魔王と歩む世界

太津川緑郎

四話 魔法師試験


そこは、壁面を白で塗られた建物だった。
入り口は常に開いているようで、そこから入ることができた。
だが、不思議なことがあった。
窓がないのだ。

そんなことを考えていると、自分の番が回ってくる。
そこには魔法軍試験と書いてある紙が用意されていた。
そこにはプロフィールを書く欄があった。

「えっと⋯⋯出身地?」

そこには任意とは書かれていたが、のちに厄介なことにならなければいいが、あとは氏名やら、生年月日やらを書いて提出した。

その後数人の男たちと、身長を測り、体重を測り、軽い体力測定を受けた。
結果は日頃の引きこもり生活が災いしたのか、ボロボロの結果だった。

それら全てが終わると、手に変なリングをつけるよう指示される。
指示の通りつけると、そのリングに数字が浮かび上がった。

「リングは外さないでください」

ちなみにだが、僕の数字は五万だった。
体力測定がボロボロだった僕だ、さぞ平均以下だと思っていたが。

「えっ!」

一人一人の数字を確認していた女性が、僕の数字を見て大声を上げたのだ。
余程低いのかと落ち込んでいると、思い切り手を掴まれた。

「すごい! 五万なんて数十年に一人いるかどうかの容量ですよ!」

何やら僕には素質があるみたいだ。

「平均は五千くらいですから、おおよそ十倍の魔法が使えるわけなんです!」

その女性は、意気揚々とその容量について、語っていた。
ハッと我に返り、恥ずかしがっているのは、少し胸に久しぶりの、ドキドキを与えてくれた。

「ありがとうございました! ではこれで終了となります!」

数時間に及ぶ、魔法魔法師は無事に終わった。

だが、一番大事なことを解決できていない。
そうお金だ。

「どうしよう」

困っていると、一緒に試験を行っていた男が、話しかけてきた。

「君すごいんだな! あっ、俺はバーチェってんだ、よろしくな」

試験後なのに、元気が衰えないその男は、赤い目に、短く切り揃えられた髪、タンクトップ、短パンと脳筋がそのまま人になったかのような容姿と性格だった。

「僕は⋯⋯ミノルだ! よろしく」

恐らくこの世界では、日本のような名前ではないのだろう。
だから名前をそのままカタカナにした。

「ミノルすごいな! 五万だって? 軍隊長レベルじゃん!」

「すまん、軍隊長ってなんだ?」

「知らないのか! 軍隊長ってのはな⋯⋯」

バーチェの説明は色々回りくどく、わかりにくかった。

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