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幻想自衛隊 ~我々は何を守るべきか~

メガネ2033

第3話 着いた先は幻想郷!!part2

2023年8月14日 pm7:15 旗艦いずも会議室 (古賀海将視点)


「まず、海自艦艇から照明弾を上げていただきます。照明弾は昼間に打ち上げてもよく目立ちますから、照明弾を上げればここがよほどの辺境でもない限り付近の住民が気付き確認に来るものと思われます」


「ええ、確かに照明弾であれば付近の注意を引くことはできますが…それでは艦隊の位置が露呈してしまいます」


”とわだ”艦長の宮津一佐が不安そうに意見すると伊藤一佐は丁寧に説明を続けた


「むしろそれが狙いです。本艦隊が発見されればこちらから上陸せずにこの国の警察や軍隊等の行政機関とコンタクトがとれると言う訳です。この国の軍隊又は警察機関が到着した際は相手国の行政の代表をヘリで本艦”いずも”に寄越すよう要求しこちらの置かれた状況を説明や攻撃の意思がないことを伝えるのです」


なるほど、この方法であれば相手を不用意に刺激する危険性は少ない。この状況下では最も合理的かもしれない


「もし仮に問答無用で攻撃してくるようなことがあれば自衛隊法に明記されてる武器等防護及び緊急避難を根拠に現場判断で個別的自衛権を行使し応戦します。また、相手国の代表が来た場合、隊員の安全確保のためにできるだけ多くの隊員に拳銃などの個人防御火器を携帯させます。以上が陸上自衛隊の意見です。いかがでしょうか?」


沈黙が会議室を包み込む


「君たちは正気か?現場判断で個別的自衛権の行使だと!?政府の許可なく勝手に他国と戦争を始めるつもりか!」


意見を聞き終えた稲垣一佐は開口一番、否定的な考えを示した。周りの海自幹部の内の何人かも稲垣一佐の考えに同意し、政府の命令の無いまま武力を行使することについて消極的な意見が出た

もしかすると彼らは武力行使に対してある種のアレルギーを持っているのかもしれない…もしくは戦闘の可能性を極力減らしたいかだろう



一方で田中一佐以下、多数の幹部は陸自の意見に賛同した

彼らの多くは自衛権の行使は必要なものと考え、なおかつ自分たちが出した案よりもよほど計画的で実現性のある陸自の案に賛成するというものが大半であった


ここで海自派遣艦隊の指揮官を務める私に”いずも”艦長の秋津一佐が意見を求めてきた


「私としては陸さんからの提案が一番安全で現実的だと思う。私としてはこれで行きたい!異論のある者は今この場で発言してほしい」


私の言葉を聞いた各艦の艦長以下幹部たちは黙りこんでしまった。

あれ?発言を促したはずなんだけどな…


「え~異論はないと受け止め陸自の案を採用することとする。ただし、作戦決行は明日0800(マルハチマルマル)とし、付近住民が一番活動してるであろう午前中に照明弾を打ち上げる。異論があるものは?」


周りを見渡すが意見がありそうな幹部はいなかった


「ではこれにて今回の会議は終了とする。解散!」






2023年8月15日  am8:00 ”いずも”艦橋  (秋津一佐視点)


「0800(マルハチマルマル)艦長、時間です」


副長が私に作戦開始時間となったことを伝える。この作戦が万が一にでも失敗すれば艦の乗組員に危険が及ぶ可能性も否定できない。乗組員の命を預かる艦長としてそれは断じて許容できない


「よし、照明弾発射はじめ。総員配置に着け!」


総員配置の指示は直ちに復唱されCICに伝達されると、すぐさま艦内アラームが鳴り響きクルー達が慌ただしく戦闘配置につく。と同時に本艦より照明弾が打ち上げられた


作戦の指揮官として照明弾が無事に上がったことを確認することはできた。後はCICに下り万が一の場合に備えて戦闘指揮を執らねばならない


「私はCICに行ってくる。副長、艦橋を頼むぞ」


「了解しました」


「艦長降りられます!」


副長を始めとするクルー達の敬礼に送られ俺は艦橋を後にした















2023年8月15日 am8:00  博麗神社境内


「あぁ、新聞のネタがない…霊夢れいむさん何かいい情報知りませんか」


古びた神社の賽銭箱を覗き込む巫女服を着た少女に一眼レフカメラを構えた少女が詰め寄る


「そんなの知るわけないじゃない。自分で探しなさいよ」


霊夢と呼ばれた少女はそれまで適当な相槌を打っていたが、賽銭箱の中身が昨日と変わっていないことに気付くと深いため息をつきながらぶっきらぼうに言い返した。

明らかに邪険にされてもカメラを持った少女がへこたれる様子はない。むしろ嬉々として質問をしていいる。その姿は古い一眼レフカメラもあいまって日本にもよくいるマスコミを彷彿とさせた


しつこい少女の質問に霊夢もいい加減、面倒になってきたころ不思議なものが目に入った


「あれ、何かしら?」


霧の湖の方向に朝っぱらから輝く火の玉のようなものが打ちあがり、失速するとゆっくりとした速度で地面に向け墜ちていく。


はて?幻想郷にあのような不思議な弾幕やスペルカードはあっただろうか?


