お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活
忠告
 「陽菜ちゃん、おはよう。具合はどう?」
 陽菜が目を覚ますと春香ちゃんが優しく陽菜に声をかけてくれる。陽菜のすぐ側ではりっちゃんさんが陽菜を抱きしめて眠っていた。
 「ちょっと気を張りすぎて疲れちゃってたのかな?夜ご飯食べてちょっとお話を聞いてたら寝ちゃったんだ」
 春香ちゃんが状況を説明してくれる。陽菜、りっちゃんさんにいっぱい心配かけて、いっぱい迷惑かけたから…りっちゃんさん、疲れちゃったのかな…
 「陽菜ちゃん、りっちゃんね。陽菜ちゃんのこと、本当に大好きなんだよ。好きで好きでたまらなくて、ずっと、陽菜ちゃんのこと考えてるの。だからね。陽菜ちゃんの些細な変化もきっとりっちゃんは気づいてるの。だからさ、りっちゃんの前ではあまり強がらないであげてよ。思いっきり頼ってあげてよ。あとね。りっちゃんだって人間だからさ、いっぱい心配していっぱい陽菜ちゃんのこと考えたら少し疲れちゃうこともあるだろうからさ。そういう時は陽菜ちゃんがりっちゃんを支えてあげてよ」
 春香ちゃんは優しい声で陽菜にそう言ってくれる。陽菜は黙って頷くことしかできなかった。
 「よし。体調はどう?」
 「だいぶ落ち着いたよ。春香ちゃん、ありがとう。りっちゃんさんの側にいさせてくれて…」
 「お礼なんて言わなくていいよ。幼馴染みだもん。助けてあげるのは当然のことだもん。体調良くなったならよかったよ。おかゆ作ってあるけど、食べる?」
 「食べるー」
 「はいはい。じゃあ、温めてくるから少し待っててね。りっちゃん、疲れてるから起こさないであげてよ」
 「はーい」
 陽菜の返事を聞いた春香ちゃんは安心した表情で立ち上がって台所がある廊下に向かって行く。
 部屋の中にりっちゃんさんと2人きりになって陽菜はりっちゃんさんを少しだけ強く抱きしめる。温かいから。すごく落ち着けるから。
 「陽菜ちゃん、お待たせ」
 しばらく、りっちゃんさんを抱きしめていると春香ちゃんがおかゆを持ってきてくれた。卵とじのおかゆ、めっちゃ美味しそう。
 「ふーふーして食べさせてー」
 そう春香ちゃんにお願いすると、え!?みたいな表情をされた。だって仕方ないじゃん、陽菜を抱きしめながら、りっちゃんさん、片手を陽菜から離してくれなくておかゆ食べられないんだもん。
 春香ちゃんは呆れた表情で、私は何をしてるんだろう。と言いながらふーふーしておかゆを陽菜に食べさせてくれる。ふーふーして食べさせてくれるのが上手いのはいつもりょうちゃんにしてあげてるからなのかなぁ?そんなこと考えながら春香ちゃんにおかゆを食べさせてもらう。春香ちゃんが作ってくれたおかゆ、めっちゃ美味しかったです。
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