お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

ヨッパライ





 「ばかあにきぃ。そこにせえざぁ」

 春に押し倒されて半強制的に正座させられる。暴力反対!

 「えへへぇ。おにぃちゃんだぁ」

 お説教が始まると思っていたら春は急にデレデレになって僕に抱きついてきた。うん。これ、確実に酔ってるわ。じゃないと春が僕にこんなことするはずがない。

 「ちょ…りょうさん、妹に抱きつかれてニヤニヤしないで…そこ、代わって…じゃなくて、春から離れてください!」

 春が僕に抱きついたのを見てりょうた君は慌てて春を僕から引き離そうとする。

 「りょうたくん、だめぇ。だよ。らんぼうだめ。おねえちゃんがやさしくしてあげるからぁ。がまんしよ」

 そう言って春香がりょうた君を抱きしめる。りょうた君ずるい。ていうか、りょうた君めっちゃにやついてる。ずるい。

 「えへへ。じゃあ…わたしもりょうたくんだきしめちゃお」

 そう言ってゆいちゃんまでギュッとりょうた君を抱きしめる。りょうた君、まじで許せん。

 「りょうたくん、まゆがぁ。いままでりょうたくんがけいけんしたことないことおしえてあげるぅ」
 「それはダメ!」

 まゆが暴走しだしたので、僕はまゆを止める。

 「りょうた君、春香とまゆとゆいちゃんは僕の彼女だからね」
 「りょうさんこそ、春ちゃんは僕の彼女ですからね」

 割と大きな声でお互いに謎の確認をして僕は春香とまゆとゆいちゃんの方をりょうた君は春の方を見ると、春香とまゆとゆいちゃんと春が泣いていた。

 「春香、まゆ、ゆいちゃん、どうしたの?」
 「は、春ちゃん?大丈夫?」

 僕とりょうた君は慌てて大切な彼女たちを泣き止ませようと声を和らげて声をかける。

 「りょうちゃんがおこってる…」
 「りょうちゃんこわい…」
 「りょうくんにどなられた…」
 「りょうたにおこられた…」

 そう言ってめちゃくちゃかわいらしくえーん。えーん。と泣く彼女たちを僕とりょうた君は必死に慰める。

 「春ちゃん、僕は怒ってないよ。大丈夫。春ちゃん、今日もう眠いでしょ?お部屋に戻ってゆっくり休もう。今日もいつもみたいに2人で寝ようね」
 「ほんとうに、おこってなぁい?」
 「うん。怒ってないよ。さ、部屋に戻ろう。立てる?」
 「たてなぁい」
 「じゃあ、おんぶしてあげるね」

 そう言ってりょうた君は春を背負って僕におやすみなさい。あと、頑張ってください。と言い残して部屋から出て行った。

 4人の酔っ払いを2人で相手するよりも春だけを連れて行った方が楽だと判断して逃げやがった。今日だけでいいからお姉ちゃん引き取ってよ。と言おうとしたが、りょうた君は春を背負って速攻逃げ出した。ずるい。

 とりあえず、3人を泣き止ませて、寝かせて、僕も寝よう。みんなかわいいんだけど、酔っ払いの相手は疲れる。ていうか、なんでみんなお酒飲んだりしたの?






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