アメーバ転生~異世界転生した死刑囚~R15ver

堕愚斗

第3話進化そして新たなステータス


俺は、アースアメーバに進化する事にした。
そう思って念じると、身体が熱くなる。
この感覚は、ナイフを刺された時の感覚に似ている。
俺は日本では連続殺人鬼だが、いつも一方的に虐殺できたわけではない。
これまで何度か、思わぬ反撃にあった事もあった。
例えば、ある一家を皆殺しにした時の話だが、その一家は父親と母親、娘の3人家族だった。
俺は宅配便に扮して堂々と玄関から侵入。
まず応対に出た母親の胸にナイフを一突き。
母親は口から血を吐きながら倒れた。
次に別のナイフを取り出し、父親の首をかき切った。頸動脈を断ち切った様で、父親は首から噴水の様に血を撒き散らしている。
余談だが、俺は殺しをする時は、万が一にも返り討ちに合わない様常にナイフは最低5本、催涙スプレーに改造銃などを携帯している。
そして殺しの前に、必ずシャブを使い多少の傷なら動ける用意をしている。
しかし最後に娘を殺す時、俺は完全に油断した。
娘に馬乗りになり、首を締め嬲り殺しにしているところに、母親は自分の胸から引き抜いたナイフを、俺の背中に突き刺した。
痛いよりも熱いと言う感覚が先にきた。
母はそのまま力尽きて動かなくなり、娘もその頃には事切れていたが、俺は大怪我を負った。
幸い急所を外していたせいか、シャブを使っていたせいか俺はなんとか動け、応急処置をして、俺の血と一家の血に塗れた家を焼き払った。
これはあの時の感覚に似ている。
あれは、俺が母親の死を確認せずに遊んでいた俺がバカだったが、今はそんな事はどうでもいい。
とにかく熱い熱い熱い。
あの時は熱かったのは、ナイフが刺さった箇所だけで、他の部分は痺れたような感覚だが、今は全身が熱い。
だがしばらくすると徐々に収まっていき、俺の身体の色も今まで半透明から深緑に変化する。
そして完全に収まり、ステータスを確認してみる。

固有名 なし

種族 アースアメーバ(進化数1)

Level1

HP12/12

MP9/9

力5

耐久9

敏捷7

通常スキル

土魔法Level1

固有スキル
神託
マナ吸収Level1

称号
転生者

進化によってかなり強くなった気がするが、さっきと比べての話だ。
微生物同士の強者なんか、ゴミに等しい。
新しい発見は、種族の横に進化数がついた事。
そして土魔法。
なかなかファンタジーな世界に、ワクワクしてる俺がいる。
オラワクワクしてきたぞ(笑)
これは、次の戦いで試してみよう。
それにしても、固有名か。
名前自分でつけてみようかな。
俺は逃亡生活中に、色々な偽名を使いすぎて、あまり元の名前に愛着がない。

エリローズ「名前私がつけて差し上げましょうか?」

ふざけんな、絶対イヤだ。
つーか呼んでもねえのに出てくんな。
俺はこの数時間で、身の毛もよだつ様な恐ろしい声からすっかりただのイラつくだけの声になってしまった、邪神に思い切り、苛立ちをぶつけた。

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