お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

ゆいちゃんとお料理





 「えへへーりょうくんとお料理だぁ♡」

 めっちゃデレデレな様子でエプロンを身につけるゆいちゃんが最高にかわいい。

 「ねー、りょうくん、届かないから後ろの紐結んでぇ」

 はい。かわいい。最高にかわいい。嘘じゃなくて本当に結べないのがまじでかわいい。

 「りょうくん、お返しにエプロンつけてあげる」

 そう言いながら笑顔で鼻歌を歌いながらエプロンをつけてくれるゆいちゃんがまじで天使すぎる。大好き。

 「はい。りょうくん、手洗って」
 「はーい」
 「じゃあ、りょうくん、にんじんの皮むきお願い」
 「はーい」

 ゆいちゃんの指示に従って手を洗った後、僕の後に手を洗っていたゆいちゃんが軽く洗ってくれたにんじんを僕に渡す。最近、ゆいちゃんと2人で料理をする機会が増えたおかげで野菜を切ったり皮むきをするのは前より上手くなった。

 「りょうくん、皮むきとかだいぶ上手くなったよね」

 僕の隣でじゃがいもの皮むきを僕の倍くらいのスピードでこなしながらゆいちゃんが褒めてくれた。

 「最初の頃なんかにんじんの皮むきで指切ってたからかなり心配だったけど、今は安心して任せられるよ」

 今思えば、どうやればにんじんの皮むきで怪我をするのだろう?と思うが、少し前の自分はにんじんの皮むきで軽い怪我してゆいちゃんにめっちゃ心配されていたが、今はゆいちゃんは何の心配もしないでじゃがいもの皮むきをしているからちょっとだけ自分は成長できたのかな。と思える。

 でも、少しだけ上達したから、ゆいちゃんや春香やまゆがどれだけすごいかよくわかる。ゆいちゃんなんかピーラー使わないで包丁でじゃがいもの皮むきをめちゃくちゃ早いスピードでやっちゃうから本当に尊敬できる。

 ゆいちゃんとの料理のレベルの差を感じながらゆいちゃんのお手伝いをして料理のコツとかを教えてもらう。

 「りょうくん、料理で1番大事なものは何か知ってる?」
 「愛情?」
 「正解。よくわかってるじゃん」
 「春香とまゆに教えてもらったから」

 結構前の出来事だけど、春香もまゆも料理は愛情込めて作ったら美味しくできる。と言っていた。だから、毎日美味しいごはんを食べる度に僕は本当に幸せ者だなぁ。と思えたりする。

 「りょうくん、料理、楽しい?」
 「ゆいちゃんとする料理は楽しいよ」
 「えへへ。ありがと。料理をする時ね。食べて欲しい人が喜んでくれる姿を想像するともっと楽しくなるよ。私はいつもりょうくんと春香ちゃんとまゆちゃんが喜んでくれる姿を想像してるんだ。よかったらりょうくんもやってみて」

 そうやって、ゆいちゃんに言われたから春香とまゆとゆいちゃんの姿を想像してみた。たしかに。すごく楽しくて、楽しみだった。

 料理が出来上がってしばらくすると春香が帰ってきてまたしばらくするとまゆが帰ってくる。4人で夜ご飯を食べて春香とまゆとゆいちゃんが幸せそうな表情をしているのを見て、僕も幸せになった。






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