お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活
辛い1日の始まり…
 「ん…寝ちゃってたか……」
 木曜日は僕も春香もまゆ先輩も授業が2限しかないため朝食を食べた後、少し仮眠を取ることにした。ソファーに座って寝ていたが、僕の肩には春香とまゆ先輩の体重が相互からのしかかっていた。春香もまゆ先輩も僕の肩に頭を乗せてまだ寝ている。2人の寝顔をかわいいな。と思いながら交互に見つめていた。
 今、何時だろうと思い、膝にあったスマホで時間を確認する。
 「え…」
 時間を確認した僕は時が止まったように固まってしまった。2限の授業は11時から始まる。現在の時間は………
 「春香、まゆ、起きて!もう11時半!遅刻だよ。遅刻!」
 「「え!?」」
 僕が割と大きめな声で言うと春香とまゆ先輩は飛び起きた。2人とも慌てて膝の上に置いていたスマホで時間を確認して現実を知り凍りついていた。
 「………やらかしたね。今から準備して大学行っても出席にはならないしほとんど授業受けれないよ……」
 「仕方ない……2限は諦めよう…どうせ初回ガイダンスだから早く終わるだろうし間に合う気がしない……お昼ごはんの準備しよう…」
 まゆ先輩と春香がそう言いながらソファーから立ち上がり、洗面台の鏡を見て寝癖がついていないか確認する。2人とも大丈夫だったみたいで確認はすぐに終わった。
 それにしても、昨日の午後に続いて今日も授業を休まないといけないのか…サボりぐせがつかないか不安だ……以前、高校の先生が言っていたのだが、大学で単位を落とす理由の2割か3割くらいはサボりぐせで出席日数が足りてない。と言う理由だと思う。と先生が言っていたのを思い出した。その時は嘘だ〜と言うような感覚で聞いていたが嘘じゃない気がしてきた…
 そんなことを考えていると春香とまゆ先輩は台所に立った。春香が冷蔵庫の中身を確認してチャーハンでいいかな?と僕とまゆ先輩に尋ねる。僕もまゆ先輩も同意したため、昼食はチャーハンになった。春香とまゆ先輩が下準備を始めるが台所に入れない僕は申し訳ないと思いながら春香とまゆ先輩が料理しているのを眺めていた。まず、春香はチャーシューがないので代用に用意したウインナーとネギを細かく切り、卵を割ってかき混ぜていた。その間にまゆ先輩は朝食の残りのごはんを水で洗いごはんの粘り気を取る。
 下準備を終え、春香がフライパンで一気に具材を炒める。高温で一気に炒めると美味しくできる。と春香は言っていた。実際に春香の作るチャーハンはめちゃくちゃ美味しい。春香がチャーハンを炒めている間にまゆ先輩は卵スープを作る。スープの素に具材を鍋で煮込んで最後に溶き卵で閉じる。めちゃくちゃ美味しそうな卵スープがあっという間に完成した。まゆ先輩が卵スープを作り終えるのと同じくらいのタイミングで春香がチャーハンを作り終える。2人とも料理上手だなぁ。と思っていたら一瞬で出来上がっていた。
 さっそく食べよう。ということになり、テーブルの上にチャーハンと卵スープを運ぶ。
 3人でいただきます。と言い、僕はチャーハンにスプーンを向けると…
 「りょうちゃん…何もしてないんだからさ、私とまゆちゃんに食べさせるくらいのことをしてくれてもいいんじゃないかな?」
 「あ、たしかに!りょうちゃんお願い」
 昼食の準備を全く手伝うことができなかった僕に拒否権はなかった。春香とまゆ先輩、交互にチャーハンを食べさせてあげると春香とまゆ先輩は交互にチャーハンを食べさせてくれた。それを3人のチャーハンがなくなるまで繰り返した。チャーハンがなくなり、卵スープだけが残され、3人ともスープ一気に飲み干した。チャーハンも卵スープもめちゃくちゃ美味しかった。春香とまゆ先輩、料理上手な2人を僕は尊敬した。
 料理の手伝いができなかったので、食器の片付けは僕がやると申し出た。僕が食器の片付けをしている間、春香とまゆ先輩はソファーに座って楽しそうに笑っている。こうやって少し離れた場所から春香とまゆ先輩を見ているとやっぱりどちらもすごく魅力的な女性だな。と思う。春香とまゆ先輩に好き。と思ってもらえる僕は幸せ者だろう。
 「じゃあ、そろそろ大学行こうか」
 「そうだね」
 僕が食器の片付けを終えて、春香とまゆ先輩が座っていたソファーの中心に座って3人で話をしてしばらくした頃にまゆ先輩が言うと春香が同意する。
 今日、3人とも授業は2限だけだが午後は部活がある。僕たちが通う大学のキャンパスは木曜日は授業が全学部全学年、午前中しかない為、午後は部活、サークル、バイトなどに時間を使う学生がほとんどだ。授業がない為、参加できる人数が多いという理由で吹奏楽部は木曜日の午後は必ず全体練習がある。なので、僕たちは大学に向かう準備をしてまゆ先輩の車に乗せてもらい、吹奏楽部の練習に参加するために大学に向かうのだった。
 この時の僕たちは、今日の部活で何が起こるか…なんてことは全く意識しておらず、いつも通り軽い気持ちでホールに向かっていたのだった。
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