月と太陽
第二話 胡蝶之夢
――俺が目を開けるとそこはウユニ塩湖のような場所だった。
一瞬でこれは夢だとわかった。
俺以外に誰かいないかと辺りを見渡すと……いた。
男と女が。
その二人に近づこうとするも距離は縮まらず寧ろ遠ざかってるような……
よく見るとその男女は見覚えのある顔をしていた。
男の方が俺で女の方は佐倉のように見えた。
佐倉らしき人物は俺らしき人物に抱きつきぼそっと何かを呟いた。
なんて言ったかは全くわからなかった。
それを見た瞬間。
俺の目の前は真っ暗になった……。
「――っ!」
俺は飛び起きた。
いつの間にか寝てしまっていた。
今何時かと枕元の時計を確認する。
時計は午後の七時半を指している。
「寝過ぎちゃったな……」
ぼそっとそういい俺はさっき見た夢のことを思い出す。
「――俺と佐倉は……出会う運命にあったってことなのか?いや、そんな訳ないか」
俺はそう結論づけリビングへ向かった。
「制服姿で何してんの。ほら、早く着替えなさい」
「はーい」
俺が寝てる間に夕食を作ってくれていた母にそう言われ適当な返事をしたあと俺は部屋着に着替え夕食を食べた。
「ごちそうさまー」
食べ終わったあとシンクに食器を片し、自室へ戻った。
「佐倉……紫…」
俺は無意識にその名を口にしていた。
何故だろうか。あいつのことが気になってしょうがない。
俺が太陽だと言われ、あいつが月。
相反する存在。
そう言われた時から俺の中で何かが変わったのだ。
明日佐倉に言おう。
まだ早いと思うが思い切って言おう……。
多分この気持ちは恋ってやつだ……
告白してダメだった時、この気持ちは一気に晴れるだろう。
俺はそう思い明日、佐倉に告白することを決心した。
もちろん誰にも内緒で。
クラスの人気者……を演じてる俺が自分と相反する存在の佐倉に告白したと知られたら佐倉も俺も嫌だしな……
モヤモヤした気持ちのまま俺はまたベッドに横になり
無意識に佐倉のことを考えて再び眠りについた。
――次の日。
俺はいつも通り遅刻ギリギリに学校へ行き普段通り昼を食べ普段通り授業を受ける。
あるひとつを除いて普段通りなのだ。
「よっ。待ったか?」
俺は声をかける。
相手は先に図書室で待っていた佐倉だ。
「うぅん。待ってないよ」
そう佐倉は言うが手元の本の最後のページにしおりが挟まれている。
かなり待たせてたな……
「あ、そうだ。佐倉。お前に言おうとしたことがあってな」
俺は覚悟を決めた。
告白されることはあってもすることは初めてだ。
「ん……なに……?」
佐倉が何かを期待する目で俺を見る。
そして俺はこう話し出した。
「昨日、夢を見たんだ。俺と佐倉がウユニ塩湖みたいなところで抱き合っている夢をな。それで思ったんだよ。俺と佐倉は出会う運命にあったのかなって。昨日佐倉は俺たちのことをこう例えたよな?俺が太陽で佐倉が月。相反する存在って。だから……俺がお前を照らす太陽になってやる……。えっと……俺と付き合ってくれないか……?」
――恥ずかしい。こんな気持ちで告白するやつはこんなこと言ってたのか……
肝心の佐倉は少し考えそして、クスッと笑った。
「――その夢。実は、私も昨日見たの。偶然かなって思った。でも、流星くんの告白を聞いて確信した。必然だって。私達は出会う運命だって。だから……私の事……照らし続けてください…っ」
――かなり遠回りだがOKということだろう。
「え、えと……なら……お互いのこと名前で呼び合わないか?……紫…」
俺が名前で呼ぶと紫は擽ったそうに笑顔になり言い返した。
「もちろん…これからよろしくね。流星」
この日を境に俺と紫は連絡を頻繁にとるようになった。
でも、付き合ってるということはクラスの誰にも言ってない。
速坂にも木野にも。
もちろん。俺にたまに絡んでくる女子にも。
噂では俺のファンクラブなるものがあるらしいしな。
あくまで噂だ。
――でも、これが最悪の事態を招くなんて、この頃の俺達は知るよしもなかった。
