お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活
未来の話
 「大変だと思ってるよ。これからも4人で一緒にいることはさ……でも、それが苦じゃないくらい、春香とまゆとゆいちゃんと一緒にいられることが幸せなんだ。将来のこととか…具体的にはまだ考えられてないよ。でも、ずっと一緒にいたい。春香が言ってくれたみたいにさ、子どものこととか、結婚のこととか、世間のこととか、いっぱい考えないといけないことはあるよね……」
 みんなを幸せにする。そう決めたのに、春香に言われて考える自分の無責任さに腹を立たせながら春香に答える。
 「理想論だけどさ、春香とまゆとゆいちゃんがさ、僕とこれからもずっと一緒にいたいって言ってくれたら、もちろんずっと一緒にいるよ。将来的に余裕ができたら、さっき春香が言ってくれたようなこともしたいしさ……だから、とりあえずは4人で一緒にいられる関係性をしっかり作って、きちんと勉強して、安定した生活を過ごせるようになりたい。そこが最低限のスタートラインだと思ってる」
 「そっか…まあ、まだかなり先の話だもんね。でも、今、幸せすぎてさ、毎日があっという間でたぶんこれからもあっという間に毎日が過ぎていって、あっという間に数年経っちゃうだろうからさ、少しずつ考えようよ。まゆちゃんとゆいちゃんも一緒にさ」
 春香は本当に、これからのことをよく考えてくれる。本当は僕が1番考えて、みんなを幸せにしないといけないのに…
 「りょうちゃん、みんなで考えればいいからね。私もまゆもゆいちゃんも、幸せになりたいの。みんなで幸せになりたい。そのためにいっぱい考えるから。前にね。まゆちゃんと少しお話したんだけどさ、私とまゆちゃんはりょうちゃんとゆいちゃんよりも早く社会人になるからさ、私とまゆちゃんが頑張って卒業した後も4人で生活できる基盤作ろうね。って話したからさ、先輩を頼ってよ。私もまゆちゃんも、ゆいちゃんも頑張るからさ」
 すごく、頼もしい先輩からの言葉をいただいた。一瞬でも、僕がなんとかしないと。とか思っていた自分を馬鹿らしく思う。
 「春香、ありがとう」
 「いえいえ、私ね。将来のこと考えるの大好きなの。今、すごく幸せだから。これから先もっと幸せになれるって考えるといろいろ想像できちゃって本当に楽しいんだ」
 本当に幸せそうな表情で春香は僕にそう言ってくれる。そう言ってもらえるだけで僕は本当に幸せになれる。
 「さ、手、動かそ…課題、頑張って夜までに終わらせたいの」
 「うん」
 僕と春香は再び手を動かし始める。もし、春香が働き始めて、保育系の職業に就いたら、春香の仕事終わりにこういう作業を手伝ったりするのかな。とか考えるとちょっとにやにやしちゃったりしたのは春香には内緒にしておこう。
 数年後の未来、僕たちはどうなっているのかな。
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