お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活
プレゼント交換
 「じゃあ、そろそろプレゼント交換やろうか」
 何回か席替えをしたりしてみんなで盛り上がりながらごはんを食べて食事のペースが落ちてきたタイミングでりっちゃんさんが提案する。タイミングが完璧すぎて尊敬する。
 というわけでみんなが持ち寄ったプレゼントをりっちゃんさんが集めてりっちゃんさんがプレゼントに適当に番号を書く。
 「じゃあ、今からくじを引いてくじに書かれた番号のプレゼントを持っていってね」
 そう言いながらりっちゃんさんは小さな箱を持って移動してみんなにくじを配る。ちなみにプレゼントには誰からのプレゼントかわかるように名前が書いてあるので誰からのプレゼントを貰えて、どんなプレゼントがもらえるのかすごく楽しみだ。
 「ねー、みーちゃん、これ、何?」
 くじを引いてりっちゃんさんのかけ声でプレゼントを開けた後、まゆがみはね先輩に尋ねる。まゆの腕には謎の生物のぬいぐるみが抱かれている。まゆ+ぬいぐるみ=かわいい。が当たり前だと思っていたが、今回だけはそうでなかった。
 「かわいいでしょ。プレゼント探ししてる時に一目惚れしちゃったからこれにしたの」
 はしゃぎながらみはね先輩はまゆが抱える謎のぬいぐるみをツンツンしたりして可愛がっていた。その間、まゆは何とも言えない表情をしていて少し面白かった。
 「まゆちゃん、大切にしてあげてね」
 満面の笑みでまゆに言うみはね先輩を見て、まゆはやれやれ。と言う様子でわかったよ。ありがとう。と答えて謎のぬいぐるみの頭を撫でていた。
 「春香、ありがとう」
 「どういたしまして。男の子でも使いやすい香りにしたからよかったら使ってね」
 「うん。大切に使わせてもらうね」
 春香が好きなちょっと甘い感じの香りがする香水を大切に包んで再び箱にしまう。今度デートの時に使わせてもらおう。
 春香からのプレゼントを受け取り、僕のプレゼントは誰が持ってるかな?と思って周囲を見渡すと陽菜がツンツン。と背後から指でつついてきた。
 「りょうちゃん、ありがとう」
 「陽菜のところに行ったんだ。よかった。春香とまゆとゆいちゃんはお気に入りのやつがあるから3人のところに行ったらどうしよう。って不安だったんだ」
 そう言って男の子と女の子、どちらでも身につけられそうなマフラーを抱えた陽菜を見つめる。
 「つけて…」
 「ん?」
 「せっかくだからりょうちゃんが陽菜につけてよ」
 「うん。いいよ」
 幼馴染みのノリで陽菜からマフラーを受け取り、陽菜にマフラーを巻いてあげる。昔はよく陽菜のあれして。これして。に振り回されていたからマフラーを巻いてあげるくらい安いものだ。
 そう思っていたのだが……
 春香とまゆとゆいちゃんとりっちゃんさんの視線がめちゃくちゃ怖くて雰囲気はぶち壊し。クリスマスケーキをすごく気まずい状況で食べて解散となった。不覚だった…
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