お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

テイアン





 「春ちゃん、お待たせ…えっと、どう言う状況?」

 春に事情を説明していると、かっこいい。と言うよりは春香に似てかわいい系の男子である春香の妹で春の彼氏であるりょうた君がやってきて状況が全く理解できていない様子で春に尋ねる。

 「このクソ兄貴の浮気、三股現場を抑えたから締め上げてるの」

 春ちゃん…怖いよ。妹なんだからもうちょっとお兄ちゃんに優しくして……

 「春ちゃん…落ち着いて、りょうさんはそんなことする人じゃないから…とりあえず、ちょっと話聞いてみようよ」

 りょうた君めっちゃいい子だわぁ。流石、春香の弟…それに比べて春は誰に似たのやら……

 「春ちゃん、りょうた、なんでここにいるの?」
 「あ、お姉ちゃん久しぶり。えっと…春のお母さんとうちのお母さんで来る予定だったんだけど、お母さんに予定入って来れなくなってキャンセルするのも申し訳ないから僕と春ちゃんで行って来たら?って言われたから受験の息抜きに春ちゃんと2人で来たんだ」

 中学生が両親公認でカップルで温泉旅行とか…いろいろ大丈夫か?

 「そうだったんだ。すごい偶然だね」

 りょうた君の答えを聞いて春香は納得して久しぶりに弟に会えて嬉しかったからかすごくはしゃいだ様子を見せたがはしゃいでないでこの状況をなんとかしていただきたいです…たぶん、僕が何と言っても春は聞く耳を持ってくれないから……

 「春香……」
 「あ、うん。えっとね。こちらゆいちゃん。私とまゆちゃんと同じりょうちゃんの彼女……」

 春香の紹介を聞いて、春は拳を握って、りょうた君はうわぁ。みたいな表情で僕を見つめてくる。春はともかく、りょうた君にまでそんな表情をされるとは思わなかった。

 「ゆいちゃんを彼女にすることは私もまゆちゃんも同意済みだよ。付き合って結構時間が経って、大変なこともあったけど今はすごく幸せなの。だから、りょうたも春ちゃんも余計なことしないでね」

 余計なこと。を若干強調して言う春香はちょっとだけ…いや、かなり怖かった。春もりょうたくんも震えてるもん。

 「春ちゃん、私とまゆちゃんのこと心配してくれるのは嬉しいけど、私もまゆちゃんもりょうちゃんもゆいちゃんも、みんな幸せだからさ。心配しないで」

 春香のガチトーンに震えてしまった春に優しく春香が言うと、春は半泣き状態でこくんと頷いた。そんなに春香が怖いか……

 「せっかく偶然会えたんだからダブルデート?しない?ゆいちゃんのことも知ってもらいたいし、最近の2人のこと知りたいなぁ」

 春香の提案で6人でダブルデート?(数がおかしい)をすることになった。






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