面》の異名を持つクロノ・エヴァグ。《黒い鬼火》の異名で帝国12魔術師に名を連ねて、さらには、あのガルシアとの接戦を繰り広げたロレンス・スプラウドもいる。小隊にとどめておくには惜しいので、中隊にくりあげた。



「よろしい」
「すこしお話をしてもよろしいでしょうか?」



「ええ」



「魔神ヴィルザハードを復活させたのは、ホントウにケネスなのでしょうか? オレは学生のころから、あいつのことを知っています。ですが、こんな世界の滅亡を企むようなヤツじゃないというか」



「ケネス・カートルドという人は、非常に良い好青年です。私も彼の性格に難があるとは思いません」



「そしたら、なぜ?」



「魔神ヴィルザハードにたぶらかされた。そう考えるのが妥当です」



「魔神ヴィルザハードを倒したら、ケネスの処刑は取りやめにしていただけますか?」



 ロレンスのその言葉は、友を想ってのことなのだろう。



 処刑。
 結局、逃げられてしまった。
 そのことにバートリーはなぜか、安堵のような気持ちすら抱いていた。



「それでは、世界中の者たちが納得しないでしょう。彼には罪を償っていただかねば」



「あなたは、そのケネス・カートルドに助けられたことがあるはずです」



「そんなことは!」



 思わず、声を荒げてしまった。
 心の動揺をおさえるために、片メガネをさする。
 そんなことは、他人に言われなくても、バートリー自身がイチバンよくわかっているのだ。



 しかし、復活したヴィルザハードは、世界中に災厄を振りまいている。その憎悪は、魔神ヴィルザハードに向けられることはすくない。魔神は憎悪の対象にするには、あまりに強大すぎる。憎悪よりもむしろ、恐怖が勝ってしまうのだろう。人々が憎むのは、ケネス・カートルドという青年だ。魔神を復活させた男……。文字通りの大罪人。



「失礼しました」
 と、ロレンスはうつむいた。



「もう良いでしょう。隊に戻りなさい。そもそもこの戦で、あなたも生きのびれるか、わかりません。この私も」



「はい」
 ロレンスはすごすごと部隊に戻って行った。

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