お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

ゆいちゃんへのプレゼント





 「りょうくん、話って何かな?も、もしかして…陽菜を好きになった…とか?わ、私、捨てられる?」

 部屋に入って来た瞬間、ゆいちゃんが涙目でそう言い出したのを聞いて僕は慌ててそんなことしないよ。とゆいちゃんに声をかけるがゆいちゃんは泣き止んでくれない。

 「ゆいちゃん、本当にそんなことしないからさ。安心してよ」
 「そんなことしない。って言える根拠は?」
 「根拠って…」

 どうやって答えればいいのだろう。絶対にゆいちゃんを…春香とまゆを裏切らない。と言えばいいのだろうか。

 「抱きしめて」
 「え?」
 「抱きしめて、私のこと大好きって証明して」

 困っていた僕にゆいちゃんはそう言って僕の側に歩いてくる。僕は迷わずゆいちゃんを抱きしめる。

 「ゆいちゃん、大好きだよ。これからも僕の側にいてね」
 「うん。もちろんだよ」

 僕が抱きしめるとゆいちゃんはめっちゃ幸せそうな笑顔付きで答えてくれた。かわいすぎる。

 「話って言うか…えっと、クリスマスプレゼント用意したからゆいちゃんに渡したかったんだ」

 そう言ってゆいちゃんへのプレゼントを手に取ってゆいちゃんに渡す。

 「そんな…プレゼントなんていらないのに…りょうくんの側にいれて、りょうくんに抱きしめてもらえるだけで私は十分すぎるくらい幸せなのに…」
 「いいから、受け取ってよ。ゆいちゃんのおかげで僕もすごく幸せだからさ。そのお返しだよ」
 「ありがとう。いただきます」

 ゆいちゃんはそう言って僕からのクリスマスプレゼントを受け取ってくれた。ゆいちゃんに開けていい?と聞かれたので、もちろん。と返事をする。

 「綺麗…」

 クリスマスプレゼントの箱を開けて、ゆいちゃんは中身を大切そうにそっと手に取って自身の首元にそっと置いた。

 「似合うかな?」
 「素敵だよ。すごく綺麗で似合ってる」

 ちょっと子どもっぽい(胸以外)ゆいちゃんだが、クリスマスプレゼントのネックレスを身につけると、ネックレスの輝きと相まっていつもより大人びた感じがする。

 「気に入ってくれた?」

 スマホのカメラを内カメラにしてゆいちゃんにネックレスを付けた姿が見れるようにしてからゆいちゃんに尋ねるとゆいちゃんは、うん。ありがとう。と素敵な笑顔付きで言ってくれる。

 「け、結婚式の時とか、大事な時は絶対付けるようにするね」

 結婚式って…どれだけ先の話をするんだよ。って思ったけど、僕もゆいちゃんも将来、結婚式をしない未来があるかもしれないことなんて考えなかった。結婚式をする未来しか見据えられないくらい今が幸せだから。

 「りょうくん、私を彼女にしてくれてありがとう。私を幸せにしてくれてありがとう。こんな私だけどこれからもお願いします」

 クリスマスプレゼントのネックレスを大切そうに手に取りながらゆいちゃんは僕に彼氏として最高に嬉しい言葉をプレゼントしてくれた。

 「こちらこそ。僕の彼女になってくれてありがとう。僕を幸せにしてくれてありがとう。これからも、みんなで幸せでいよう」

 僕も、ゆいちゃんに言葉で、感謝を伝える。これからもよろしくお願いします。とこれからずっと一緒にいる未来を描きながらゆいちゃんに言って、ゆいちゃんをそっと抱きしめた。







 

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