魔王と歩む世界
十話 魔法訓練
そこは、灰色の部屋だった。
対魔法バリアが張られ、各々が教科書の通りに魔法を人形に向けて放っていた。
「ファイヤーブレイド!」
一人の生徒が、リングから出ている、物体のない電子端末のようなものを操作し、そう叫ぶ。
発動時間を待ち、魔法剣に炎が纏う。
これは基本魔法のファイヤーブレイド、魔法を吸収する剣、魔法剣にのみ発動できる魔法だ。
「これが基本だ、そのモニターに映っている、容量のところが五百減っているのがわかるか? その技は容量を五百使う」
魔法には、五大属性、例外の特質魔法を除けば、魔法はこの五つに分類される。
炎、水、木、土、風がある。
「私の魔法は氷を操る。いわゆる特質魔法だ」
ルシア軍隊長は、氷を操る特質魔法の使い手らしい。
特質魔法は、五大属性の魔法も使えるのに加えて、生まれつき持っている特性、それが特質魔法だ。
その特性を持った子供は、百人に一人の確率らしい。
「質問です! 特質魔法はどうやって確認するんですか?」
「あぁ、そのリングから映し出されている、モニターは、残り容量で発動できる魔法が羅列してある。その羅列されてある魔法の最下、特質魔法を持っているものには、さらなる魔法が示されてある」
その説明を聞き、皆がリングの魔法の欄を、スワイプする。
僕も例外ではない、だんだん下にいくと五大属性ではない魔法が羅列してあるのに気がついた。
「あの⋯⋯これは」
ルシア軍隊長を呼び、確認してもらうと、驚いたような顔をする。
「お前これ! 光魔法じゃないか! これは第一魔法軍の軍隊長、テンザイナ・アークと同じ魔法じゃないか!」
周りがざわつき始める、第一魔法軍といえば、一番優秀な魔法軍の軍隊長と同じ魔法なのだから。
「そのテンザイナさん? その人は強いんですか?」
「軍隊長に関しては、第二から第九まで同じくらいの強さなんだ。 一人を除いてはな、テンザイナ、あいつだけは別格だ。一人で魔法軍一つ分の戦闘力を誇るんだ。」
教科書にも載っている。 十五歳という若さで軍隊長に任命された、異例中の異例だと。
十五歳、今の僕と同い年だ。
「光魔法は威力、スピード、発動時間、どれを取ってもトップクラスなんだ。日中は太陽光を容量として代用できる、だから太陽出ていれば、無限に魔法を放てるってことはだ」
自分の魔法に言うのは、少し小恥ずかしいが、チートと呼ばれる類の魔法じゃないのか。
説明を聞く限り、光魔法には一つしか欠点がない。
もし太陽が出ていなくても、僕の容量は平均より多く、唯一の欠点をカバーできている。
「僕最強じゃん!」
その大声は、部屋中に響き渡った。
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