お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

心配





 さっきからずっと、笑顔で笑っていた。ゲームセンターで遊んでいた時もアクセサリーを選んでいた時もずっと笑ってたよ。表面上では…… 

 あなたが、私のことをいっぱい見てくれているのは知っている。私もね。あなたのこと、いっぱい見てるんだよ。だから、隠しても私にはすぐにわかるんだからね。

 だから、あなたは私以外の3人が見ているところでしか強がらないんだよね?だから、私の前では少しだけ、苦しそうにしてたんだよね。あなたが3人には知られたくないと言うのなら、できる限り尊重してあげたい。

 「りっちゃん、大丈夫?」

 歩きながら陽菜に聞こえないような小さな声で春香ちゃんは私を心配してくれた。どうしてだろう。私、ちゃんと笑ってたのにな。

 さっきから、陽菜のことが心配だった。私と2人でプリクラ撮った時に咳き込んだりしていて、アクセサリーを選んでいる時もたまに辛そうだったから、かなり心配をしていた。

 「春香ちゃん…」
 「りっちゃんのこと見ててちょっと心配だったからさ…余計なお世話だったかな?」
 
 春香ちゃんの優しさが嬉しすぎて泣いてしまいそうになる。誰にもバレないように隠してたのにな……

 「ありがとう。でも、なんで気づいてくれたの?」
 「りっちゃん、私にだけちょっと辛そうな表情見せてくれるから気づくよ」

 私、春香ちゃんにどんな表情を見せていたのだろう。でも、私の些細な変化を感じて心配してくれる春香ちゃんの存在が嬉しすぎた。

 「りっちゃんのこと、ちゃんと見てるから、辛かったら言ってね」

 私が陽菜ちゃんを見ているように、春香ちゃんも私を見ていてくれたのかな?親友として…すごく、嬉しくて、すごく、頼もしかった。

 「ありが……」
 「陽菜ちゃん、大丈夫?」

 私が春香ちゃんにありがとう。と伝えようとすると、ゆいちゃんが私の声を遮る。後ろを振り向くと陽菜が辛そうにしていて、ゆいちゃんが陽菜を支えていた。

 私は真っ青になって陽菜に駆け寄る。






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