お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

思い出巡り






 ランチはまゆと初めて外食したレストラン街で海鮮丼を食べた。そのあと、また少しお買い物をして、バイト先の本屋さんに寄って、ゲームセンターに行って、あの時のようにまゆとクレーンゲームを楽しむ。

 まゆの車に、あの時とってあげたぬいぐるみはまゆの車にずっと置かれていてまゆに可愛がられている。あの時と似たような感じのぬいぐるみをとってあげるとまゆは大袈裟だと思うくらい喜んで大切にすると言ってくれた。

 そのあと、2人で記念にプリクラを撮ったりしてゲームセンターで楽しんだ後、まゆと手を繋いで駐車場に向かってまゆの車に乗って移動を始める。

 「さっむい…」

 移動が終わって車から降りるとまゆは震えながらそう言った。僕は僕の上着をまゆに着せてあげる。

 「ダメ…りょうちゃんが風邪ひいちゃう…」
 「まゆが風邪ひくよりマシだよ」

 僕がそう答えるとまゆは何かを訴えかけるように頬を膨らませる。相変わらずまゆはかわいい。

 「そんな顔してもだめ。僕は大丈夫だからさ」

 ぶっちゃけ、少しだけ寒いがこのくらいなら問題ない。だって、あの時もこんな感じだったから。

 初めてここにまゆと来た時はまだ暖かくなる前で、日が沈み始める頃の海風はかなり冷たかったのを思い返す。

 「りょうちゃん、手…」
 「うん」

 寒かった周囲もこうやってまゆと手を繋ぐとすごく温かくなる。

 「りょうちゃん、まゆね。あの時からりょうちゃんのこと大好きだったと思う」
 
 まゆと手を繋いで、あの時のように海辺に足跡を残しながら2人で手を繋いで歩いていると、まゆにそう言われた。

 「りょうちゃんはさ、あの時、まゆのことどう思ってた?」
 「かわいいな。って思ってた。かわいくて綺麗で優しくて、こんな素敵な人を彼女にした人はすごく幸せだろうな。って思ってたよ」

 忘れるはずがない、昨日のことのような半年前の記憶を思い返しながら僕がまゆに答えるとまゆは照れて顔を真っ赤にしてしまう。こういうところが本当にかわいい。

 「じゃ、じゃあ、りょうちゃんはまゆを彼女にして幸せ?」
 「もちろん幸せだよ。毎日、大好きなまゆと一緒にいられて、いっぱい思い出を作れてすごく幸せ」
 「えへへ、ありがとう。まゆもね。りょうちゃんが彼氏になってくれてすごく幸せ。ダメダメなまゆだけど、これからもまゆのこと、お願いします」
 「こちらこそ…」

 そう言って、思い出の場所で誓いのキスをした。これからもお互いを幸せにし続ける。と……





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