魔術学院最下位の俺が最強スキル絶対真眼を手に入れちゃいました。~必ず首席で卒業してみせる~

一条おかゆ

プロローグ 2.0 神々からの贈り物

「うーん……」

 何故か目が覚めた。
 目の前に広がるのは一面の白い空間。
 家具や道具は何も無く、奥がどこまで続いているのかもわからない。
 本当にただただ白いだけの空間。

 ここはどこなんだ? 
 俺は死んだんじゃないのか?

「目が覚めましたか、アベル・マミヤ」

 ……誰だ!
 俺は背後を振り返る。
 そこにいたのは純白の天使だった。

 広げられた4枚の真っ白な羽根に、人としてはあまりにも美し過ぎるその美貌。
 灰色の髪に、汚れ一つない白い肌。
 一目見ただけで、俺は彼女の事を天使だと思った。
 そして、

「私は人の世を統べる神々、その御使いたる天使です」

 俺の考えは間違っていなかった。

「……あの天使って事は……俺、死んだんでしょうか?」

 俺は当然の質問をした。

「そうですね。あなたは死にました」
「……そう、ですか」

 正直実感は無い。

「あなたにも様々な後悔があると思います」
「後悔……」

 ぱっと考えるだけでもたくさん出てくる。
 魔術を学ぼうが、結局勝てなかった。
 バイト先の人達には迷惑をかけてしまう。
 そして――

 カレンはこれからどうするんだろうか?

 カレンには自分と違って才能がある。
 それを棒には振ってほしくない。
 俺に残されたたった一人の家族なんだ、大切に決まっている。
 もしカレンが俺の後追いをしたり、お金を稼ぐために……。
 考えるだけで嫌になってくる!
 だから、だからこそ、

「あの、お願いします! カレンを、カレンを幸せにしてください!」

 みっともない土下座。
 こんなの人には見せられない。
 でも、俺は死んだんだ。
 こうしてでも今は頼むしかない。

「落ち着いてください、アベル」

 俺はそれでも頭を上げない。

「確かにあなたは死にました。しかし偉大なる神々はあなたにチャンスを与えることにしたのです」
「え……っ!?」

 俺の顔だけが上がった。

「どうやら人々にスキルを与えている神の衰え、そしてそれによる手違いがあった様で神々はあなたに2回、スキルを与え損ねてしまったのです」
「……それは、どういう?」
「人間には生まれ持ってのスキルがあります。まずは、それを与え忘れてしまったということです」
「なっ!」

 そんな下らないことで俺は……ッ!!
 毎日のように流した汗と涙はそんなことが原因だったのか……。

「でも、それなら……」
「言いたいことは分かります。努力してスキルを手に入れようとした、ということですね」
「……はいっ」
「もう一つには最初からスキルがなかったため、何を与えればよいのかわからなかったのです」
「……」

 ふざけるんじゃない。

「本来ならスキルは、生まれる瞬間に与えるべきか、努力に応じて与えるべきです。しかしあなたには一つもスキルが与えられませんでした。だからこそ神々は、あなたにスキルを与えて生き返らせることに決めたのです」

 今更過ぎるだろ。

「そしてもう一つ得点を与えることにしました」

 何もかも遅すぎる。

「もし学院を首席で卒業した場合、あなたの望みをなんでも一つ叶えることとなりました」

 下らない。
 何が望みだ――――

 しかし唐突。
 俺の頭に電流が走った。
 ……そうだ。
 思いついた。

「……貰えるスキルはどうやって決めるんだ?」

 俺はおもむろに立ち上がる。
 しっかりを地を踏む両足、決意の炎を燃やす瞳――
 さっきまでの自分が嘘のようだ。

「これまでの、そしてこれからのあなたの人生に即したものとなるでしょう」
「わかった。なら早く頼みたい」
「わかりました。それではあなたに神々の加護を与えましょう」

 そう言うなり天使は目を閉じ両腕を広げる。
 それによってどこからともなく光が現れ、俺の身体を包んでいく。
 光はいずれ全身に覆い被さり、同時に何かが身体に溶け込んでくる感覚がする。

 だがそんなことはどうでもいい。
 今この瞬間、俺は心に決めた。
 学院を首席で卒業する。
 そして――

 『俺が神になる』

 そうすれば俺のようにスキルを持たない人間を無くせるはずだ。
 そして、もうそんな下らないことで悲しむ人間はいなくなるはずだ。
 俺の決意は固い。

 必ず、俺は神になって見せる――

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