神聖具と厄災の力を持つ怪物
九十一
ウロボロスを見据え、次にミレイは、足に力を込める。
すると、爆発的な速度で駆け出した。
「あんた達、援護任せたわ!」
続けて、シングは右から、ヴェルストは左から回り込むように走って向かっていく。
ウロボロスは、正面から向かってくるミレイに狙いを定める。
だが。シングが、鋭光の槍から光子の棘を伸ばして、ウロボロスを貫いた。
攻撃はすり抜けるが。
ウロボロスは、黒いブレスを吐いて反撃しようとする。
そこへ。「リベレイション!」ヴェルストは、ナイフに纏った風を放ち、斬撃を当てていく。
すると、狙いが彼へ変わり、ブレスが放たれた。
ヴェルストは横に跳んでかわす。
ミレイはその間に、距離を詰めていた。手に持つ断罪の大斧は光を放っている。
彼女は、大斧を振るい光の斬撃を放つ。
巨大な斬撃は向かっていき、ウロボロスに迫る。
その時、「光よ、あしき者を照らしたまえ······!」とアイリスの声が響いた。
光でディザスターごと、一面は照らされる。
影のように揺らいだ、ウロボロスの輪郭がはっきりとした気がした。
光の斬撃は、そのまま確かに、命中する。
ウロボロスの体液が飛び散っていく。
「やったわ!」
ミレイは思わず声を上げる。四人も明るい表情だ。
その時、ウロボロスは身体を闇化させ実体をなくした。闇は嵐のように吹き荒れるのだった。
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