お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

まゆへのプレゼント





 「で、まゆを部屋に呼び出して何の用かなぁ?まゆがかわいすぎていろいろいじりたくなっちゃったとか?」
 「ち、違うよ…」
 「うん。知ってる。りょうちゃんにまゆを好き勝手する度胸ないもんね。なのに顔赤くして慌てちゃってかわいいなぁ」

 そう言いながらまゆは僕の隣に座って僕の肩にもたれかかってくる。めっちゃかわいい。僕がまゆの頭を撫でてあげるとまゆはめっちゃ幸せそうな表情を僕に向けて座っていたベッドで足を伸ばして僕の膝の上に頭を乗せる。

 「まゆ、さっきはごめんね」
 「いいよ。気にしてないから。でも、次、同じようなことしたら怒るから。りょうちゃんはまゆと春香ちゃんとゆいちゃんの彼氏だってことちゃんと自覚してよ」
 「うん。わかったよ。ごめんね」
 「わかってくれたならもう謝らなくていいよ。そんなことよりもっと頭撫でてよ」
 「はいはい。甘えん坊さんめ…」
 「えへへ」

 もう、何、この生物、可愛すぎるでしょ。

 「まゆ、これ、まゆへのクリスマスプレゼント」

 まゆの頭を撫でるのを止めて、用意していたクリスマスプレゼントをまゆに渡す。

 「ありがとう。すごく嬉しい。開けていい?」
 「もちろん」

 さっきの春香と同じようにまゆはすごく丁寧にクリスマスプレゼントを開けてくれる。

 「これって…」
 「バイト行く時にまゆがいつも見てたからさ。まゆにすごく似合いそうだからバイトの休憩時間に急いで買ってきた。まゆにバレないように一回みはね先輩に持って帰ってもらって後日受け取ったりして大変だったよ」

 まゆにそう言うとまゆは笑いながら立ち上がってちょっとだけ後ろ向いててと僕に言うので、僕は後ろを向いた。ごそごそと言う音が聞こえ、少しするとこっち見て。と言われたのでまゆの方を振り向く。

 「どう?似合う?」
 「めっちゃ似合ってるよ」

 さっそく、僕がクリスマスプレゼントであげた洋服を着てくれていた。バイトに行く途中、ショッピングセンターを歩く度にまゆが見つめていたから。そんな理由だけど、すごく喜んでくれてまゆにこの洋服をプレゼントしてよかった。と本気で思えた。






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