一瞬でこれは夢だとわかった。
俺以外に誰かいないかと辺りを見渡すと……いた。
男と女が。
その二人に近づこうとするも距離は縮まらず寧ろ遠ざかってるような……
よく見るとその男女は見覚えのある顔をしていた。
男の方が俺で女の方は佐倉のように見えた。
佐倉らしき人物は俺らしき人物に抱きつきぼそっと何かを呟いた。
なんて言ったかは全くわからなかった。
それを見た瞬間。
俺の目の前は真っ暗になった……。
「――っ!」
俺は飛び起きた。
いつの間にか寝てしまっていた。
今何時かと枕元の時計を確認する。
時計は午後の七時半を指している。
「寝過ぎちゃったな……」
ぼそっとそういい俺はさっき見た夢のことを思い出す。
「――俺と佐倉は……出会う運命にあったってことなのか?いや、そんな訳ないか」
俺はそう結論づけリビングへ向かった。
「制服姿で何してんの。ほら、早く着替えなさい」
「はーい」
俺が寝てる間に夕食を作ってくれていた母にそう言われ適当な返事をしたあと俺は部屋着に着替え夕食を食べた。
「ごちそうさまー」
食べ終わったあとシンクに食器を片し、自室へ戻った。
「佐倉……紫…」
俺は無意識にその名を口にしていた。
何故だろうか。あいつのことが気になってしょうがない。
俺が太陽だと言われ、あいつが月。
相反する存在。
そう言われた時から俺の中で何かが変わったのだ。
明日佐倉に言おう。
まだ早いと思うが思い切って言おう……。
多分この気持ちは恋ってやつだ……
告白してダメだった時、この気持ちは一気に晴れるだろう。
俺はそう思い明日、佐倉に告白することを決心した。
もちろん誰にも内緒で。
クラスの人気者……を演じてる俺が自分と相反する存在の佐倉に告白したと知られたら佐倉も俺も嫌だしな……
モヤモヤした気持ちのまま俺はまたベッドに横になり
無意識に佐倉のことを考えて再び眠りについた。
――次の日。
俺はいつも通り遅刻ギリギリに学校へ行き普段通り昼を食べ普段通り授業を受ける。
あるひとつを除いて普段通りなのだ。
「よっ。待ったか?」
俺は声をかける。
相手は先に図書室で待っていた佐倉だ。
「うぅん。待ってないよ」
そう佐倉は言うが手元の本の最後のページにしおりが挟まれている。
かなり待たせてたな……
「あ、そうだ。佐倉。お前に言おうとしたことがあってな」
俺は覚悟を決めた。
告白されることはあってもすることは初めてだ。
「ん……なに……?」
佐倉が何かを期待する目で俺を見る。
そして俺はこう話し出した。
「昨日、夢を見たんだ。俺と佐倉がウユニ塩湖みたいなところで抱き合っている夢をな。それで思ったんだよ。俺と佐倉は出会う運命にあったのかなって。昨日佐倉は俺たちのことをこう例えたよな?俺が太陽で佐倉が月。相反する存在って。だから……俺がお前を照らす太陽になってやる……。えっと……俺と付き合ってくれないか……?」
――恥ずかしい。こんな気持ちで告白するやつはこんなこと言ってたのか……
肝心の佐倉は少し考えそして、クスッと笑った。
「――その夢。実は、私も昨日見たの。偶然かなって思った。でも、流星くんの告白を聞いて確信した。必然だって。私達は出会う運命だって。だから……私の事……照らし続けてください…っ」
――かなり遠回りだがOKということだろう。
「え、えと……なら……お互いのこと名前で呼び合わないか?……紫…」
俺が名前で呼ぶと紫は擽ったそうに笑顔になり言い返した。
「もちろん…これからよろしくね。流星」
この日を境に俺と紫は連絡を頻繁にとるようになった。
でも、付き合ってるということはクラスの誰にも言ってない。
速坂にも木野にも。
もちろん。俺にたまに絡んでくる女子にも。
噂では俺のファンクラブなるものがあるらしいしな。
あくまで噂だ。
――でも、これが最悪の事態を招くなんて、この頃の俺達は知るよしもなかった。
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