お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活
秘密の計画②
 「りょうちゃん、お話って何?」
 りょうちゃんのサプライズ誕生日会について相談した翌日、私とゆいちゃんはりょうちゃんに話がある。と言われてりょうちゃんの部屋に呼び出された。
 今日はまゆちゃんだけバイトに行っている。その時点でなんとなく、なんの話かは察しがついていた。
 「えっとさ、もうすぐまゆの誕生日だからさ…まゆには内緒で当日にいっぱいお祝いをしてあげたくて…」
 
 まゆちゃんの誕生日は11月22日でりょうちゃんの誕生日より少し遅い……りょうちゃんとまゆちゃん、2人にサプライズでお祝いするのはかなり難易度が高い。というか、ほぼ無理ゲーだと思う。
 「りょうちゃん、まゆちゃんから伝言ね。まゆは朝起きて1番におめでとうって言って欲しいな。あと、春香ちゃんのお誕生日の日は春香ちゃんと2人きりだったんだから、まゆの誕生日はまゆとだけ一緒にいて欲しい。お誕生日なんだから、これくらいのわがまま許してね。だってさ」
 まゆちゃんとのLINEのトーク画面を開いて、りょうちゃんに見せながら音読をする。りょうちゃんへのサプライズを確実に成功させるために、まゆちゃんの誕生日サプライズはなくして、りょうちゃんの頭からサプライズ概念を消しちゃおう作戦だ。
 「え、なんでサプライズで計画しようとしてたのバレてるの?」
 「りょうちゃんがまゆちゃんとわざとバイトのシフトずらしたからだよ。わかるに決まってるじゃん」
 と、適当に誤魔化してなんとかりょうちゃんの誕生日をサプライズで祝おう大作戦が成功する可能性はまだ残された。
 「もー、りょうちゃんが今日シフト入ってくれなかったから店長とかみーちゃんについに喧嘩した?とか散々言われて大変だったんだからね」
 バイトから帰ってきたまゆはめちゃくちゃ不機嫌で不貞腐れてしまっていた。
 「まゆ、ごめんね…機嫌なおして…」
 「やーだ。しばらく許さないから」
 「まゆの誕生日はずっとまゆと一緒にいていい。って春香とゆいちゃんに許してもらったからさ、まゆの誕生日はずっと2人でいよう。それでも、許してくれない?」
 「…………許す」
 小声で顔を真っ赤にしながらそう言ってくれたまゆがかわいすぎた。
 「まゆはかわいいなぁ」
 「ほんと?」
 「うん。めちゃくちゃかわいい」
 「もっとかわいいって言って!」
 「そういうところもめちゃくちゃかわいいよ」
 「ありがと」
 「りょうちゃん、まゆちゃん、いちゃいちゃしてないで早く来て!夜ご飯冷めちゃう」
 まゆとバカップルみたいなやり取りをしてたら春香に呼ばれたので僕とまゆは慌てて食器を運んだりする手伝いをする。
 その後、まゆに言ったみたいに春香とゆいちゃんにもかわいい。って言いまくった。
 
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