お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

不機嫌モード






 「ねー、りょうちゃん、こっちとこっち、どっちがまゆに似合うと思う?」
 「どっちも最高に似合うよ」

 カラオケを終えてお買い物に来た僕たちは今、服屋さんで服を見ていた。まゆが2着の服を持ってきて僕に尋ねるのがめちゃくちゃかわいい。

 「答えになってなーい」

 少し頬を膨らませて不満そうに言うまゆがめちゃくちゃかわいい。最高すぎる。

 「どっちのまゆもかわいすぎてどっちかなんて選べないよ」

 僕がそう言うと顔を真っ赤にしながらえへへ。と言うまゆが最高にかわいい。

 「じゃあ、両方買おうかな…あ、でも、ダメだ。今は節約しないと……」

 やばい。めっちゃ買ってあげたい。でも、まゆに買ってあげると春香とゆいちゃんにずるい…と言われて出費がえぐいことに…余裕ないのに………

 「まゆちゃん、この服めっちゃかわいいね。あ、こっちもかわいい」

 僕の背後からひょこっと現れた春香がまゆが持つ服を見て言う。

 「ねー、春香ちゃん、どっちか買わない?どっちも春香ちゃんにも似合うと思うからさ…両方買って2人で両方着ようよ」
 「うーん。ありかな…うん。そうしよう」

 春香とまゆは背丈も同じくらいだし、2人とも痩せてるから服のサイズはほとんど一緒のはず…と思っていたのだが……

 「まゆちゃん、ごめん。ちょっとキツい……えっと、その…胸のあたりとか……」

 念のために試着して見ると春香がまゆに申し訳なさそうに言う。まゆは涙目で春香の胸を睨みつけていた。

 「まゆちゃん、こわい……」
 「まゆ、落ち着いて……」

 僕と春香は不機嫌モードのまゆを宥めようとする。その際、ゆいちゃんがやって来たのだが、不機嫌モードのまゆを見て逃げるように再び服を見に行った。

 「クレープ食べたい」
 「はいはい。クレープね。それで機嫌なおる?」
 「うん」

 どうすれば機嫌が戻るのか尋ねたらクレープ食べたい。と言われたので、僕たちは4人で服屋さんを出てショッピングセンター内にあるクレープ屋さんに向かう。

 「すごい人だね…」
 「僕が並んでるから春香とまゆとゆいちゃんは先に座っててよ。ずっと立ってたから疲れたでしょう?」

 人混みが好きではない春香がクレープ屋さんの渋滞を見て嫌そうな表情をしていたので、僕が春香たちに提案すると、りょうちゃん1人だと寂しいでしょ。と言って、結局4人で並んだ。

 ちなみに、列がすごくてクレープを買うまで30分くらいかかった。まあ、でも、お喋りしていたらあっという間だったから全然いいんだけどね。






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