グリモワールハント

えみりあ

グリモワールハント

とある夏の日曜日。俺はいつものように町外れの図書館に来ていた。

子供の頃から恐竜が好きで部屋には標本やらフィギュアやらが飾ってある。

今日は夏休みの自由研究に役立ちそうな資料を探しに来たわけだ。


自己紹介が遅れたな、俺はティラノ・ウォーレン。


東京都の高校に通っている留学生だ。母親が日本人だったこともあり、日本語ができたのでこっちでの生活にはすぐ馴染むことができた。


「ウォーレン、ウォーレンじゃないの!」


この馴れ馴れしい感じで話しかけてきたのは式神アリサ。


俺のクラスメイトだ。


実家は立派な神社で聞いたところによるとかなりのボンボン(お金持ち)らしい。


「なんだよアリサ。図書館は本を探すとこだ。はしゃぐとこじゃないぞ!」


「な、なによ、友達を見つけたら挨拶するのが普通じゃないの! あんたってほんと細かいわねえ。」


「これで神社の娘かよ。聞いて呆れるぜ。」


「何か言った?あんた次私にうるさいこと言ったら呪うわよ!」


「わかったわかった。それにしても神社で育ったおまえが言うと妙に現実的だな」



俺は彼女の言いがかりに納得はいっていないが身の危険を感じ、それ以上突っ込むことは控えることにした。


「ねえねえ知ってる?この図書館には生き物や魔物を封じ込めた本が封印されてるって話。」


他愛もない話から一転、彼女は気になることを言い出した。


ぶっちゃけそんな都市伝説みたいな話微塵も信じてはいなかったが退屈を紛らわす程度にはなりそうだと思った俺は彼女の話を詳しく聞いてみた。



どうやら彼女の話によると偉大なる賢者の子孫がこの図書館の管理人として在籍しており、厳重に警備された隠し部屋にその本が保管されてるのだと噂されている。



「どうせ誰かが作ったオカルトだろ!信じるだけ無駄無駄。ま、アリサにしては面白い話だったけどな」


「な、何よ、人がせっかく話してあげたっていうのに、なら夜に二人で潜入調査して真相を確かめない?」


彼女はどうやらまだその話を信じているらしい。正直そんな話万が一にもあり得ないし、諦めさせるためにもその話に乗ることにした。



「いいぜ。もし本当じゃなかったらアイス奢りなアリサ。」


俺は勝手に約束を取り付け、図書館から必要な資料の貸し出し手続きをしたあと図書館を後にした。



約束の時間は夜の10時。今は夜の7時で時間がまだあるため家で課題を進めることにした。



もし、彼女の言うことが本当なら恐竜も本に封印されているってことなのか?


でも歴史では天変地異で絶滅しているはずだし封印できたとしてもその時代に人間いるはずがない。



頭の中で科学的な理由をつけ、やはりオカルトの域を出ないと思いながら課題を進めた。




続く...


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