「これは特ダネの予感がします!霊夢さんありがとうございました」


不思議に思っていると特ダネを求めていた文あやが案の定食いつき、背中に生えた黒い羽根を開き凄い勢いで飛んでいった。


彼女が見に行けば大丈夫だろう


少女を見届けた霊夢は作業の前に用意しておいたお茶を飲むため縁側へと向かっていった
















2023年8月15日 am8:02 旗艦”いずも” CIC  (秋津一佐視点)


「これは!?艦長、レーダーに反応あり本艦の左90度高速で接近中の目標を探知。ミサイルシーカーロックなしIFF応答なし速度からして航空機の可能性が高い」


来たか、まさかいきなり航空機が来るとは…少し想定外だがこれくらいは誤差の範囲だ。


「目標との距離を報告せよ」


「本艦との距離6000m。なお近づく」


カポックに鉄帽を装備したレーダー士がディスプレイから目を離さずに報告する


「目標の種別を目視で確認せよ。航空機だった場合本艦へ誘導、ミサイルの場合は撃墜せよ。作戦通り進めろ」


「う~ん…」


ディスプレイを睨んでいた砲雷長が唸っていた。このタイミングだ、防空担当の彼が不審に感じたことがあるならば見逃すわけにはいかない


「砲雷長どうした?」


「いや実は目標はレーダーに映ってはいるんですがレーダーの反射面積が小さいみたいでして」


「単に小型の機体なんじゃないか?」


「いえ、小型機でももっと大きく映ります。こんなに小さく映るにはF-35のような機体じゃないと…」


「まさかステルス機だというのか!」


「わかりません。ですが一応、国際緊急無線で敵対する意思はないことを伝えるべきではないかと」


「わかった。国際緊急無線でこちらに交戦の意思はないと伝えろ。英語、中国語、ロシア語、スペイン語何でもいい。できるだけ多くの言語で伝えろ」


「目標との距離4000m」


その報告を受けて秋津は無電池電話を取り艦橋に繋いだ


「見張り員、まだ確認できないのか」


「現在本艦3時方向に厚い雲がかかっておりまだ確認できません。ジェットやヘリのエンジン音も聞こえません」


「目標との距離1000m、あと数分で本艦上空を通過します。なっ!?目標停止!恐らくホバリングしたものと思われます」


「なに?目標は回転翼機かVTOL機だというのか…艦橋確認できるか?」


MV-22オスプレイのような非武装機の可能性もあるがAV-8ハリアー攻撃機であったりしたら目も当てられない。この距離で発射された対艦ミサイルを落とすのは米海軍でも無理だ

早急な確認が必要とされた


「艦橋よりCIC。目標を確認。信じがたい事ですが目標は人間です!生身の人間が空を飛んで…」


「ふざけるな!生身の人間が空を飛ぶわけないだろう!左舷側の船外カメラ映像を出力しろ。それと万が一に備えてCIWSの起動準備だ」


人間は生身で空を飛ぶことができない。こんなことは小学生でも理解している

しかし、数秒後にモニターに現れた画像はミサイルや航空機ではなく空中を飛翔する人間だったのだ


「そんな馬鹿な!砲雷長、私は甲板に行ってくる。CICを頼んだぞ」


そう叫びヘットセットを投げ捨てるような勢いで外し私はCICを後にした。













2023年8月15日 am8:05 護衛艦隊 上空 (文視点)


博麗神社を飛び出して照明弾の正体を求めてやってきた文にとって目の前の光景は宝の山そのものであった。

正体不明の船が何隻も霧の湖に停泊している。明らかな異変に違いなかった

しかし、スクープに飢えた記者が多少のリスクを冒さないわけもない


「これは10年に一度、いや百年に一度のの大スクープになりそうですね。さて、この場合どの船に行くのが正解か…おっ?あの光をこちらに向けている船がよさそうですね。」


何隻かある船の中でもとびきり大きい船を目指して文は降下していく。それが護衛艦隊の旗艦であるということに気が付いたのはもっと先の話ではあったが














2023年8月15日 am8:06 旗艦”いずも”甲板


「艦長、発光信号が通じたかもしれません。目標、本艦に急接近!距離200m来ます!」


信号長が無線に向かってそう叫んでから数秒もたたないうちに彼女は甲板へ降り立った。

緊急招集された臨検隊員が腰から拳銃を抜こうとするのを古賀司令が手で制した。

そしておもむろに彼女に近ずきこう言った。


「ようこそ、護衛艦‘‘いずも’’へ。私はこの艦隊の最高指揮官をしている古賀峯一です。こっちは本艦‘‘いずも’’艦長の秋津一佐です。どうぞよろしくお願いします」


「艦長の秋津です。宜しくお願いします」


そう言って古賀司令と秋津一佐は順番には握手を求めた。すると彼女は笑顔で艦長の手を握りこう言った。


「私は幻想郷で新聞を書いています。射命丸文しゃめいまるあやと言います。どうぞよろしくお願いします」



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