魔王と歩む世界

太津川緑郎

十二話 モンスターレベル


「第七部隊、出撃!」

狼のような、だが日本の狼より耳が長い獣と、戦っていた。
名を ロングウルフというらしく、王都近くの草原で大量に発生しているらしい。
その獣を試験という名目で、害獣討伐をしている。

第二魔法軍の中から、 第一から第八までの部隊にわかれ、一人三匹ずつの討伐が行われている。

「第八部隊、出撃!」

僕の番だ、ロングウルフは正面に突進してくる。
光魔法の訓練には、最適な環境だった。
太陽の光もいい具合に差し込み、正面に突進しかできない、ロングウルフは格好の的だった。

「ライトソード!」

容量を魔法に変えるのではなく、太陽光を魔法に変える。
太陽光が魔法剣の刀身に纏い、ロングウルフを二つに分断する。

「すげー、あれが光魔法か」

一匹分断するごとに、大きな歓声が上がる。
それほど、特質魔法の珍しさを物語っていた。

「ふぅ〜こんなもんか」

リングを見ても容量は減っていない、容量の心配はこれで解決だが、残りは体力強化だ、魔法剣はさほど重くはない。
だがモンスター討伐の際、激しく動き回ることは火を見るより明らかだ。

モンスターにはレベルが設けられてある。
ちなみにロングウルフのレベルは一だ。

「はぁ、はぁ」

一レベルの最弱モンスターを討伐したくらいで、息が上がるようでは、もっと大型のモンスターと戦う際に、足手まといになりかねない。

数分後には二つに分断された、ロングウルフが大量に転がっていた。

「では、帰るぞ!」

宿舎に帰る際、いつもなら歩いて帰るのだが、全速力で走ってで帰った。
その際、後ろからレグルスが猛ダッシュで追いかけてきたが、すぐに追いつかれ、追い越された。

宿舎に着くと、レグルスが倒れこみ息を整えていた。
その横に同じようにして倒れこんだ。

「体力は俺に分があるようだな、ハァ、これで一勝一敗だからな!」

「そんなこと、ハァ、どうでもいいよ」

空で輝く星の光でも、光魔法は使えるのか? そんなことを思っていると、息も整い食堂に向かう。

「先行くぞ」

前回同様スカしたセリフを吐き捨て、食堂に向かった。

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