玲奈の異世界干渉記

はるもね

8話 お店 その3



他のメンバーの面接時に給料の話をすると 全員が そんな事だろうと思っていたという反応だった


あまりにも給料が高く 裏があるのかと思っていたものもいたようだ


1月の給料に直せば そんなものらしく 間違いであれば問題なく 間違いでなければ


辞退するつもりで受けたとのことだった


料理人の採用試験では 料理をいくつか作ってもらうことになった


結果 4人の料理人が採用されることになった


男性が3人 女性が1人


カウンターの採用試験では 計算と客の対応を見てみた


結果6人の女性が採用された


※※※


しばらくして レストラン&パン販売店は稼動した


営業時間は パンの販売は朝の鐘がなったら開店ということにしてあるが実際は


パンを焼くのに1時間はかかるため 最初にパンが店頭に並ぶのは朝7時ごろであった


早い客は朝から来店するが 焼きあがるまではレストランの待機場所で座って待ってもらっていた


夕方17時で閉店する


レストラン側では お昼の鐘の前に開店する だいたい朝11時ごろである


閉店は15時ごろである


この世界にあるパンは フランスパンのかたいものが主流であった


そこにドライイーストとパン酵母を使い ふわふわのパン 色パン 


アンパン など中身に餡子 クリーム チョコなどをいれたパンの作成


ウインナーをのせてやいた ウインナーパン などの惣菜パン


それらをパンの販売で行った


レストラン側では 惣菜パン や食パンを使ったサンドイッチ


この世界にもある パスタなどを売ることにした


開始直後は そこまで売り上げが上がらなかったが 一度購入した客が


リピーターとなって 順調に売り上げを伸ばしていった


値段はそこそこ高めの設定ではあったがそれも踏まえてのうりあげであった


冒険者たちもよくパンを購入して行ってくれている様であった


いままでは保存食は 干し肉や 乾かした豆類 などで おせじでもあまりおいしいものでもなかった


1日であればパンでも保存ができるので 冒険者たちは 保存食も食べるが 


パンを購入した初日はパンが食べられるということで持ち運びがうっとうしくない アンパンや


クリームパン 惣菜パンが売れていた


商人たちは大きな取引相手に ここのレストランを紹介し一緒にひるをとるというスタンスのものが多く


見受けられるようになった


開店してからしばらくは 特に問題もなく 順調であった


その日は 玲奈とアーリー トワと王様が 玲奈の勧めでこのレストランに


昼食をとりに来ているときであった


1人の 太った男が大騒ぎをレストランの入り口で起こしていた


玲奈は不審に思い 王に告げてから様子をみにきた


「わたしは ブロイ・ボネス・ドローア男爵であるぞ その男爵自ら足を運んでやっているというのに


平民と同じように並べとは何事か!」


「ですから 何度も申しておりますように このお店は ご貴族様向けのお店ではございません


ですがご貴族様を排除する目的ではなく ただただご貴族様向けに作られた


お店ではないということです


ですのでご貴族様であられても ご購入もしくは お食事をなさるという場合は


並んでいただかないとご提供ができません


その旨 王様よりご通達があったと思いますが」


「それはしっておるが うまいというから見に来てやったのだから 


そのくらい優遇するのが普通であろう」


「ですから そういった優遇はできかねますと何度も申し上げておりますとおり」


玲奈はそのやり取りを見て 大きなため息をつく


「えっとブロイさんでしたっけ? ここは貴族向けのお店じゃないって説明ありましたよね?


貴族様は並んだりされないでしょうから 王様に通達をお願いしたんですけど」


急にでてきた玲奈をみてブロイは


「なんじゃこのちんちくりんは 私が誰かわかっての狼藉か! それにずるいではないか


ここの新しいパンとやらはすごくうまいときいておる なぜ貴族向けじゃないといって貴族を


のけ者にするんじゃ」


「話し聞いてました? のけものにするんじゃなくて並んでっていってるんです」


「貴族の私がなぜならばなければならない  そこは優遇するものじゃろうが!」


(だ・・だめだ このひとはなしきかない・・・・ どうしようかなぁ)


玲奈が途方にくれていると王様が顔を出した


「レーナ どうした?」


「あーおじい様 この人が言うことを聞いてくれなくて 食べたかったら


並んでっていってるんですけどねぇ」


「なんじゃ お前はえっと・・」


「ブロイさんらしいです」


「ああ そうじゃった ブロイだったな」


「お・・う・・さま? なぜこんんあとこにおうさまが・・・」


「わしもこの店に食べにきたからじゃが? わしは確かに通達を出したはずじゃが聞いておらんのか?」


「いえ きいております すいません しつれいしました」


ブロイはそういうと どたどたとにげるようにさっていった


「オーナーすいません たすかりました」


店長の女性が玲奈にお礼を言う


「いいえ おじいさまのおかげです おじいさまありがとうございます」


「いやいや もどって食事をしようか」


「はい おじいさま」


玲奈と王様は案内されていたテーブルに着きなおし食事を楽しんでから帰った





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