お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

空き時間にカフェで…




 「りょうちゃん、そろそろ起きて…」
 僕が目を覚ますと、僕は春香とまゆ先輩に左右から抱きしめられていた。寝起き早々幸せすぎるのだが…僕を起こしてくれた春香とまゆ先輩は僕が起きたのを見て、朝食の準備をするために台所に向かった。僕は、洗面台で顔を洗った後に、僕たちが寝ていた布団を片付ける。そうしているうちに朝食が完成して、3人で朝食を食べて大学に向かった。
 3人とも1限と2限の授業があり、2限の授業が終わった後、3人で昼食を食べた。
 その後、3限の授業を受けて、春香とまゆ先輩は今日の授業は終わりだ。僕は5限の授業があるため、4限の時間帯は何しよう…と思いながらキャンパス内を彷徨いていた。
 「りょうちゃん、お疲れ様」
 声をかけられたので後ろを振り向くとまゆ先輩と春香が一緒に歩いていた。
 「春香、まゆ、お疲れ様」
 「りょうちゃん、ごめんね。私、今からバイトだから…また、後でね」
 「うん。今日はゆいちゃんとご飯食べに行くからちょっと帰り遅くなるかもしれないから」
 「うん。わかった。私もバイト終わったらりっちゃんとご飯食べに行くからもしかしたらりょうちゃんの方が帰り早いかも」
 「わかった。じゃあ、また後でね。バイトがんばって」
 「うん。またね」
 春香は僕との会話を終えてまゆ先輩にじゃあね。と言って、大学の事務室に向かった。春香は、大学の事務室で受付のバイトをしているのだ。
 「りょうちゃんは4限暇なの?」
 僕と2人きりになり、まゆ先輩が僕に尋ねる。
 「うん。5限まで暇だよ」
 「まゆさ、バイトまでもう少し時間あるから、もしよかったら大学のカフェでお茶しない?」
 「うん。いいよ」
 「やった!」
 まゆ先輩は嬉しそうに僕と手を繋いで僕をキャンパス内にあるカフェまで案内してくれた。明るい茶色の小洒落た建物がキャンパス内にある。そこが、カフェのようだった。
 「りょうちゃん、何にする?」
 「うーん。僕、コーヒー飲めないからオレンジジュースかな…まゆは何にするの?」
 「まゆはブレンドコーヒーと特製チーズケーキだよ。ここのチーズケーキめっちゃ美味しいからおすすめ」
 「じゃあ、僕も頼もうかな…」
 カフェのレジでブレンドコーヒーとオレンジジュース、特製チーズケーキを2つ注文して、お会計をする。今日こそ僕がお金を出そうとしていたらまゆ先輩が鞄に入っている財布を取り出そうとしていたのでまゆ先輩の手を掴んでそれを止めた。それで察したまゆ先輩は小声で僕にありがとう。と言ってくれたので、僕は2人分のお会計を済ませた。その後、トレーに乗せられた商品を受け取り、空いていた席に僕たちは座る。
 「ん。チーズケーキ美味しいね」
 しっとりとしていてしっかりと味付けされているチーズケーキは本当に美味しかった。
 僕とまゆ先輩は軽く談笑しながらチーズケーキを食べ進めた。
 「そういえばさ、りょうちゃんはバイトもう決まってるの?」
 「うーん。まだ決まってないんだよね」
 「そっかぁ…ねぇ…もしよかったらさ、まゆのバイト先の本屋さんでバイトしない?今、人手不足でバイト募集してるからまゆが紹介すればたぶんバイトさせてもらえるよ」
 「え、本当?」
 正直言って、ここら辺のお店とかあまりわからなかったのでまゆ先輩の提案はとてもありがたいものだった。
 「うん。りょうちゃんがバイト入れる日ってたぶん、まゆとほとんど一緒になると思うからもしよかったら、一緒にバイト行って帰りも送ってあげられるよ」
 「いや…それは流石に申し訳ないよ…バイトのこと少し考えてもいいかな?」
 「うん。まゆ、りょうちゃんと一緒にバイトできたら嬉しいな。今のバイト本当に楽しいんだけどりょうちゃんが来てくれたらもっと楽しくなりそう」
 まゆ先輩は笑顔でそう言い、本屋さんのバイトについて色々話してくれた。こんな作業が楽しいとか、こういう仕事が好き。とか、本当に楽しそうに話してくれるから、本屋さんでのバイトがすごく気になってきた。
 「まゆ、本当に同じバイト先になっていいの?」
 「うん。もちろんだよ」
 まゆ先輩が即答してくれたので、僕は是非、まゆ先輩の提案通りまゆ先輩がバイトしている本屋さんでバイトしたいと伝えた。
 「やった!じゃあ、今日店長いるからりょうちゃんのこと話してみるね」
 「うん。お願い」
 「はーい。あ、そろそろ4限終わるね。まゆもそろそろバイト行くから出ようか」
 「うん」
 僕とまゆ先輩は席を立ち上がってカフェを出る。そのまま2人で駐車場まで歩いて、僕はまゆ先輩を見送る。
 「りょうちゃん、今日はありがとう」
 「こちらこそありがとう。バイトの件、よろしくね」
 「うん。任せといて、バイト終わったら連絡するね」
 「うん。よろしく」
 「また、今度お泊まりしたいなぁ…」
 「機会があればね」
 僕がそういうとまゆ先輩はうん。と答えて僕に視線を向ける。僕はまゆ先輩の希望に応えてまゆ先輩を抱きしめる。すると、まゆ先輩は嬉しそうにありがとう。と言いながら僕を抱きしめてくれた。
 その後、まゆ先輩を見送ってから僕は5限の授業に向かうのだった。






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