お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

幸せな日常






 朝、枕元で鳴り響くスマホのアラームを無意識的に止めて再び眠りにつく。そんな僕の様子を、アラームの音で目を覚ました僕の最愛の恋人たちが両隣から小動物を見るような目線で見つめて、かわいい。かわいい。と言いあっていることを僕は知らない。

 「「りょうちゃん、おはよう」」

 アラームを無意識のうちに止めてしばらくすると、春香とまゆが、僕の腕を抱きしめる力を強める。2人の温もりがさらに温かくなり、少し腕に痛みを感じて僕が目を覚ますと最愛の2人が僕におはよう。と声をかけてくれる。これが、日常的な朝、朝から最高に幸せな気分を毎日、味わうことができている。

 「春香、まゆ、おはよう」

 僕は2人に返事をする。この際、春香とまゆ、名前を呼ぶ順番を毎日交互に変えている。細かいことだけど、大切なことだと思う。

 起きてから3人で洗面台に向かい歯を磨き、顔を洗う。その後、僕は布団を畳み、洗濯機を回す。その間に春香とまゆは朝食を用意してくれる。

 3人でゆっくり朝食を食べて、僕は食器などの後片付け、春香とまゆは洗濯機から洗い物を出して干してくれる。その後、出かける準備をする。

 大学には必ず毎日、3人で向かう。1限に授業がない日でも僕は春香とまゆに合わせて1限から行く日もあるし、その逆もある。

 木曜日は3人とも2限からなので時間に余裕を持って朝の時間を過ごすことができる。出かける準備をして、ちょっと時間に余裕があるので3人で軽くお茶をしてからアパートの部屋を出て、まゆが運転する車で大学に向かう。

 大学に到着して、春香とまゆと分かれてそれぞれ授業を受ける。木曜日は授業が2限だけだ。2限の授業が終わり春香とまゆと合流して、3人で大学の食堂で昼食を食べる。大学の食堂のように、4人がけの席が基本の場所では、春香とまゆが並んで座り、僕は春香とまゆと付き合うように席に着くのが基本だ。仮に、僕の隣に春香が座ることがあれば、次は必ずまゆが隣に座るようにして、2人に差をつけないように気を遣ったりする。

 食堂で昼食を食べ終える。今日はすごくいい天気だったので、僕たちは軽く大学のキャンパス敷地内を散歩することにした。割と田舎なのでキャンパスの敷地は無駄に広くて散歩し甲斐がある。春香とまゆと手を繋いで、両手が塞がった状態でキャンパス内をゆっくり散歩する。田舎なので、結構緑が豊富な道があったりして散歩も楽しい。キャンパス内にいる猫と戯れたりする春香やまゆを見たりして幸せな気分で散歩をする。

 昼食後に散歩をして、部活が始まる時間が近づくと3人でホールに向かう。ホールに入ってそれぞれ部活の練習に取り組む。

 個人練、パート練習、セクション練習、合奏など、その日の練習メニューをこなすとあっという間に時間は過ぎ去る。練習の最後は必ず通し合奏を行い、通し合奏が終わった後はミーティングをして解散、解散後、僕たち3人はすぐに帰るか、誰かが残って練習したいと言うか、3人で合わせたりするか、のいずれかのパターンで行動する。

 今日は、春香が通し合奏での課題を振り返りたいと言うので春香が満足するまで待つことにした。その間、僕とまゆは2人で曲を合わせたりしている。春香が、納得のいくまで練習して、最後に3人で合わせて楽器を片付ける。

 2時から練習して7時に解散したが、僕たちがホールを出るのは8時過ぎだった。

 アパートに帰宅してすぐに、春香とまゆは夕食の準備をしてくれる。僕は朝、干した洗濯物を取り込んで畳んだり、軽く部屋の掃除をしたりする。部屋の掃除は普段、部活がない日に春香がしてくれていて、部屋の中はめちゃくちゃ綺麗だが、春香とまゆが夕食を作ってくれている間、何もしないのは申し訳ないから、軽く掃除機をかけたり、お風呂掃除をして時間を潰す。

 夕食が完成すると3人で夕食をいただく。時間は9時を過ぎている遅めの時間だが、出来立ての温かくて美味しい食事を食べられることが、本当に幸せだ。

 夕食を食べた後は僕は食器を片付ける。その間に春香かまゆ、どちらかがお風呂にお湯を溜めてくれる。お風呂には3人で入ることもあるが、今日は1人ずつ順番に入る。

 全員が順番にお風呂に入る時、僕は基本最初に入ることが多い。春香かまゆが入っている間は入っていない方とおしゃべりをしたりして過ごす。

 そして、お風呂から出てきた春香とまゆの髪の毛を乾かすのも僕の役割にいつの間にかなっていた。(そのために僕が1番最初にお風呂に入ることになる)

 全員がお風呂に入って、髪の毛を乾かし終わったりした後はゆっくりおしゃべりしたり大学の課題をしたり、ゲームをしたりと3人で過ごす。ただし、週に1回は必ず1人で過ごす時間を作るようにしている。僕も春香もまゆも本を読んだり、ゲームしたり、1人でゆっくりする時間は必ず必要だから、3人で暮らすことになった時から週に1回、必ずお風呂に入ってから寝るまでの時間、1人でいる時間を日を作っている。

 今日はゆっくりおしゃべりをして、軽く対戦ゲームをして遊び、日付けが変わったくらいにリビングに布団を2枚並べて敷いて、歯磨きをして眠りにつく。3人で暮らし始めてから、一度も3人一緒に寝なかったことはない。(合宿を除く)

 3人で並んで布団に入り、週に2、3回くらいの頻度でちょっと…恋人同士が夜中にするようなことをしたりするが(本番はまだしていない)今日はそういう流れにならなかった。

 「春香、まゆ、おやすみ」
 「「おやすみ」」

 2人の返事を聞いてから電気を消して、布団に入る。僕が布団に入ると、左右から春香とまゆが僕の腕を抱きしめてくれる。

 春香とまゆ、最愛の2人の温もりを感じて、僕は眠りにつく。そして、朝、起きる時も最愛の2人の温もりを感じることができる。

 これ以上ない。というくらい幸せな毎日のルーティーンだ。春香とまゆ、3人での生活は、いつの間にか当たり前になっていて、この日常がすごく幸せだ。







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