お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

電話





 「で、誰なの?」

 クリスマス会が始まってみんなでごはんを食べながら盛り上がっている最中に席替えが行われてまゆはみーちゃんの隣に座ることになったので単刀直入に聞いてみた。今日、バイトの人手足りなくてすごーく大変だったからこれくらい聞いてもバチは当たらないと思う。

 「な、内緒…だもん……」

 顔を真っ赤にしてまゆから目を逸らすみーちゃんがかわいい。乙女かよ。

 「さきちゃんもみーちゃんがどんな人に恋してるか気になるよね」
 「え、あ、え、あ、はい……」

 私に話題振らないでよ。とまゆに訴えかけるような目をさきちゃんに向けられて少しだけ申し訳なくなる。ごめん…

 「あ、ごめん…ちょっと電話」
 「え?もしかして例のお相手!?え、せっかくだし呼んであげたら!?」
 「ち、違うから…変な詮索はしないで…」

 めっちゃ恥ずかしそうにスマホの画面を両手で隠してソワソワして顔を赤くちょっと表情が緩んでいるみーちゃんを見ているとまゆはニヤついてしまう。あれは絶対、例のお相手からの電話だと言うことが丸わかりだ。

 ついにみーちゃんにも春が訪れたのか…ずっとリア充羨ましい。ってみーちゃんに言われ続けていた身としてはみーちゃんをあんなに幸せそうにさせてくれている存在が現れたことは素直に嬉しい。是非ともみーちゃんと結ばれて幸せになって欲しいしみーちゃんを幸せにしてあげて欲しい。とまゆは考えながら目の前に置かれていた唐揚げを口に運ぶ。嬉しいことがあった時の食事はいつも以上に美味しく感じる。

 さきちゃんと側にいたゆきちゃんとお喋りをしながら食事を楽しんでしばらくするとみーちゃんが戻って来た。みーちゃんの足取りはすごく軽くてみーちゃんの表情は幸せ最高潮という感じだった。

 「みーちゃん、何かいいことあったの?」
 「え、な、何もないよ…」
 「嘘つかないの。幸せすぎて死にそう。って顔に書いてあるわ」
 「な、何それ……」

 そんなバカみたいなやり取りをしているとみーちゃんは先程のようにまゆの隣に座る。

 「で、どうしたの?何があった?」

 今度は小声でみーちゃんに聞いてみる。するとみーちゃんは顔を赤くしてもじもじしながら実はね…と言って何があったかを教えてくれた。

 「今、ある人から電話来てね。あ、明日もお出かけしないか。って誘われちゃったの!」

 めっちゃ幸せそうな表情でみーちゃんが話してくれるのを聞いて、本当に応援してあげたくなる。ていうかクリスマスイブとクリスマス当日、どっちもデートに誘われるって完全に脈ありじゃん。もしかしたら明日告白されるんじゃない?とか思いながらみーちゃんの話を聞く。みーちゃんは本当に幸せそうにお相手との話を濁しながらだけどいろいろ聞かせてくれて、話を聞いていたまゆまで幸せな気持ちになっていた。







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