お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

4人の目標





 「じゃあ、次、りょうちゃん!」

 まゆにバトンタッチされて次は僕の番、来年の目標と来年したいことか…なんだろうな。ありすぎて困る。

 「とりあえず来年の目標は車の免許取ります。あと、料理とかちゃんとできるようになりたい。春香とまゆとゆいちゃんに頼ってばかりだし…」
 「気にしなくていいのに…元々、りょうちゃんのお世話するために同居することにしたんだから…」
 「じゃあ、りょうちゃんにはまゆが料理を教えてあげよう」
 「え、あ、ずるい……え、えっと、りょうちゃんが料理できるようになりたい。って言うことはいいことだから私も教えるもん。まゆちゃんだけ抜け駆けしないで…」
 「私もりょうくんに料理教える〜」

 このあと、誰が料理を教えるかでちょっと揉めた。まゆとゆいちゃんは教えるの適当そうだから私が教える。と春香が言うと、昔から僕と料理する機会があったのに僕が料理できないのは春香ちゃんのせい。と言うまゆとゆいちゃん、結構本気で揉めそうだからみんなで教えてよ。と僕は頼む。すると、みんな笑顔でいいよ。と言ってくれる。優しい。

 「来年したいことは…うーん。みんながしたいことをたくさん叶えてあげたい」

 来年だけじゃないけど…これから先、ずっと、僕が大切にしたい人たちにしてあげたいことを伝える。春香もまゆもゆいちゃんも笑顔でありがとう。と言ってくれた。

 「じゃ、じゃあ、最後は春香ね」

 みんなが笑顔でありがとう。って言ってくれた後、なんか照れ臭くなって慌てて春香に話題を振った。春香はちょっと考えてから口を開く。

 「来年の目標は…ずっと笑顔でいること…かな…わ、私1人だと絶対に叶えられないから…えっと、みんな側にいてね……みんなが側にいてくれたら…私、笑ってられるから…」

 もじもじした感じで春香にそう言われた僕とまゆとゆいちゃんは涙腺崩壊しかけた。春香が尊い……

 「えっと、ね…来年したいこと……は……うーん。私も、まゆちゃんみたいに、したいこと…いっぱいあるな……えっと、だから…とりあえず、みんなでずっと一緒にいたい…な……」

 ちょっとだけ照れながら言う春香がかわいくて、尊くて、春香にそう言ってもらえたことが嬉しすぎて幸せすぎて、僕とまゆとゆいちゃんは涙目で春香に抱きついた。

 来年もみんなでずっと一緒にいよう。みんなで、ずっと幸せでいよう。みんなでいっぱい思い出を作ろう。と4人で4人の来年の目標を立てた頃には年越し数分前の時間になっていた。







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