《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。
第35話「ヘッケラン・バートリーの戦い Ⅱ」
バートリーはこの帝都を覆う呪術から身を守るために、《魔力防壁》を常に発動している状態だ。長期戦になると、バートリーの精神が持たない。魔法を使えば使うだけ、精神的な疲弊を招く。
(どうする?)
ガルシア魔法長官をはじめとする、優秀な魔術師たちは、他の部隊を相手にしているはずだ。呪術に耐性のない帝国騎士や、魔術師たちはノックダウンしている。
(なんとしても、ここは私が抑えなくては)
長期戦は避けたい。
いっきにケリをつけるべきだろう。
バートリーは水系の魔法を得意としていた。その得意の水系で、もっとも威力の高い魔法で仕留めようと考えた。
「水系最高位魔法。《血の凍結》」
血の伯爵という名は、その優秀すぎるスキルから伝播したものだ。が、まさに《血の伯爵》にふさわしい魔法だろう。人間の血をいっきに凍結させて、生命活動を停止させてしまう。
叫び声をあげる間もなく、王国魔術師たちは倒れ伏していく。
「よし……」
胸裏でガッツポーズをとる。
しかし、喜んだのもつかの間。
「ほぉ。ガキのくせになかなか優秀な魔法を使うではないか」
新手だ。
頭は禿げているが白くて長い髪が、まだわずかに生き残っている。アゴヒゲも同様に、白髭が伸びている。老人だとはわかるが、大きな瞳からは深い知性が感じられた。顔の老化具合とは不釣りあいなほど、背筋は正されていた。ハッとした。バートリーの知っている人物だったからだ。知っているというより、風のウワサで聞いたことがあるというほうが正確か。
「王国の呪い師。ゲヘナ・デリュリアスか」
そう言うと、ゲヘナはカッカッカッと木枯らしのように笑った。
「若いガキにまで、このワシの名前が知られているとは嬉しいことじゃ」
トウゼン知っている。
王国6大魔術師の1人だ。
「私は帝国12魔術師が1人。ヘッケラン・バートリーだ」
「ほぉ。すると君が《血の伯爵》というわけか。人は見かけによらんのぉ。まさか、こんなガキとは」
ゲヘナは愉快そうに、アゴヒゲをナでていた。
「お前が、指揮官か」
むこの民を殺された憎しみを込めて、バートリーはそう問うた。
「その通り。まさかまさかの奇襲じゃろう。どうやら上手く成功したようじゃな」
ゲヘナは満足気に周囲を見渡した。
あたりには死人が転がっている。
(どうする?)
ガルシア魔法長官をはじめとする、優秀な魔術師たちは、他の部隊を相手にしているはずだ。呪術に耐性のない帝国騎士や、魔術師たちはノックダウンしている。
(なんとしても、ここは私が抑えなくては)
長期戦は避けたい。
いっきにケリをつけるべきだろう。
バートリーは水系の魔法を得意としていた。その得意の水系で、もっとも威力の高い魔法で仕留めようと考えた。
「水系最高位魔法。《血の凍結》」
血の伯爵という名は、その優秀すぎるスキルから伝播したものだ。が、まさに《血の伯爵》にふさわしい魔法だろう。人間の血をいっきに凍結させて、生命活動を停止させてしまう。
叫び声をあげる間もなく、王国魔術師たちは倒れ伏していく。
「よし……」
胸裏でガッツポーズをとる。
しかし、喜んだのもつかの間。
「ほぉ。ガキのくせになかなか優秀な魔法を使うではないか」
新手だ。
頭は禿げているが白くて長い髪が、まだわずかに生き残っている。アゴヒゲも同様に、白髭が伸びている。老人だとはわかるが、大きな瞳からは深い知性が感じられた。顔の老化具合とは不釣りあいなほど、背筋は正されていた。ハッとした。バートリーの知っている人物だったからだ。知っているというより、風のウワサで聞いたことがあるというほうが正確か。
「王国の呪い師。ゲヘナ・デリュリアスか」
そう言うと、ゲヘナはカッカッカッと木枯らしのように笑った。
「若いガキにまで、このワシの名前が知られているとは嬉しいことじゃ」
トウゼン知っている。
王国6大魔術師の1人だ。
「私は帝国12魔術師が1人。ヘッケラン・バートリーだ」
「ほぉ。すると君が《血の伯爵》というわけか。人は見かけによらんのぉ。まさか、こんなガキとは」
ゲヘナは愉快そうに、アゴヒゲをナでていた。
「お前が、指揮官か」
むこの民を殺された憎しみを込めて、バートリーはそう問うた。
「その通り。まさかまさかの奇襲じゃろう。どうやら上手く成功したようじゃな」
ゲヘナは満足気に周囲を見渡した。
あたりには死人が転がっている。
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