お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

課題のご褒美





 夕食を食べ終えた後、夕食の後片付けは僕が引き受けて春香とまゆ先輩は再びレポートの作成を再開した。
 「ダメだ…全然書けない…」
 つい先程同じようなセリフを聞いた気がするなぁと思いながらまゆ先輩の方をチラッと見ると足をバタバタさせて頭を抱えていた。かわいい…
 「ふぅ…やっと終わったぁ…」
 まゆ先輩が苦戦している横で春香がレポートを書き終えたようだ。まゆ先輩は苦戦しているように見えるが先程からレポートにあまり意識が向いていないようだった。レポートに集中して欲しいなと思い、僕はレポートを終えた春香の横に座る。急に僕が隣に座ったから春香は少しびっくりしていたが、僕は春香の頭に手を伸ばす。
 「もうレポート終わったんだ。春香は偉いね」
 そう言いながら僕は春香の頭を撫でてあげた。春香はめちゃくちゃ嬉しそうな表情をしてまゆ先輩はめちゃくちゃ羨ましそうな表情をする。
 「え、ずるい…まゆも…」
 「えー、ダメ。まゆはまだレポート終わってないじゃん」
 そう言いながらもずっと春香の頭を撫でていると春香は甘えるように僕の膝に頭を乗せてきた。かわいいなぁ…と思いながら春香の頭をそっと撫でてあげるとめちゃくちゃ幸せそうな表情をしてくれる。それを物欲しそうな表情でまゆ先輩が見つめる。
 「まゆもレポートが終わったらやってあげるよ。だから頑張って」
 僕にそう言われてまゆ先輩は先程とは比べ物にならないくらい集中してパソコンと睨みっこをしてレポートに取り組み始めた。
 すごい勢いでパソコンに文字を打ち込み続けるまゆ先輩を横目にしながら春香の頭をそっと撫で回す。春香はすごく幸せそうな表情をしてくれる。かわいい。と思いながら髪の毛だけでなくほっぺたや顎の下、首回りなどもくすぐってあげると春香はめちゃくちゃ幸せそうな顔をしながらにゃー、などと猫みたいな声を出してもっとやってと要求してくる。めちゃくちゃかわいい。僕と春香がそういうやりとりをするたびにまゆ先輩がパソコンに文字を打ち込むスピードが増していく。すごい…最初からこれくらいのペースでレポートに取り組んでいればすでにレポートは終わっていただろうに…

 「終わった!りょうちゃん、まゆもレポート終わったよ!!」
 春香を膝の上に乗せてから30分ほど経過してまゆ先輩が勢いよく僕に顔を向けて言う。そんなに春香が羨ましかったのか…
 「そっか。よく頑張ったね」
 「そうじゃなくて!まゆも春香ちゃんみたいなことしてほしいの」
 ちょっと意地悪みたいな感じでまゆ先輩に言うとまゆ先輩は頬を膨らませて僕の真横に座った。そして頭の位置を少し下げて僕の行動をまつ。かわいいなぁ…と思いながら春香の頭を撫でていた両腕から片方をまゆ先輩の頭に伸ばしてまゆ先輩の頭を撫でてあげる。その間も、片手で春香の頭を撫でていた。
 「まゆも春香ちゃんみたいに膝の上で撫でてもらいたいなぁ…」
 「ダメ…これは早くレポート終わらせた私の特権なの…」
 春香は頑なに僕の膝の上から移動する気はないようだった。まゆ先輩は春香だけずるい…と目で僕に訴えてくる。
 「じゃあ、まゆも一緒に膝の上に頭乗せていいよ。春香もそれならいいでしょ?」
 「………うん。我慢する」
 ちょっと不満そうだったが春香は納得して頭の位置を少しずらしてくれた。僕の膝の上にまゆ先輩も頭を乗せてきたので僕は春香とまゆ先輩、の頭を片腕ずつで撫でてあげる。髪の毛だけでなく春香にしたように首回りや顎の下などもくすぐってあげる。春香もまゆ先輩も甘え声で猫みたいに、にゃー、にゃー、と言ってくれる。どちらも最高にかわいい。かわいすぎる。春香は首回り、まゆ先輩は耳をそっとくすぐられるのが好きみたいなので、2人が好きな箇所を重点的にくすぐってあげると2人とも本当に幸せそうな表情をしてくれた。
 そんなやりとりを2時間ほど全く飽きることなくしていた。膝の上に頭を乗せている2人が本当にかわいすぎて時間を忘れていた。春香とまゆ先輩もずっと満足そうな表情だった。
 ふと時計を見るともうすぐ日付けが変わってしまいそうだったので、ここら辺でやめることにする。
 「そろそろ終わりにしようか…お風呂入ったりしないといけないしね…」
 「そうだね。今日も一緒にお風呂入る?」
 「ごめん。今日はちょっと一人でゆっくり入りたい…その…すごく幸せだったんだけどさ、ずっと手を動かしてたせいで腕がだいぶ痛いから一人でゆっくり入りたい…」
 「あ、そっか…なんかごめん…」 
 まゆ先輩が申し訳なさそうな表情で僕に謝る。春香もまゆ先輩に続いてごめん。と言うが、本当に幸せだったから気にしないで、と2人に言うと2人ともすごく嬉しそうな表情をしてくれた。
 その後、春香がお風呂にお湯を入れてくれたので順番にお風呂に入った。春香、まゆ先輩、僕という順番でお風呂に入る。僕がお風呂から出るとすでに春香とまゆ先輩は髪を乾かし終えていて、すでにリビングに布団がいつものように敷かれていた。
 お風呂から出てすぐに歯を磨いて、僕たちは寝ることにした。すでに深夜の1時近い時間だったので本当に眠い…
 僕が真ん中で左右に春香とまゆ先輩という形で3人で川の字で横になる。枕は春香の部屋にある横長い枕を3人で使う。ギュッと春香とまゆ先輩は僕の片腕を抱きしめて、僕に体を当てて眠ろうとする。春香とまゆ先輩、2人のかわいい女性に密着されながら布団に入るのは最初の頃はめちゃくちゃドキドキしていたが、いつのまにか慣れてきていた。
 部屋の電気が消えて、僕たち3人はゆっくりと眠りにつくのだった。







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